2022年ニセコバックカントリースキーツアー(121日から25)

1日目
午前5時前に自宅を出て、難波から南海特急ラピートで関西空港へ、車両は鉄人28号を思わせるマスク、豪華な内装が旅気分を盛り上げてくれる。そのおかげで、第2ターミナルへは予定より早く着くことができた。セブンイレブンのコーヒーと調理パンが食べたくなり、購入し、ターミナルの待合で食べた。なかなかいける。荷物検査を済ませ、搭乗口の前のロビーで読みかけの「パリ旅の雑学ノート」を読む、古い本だったがパリの日常の様子がリアルにかかれていて面白い、新千歳行を待つ人は、ダウンや長靴と寒さ対策をしている人が目立った。自分は登山用アプロ―チシューズなので、北海道に着いたら靴屋で長靴を購入したいと思った。
 ピーチ航空の新千歳行は9割ほど席が埋まっていた。幸い自分の隣にはお客はなく、ゆっくりと眠ることができた。新千歳空港で今回のツアーの相棒Kさんと合流した。彼はJALのマイレージで飛んできたのだ。予定通りにJRの駅に行くと、出発表示が9時台の列車になっている。もう10時を過ぎているのに、凍結で車両点検があり、ダイヤが乱れているらしい、それでも小樽行の快速電車が入ってきたので乗る。それほど混んでいなかったが、札幌に近づくにしたがって混みあってきた。しかし、札幌でほとんどの人が下りると、列車は海沿いのさびしい駅に停まるが、乗降する人はほとんどいない。終着、小樽駅の構内は意外に新しく今風になっていた。さっそく最初の旅の目的でもある「郷土料理おおとみ」をめざす、毎回、夏のツーリングの行きと帰りに必ず寄る店、今回も前日に予約しておいた、冬の小樽ははじめだった、駅前に立つと雪が降っていて、道路にもかなり積もっている。12時を過ぎていたので、タクシーで向かうことにした。
「おおとみ」は、愛想のいいご主人、奥さん、息子さんでやっている料理屋だった。定番の海鮮酢の物、赤エビ(ぼたん海老)の刺身を食べ、はじめて「八角のみそ焼き」も注文してみた。ワニにみたいなグロテスクな顔立ちだった。皮がすごく硬いので、うまくたべられるようにおすしの軍艦のように、上の方が切り落とされており、そこにはしをいれるとうまく身がとれるのを奥さんが見本をみせてくれた。動画をとっておけばよかったと思うくらい見事にとれた。さらに、硬い皮と中骨を素揚げにして出してくれた。匹で1,100円コストパフォーマンスにもびっくりした。「お味はみそとネギの薬味がおいしかった?魚はややたんぱくな味なのだろう」と相棒と感想をあとで述べ合った。
 小樽観光をどうするか、相棒kさんに聞くと、「余市のニッカウヰスキー工場に行きたい」と言う、自分は半年前の夏にオートバイで行っているので、予定にはまったくなかったが、相棒も「行ったことがあるが、あの限定の試飲をもう一回のみたい」との理由だった。そう聞くと自分は試飲できていなかったので、「試飲のためにもう一度行くのはあり」と思い、早速電話で予約、バスの時間を調べ、「おおとみ」さんでもう少しゆっくりしたいところだったが、駅のバス停まで雪道を歩いてもどった。
 小樽駅前で、路線バスに乗り余市に向かう、お客は少ないが何人がいた。雪深いバス停で降りていく、北の街に住むのは大変なことだと思った。30分ほどで余市駅に、駅からすぐの余市ニッカウヰスキー工場に着いた。雪にたたずむ工場の景色は夏とは少し違う静けさが漂っていた。ウヰスキーが眠るのによい環境だということを実感する。今回は、ポットに火入れがされていた、窯に石炭を入れる作業も目前でみられた。ウィスキー造りを身近にみられた。樽の貯蔵倉庫を見学し、試飲コーナーへ、2種類のウイスキーとアップルワインが試飲できた。さらに、おみあげコーナーでミニトルを購入し、有料試飲できるバーに行き、試飲する。味のちがいをわかろうと、香りを嗅いだり、なめてみたり、すると香りや味の違いが少しわかった気がしてきた。ウイスキーはストレートを少しだけ嗅ぎ、なめるものだと知った。
 余市駅に戻り、俱知安駅への列車を待つ、待合で「りんごパイ」をかじる、余市はリンゴの産地でもあった。大日本果実株式会社→二ッカウヰ(旧字のイと井戸をかけているらしい)スキーになったのは、まっさんで学習したことプラスきょうの案内の方が教えてくれた。列車は2両だった、学生や仕事終わりの人などで意外にもにぎわっていた。もう外は暗く景色はわからなかったが、俱知安駅には午後6時過ぎに到着した。雪がさらに多いように思えた。スリーMホテルは駅前で便利なところにある。その前にはさっぽろコープの大きなスーパーがあり、何でも売っている。食事のないホテルだったが、毎日コープに買い物に行き、電子レンジやお湯、コーヒー、りんごジュースまであって快適なホテル生活がはじまった。
 1日目の夜は、ホテルの人の推薦で居酒屋「なみちゃん」に行ってみた。地元の若者や家族連れであふれていたが、何とか座れた。ザンギ(鳥唐)やホッケ、じゃがバタを食べた。

2日目  
 天気予報は雪か、曇りだった。足慣らしに行ったことがなかったルスツリゾートスキー場に路線バスで行ってみることにした。俱知安駅からの路線バスの乗客は、我々2人だけだった。少し走ったバス停で、女性が一人乗られてきた。ニセコの街を過ぎたあたりで降りていった。出勤だろうか?その後はだれも乗車しないままルスツリゾートスキー場に着いた。ロッカーに荷物を預け、6時間券を購入し、ウエストエリアから滑る、雪が堅い、すぐに、イーストエリアに移動するゴンドラに乗る、MT.イゾラの非圧雪コースをめざす、最初はイゾラAコース急な斜面を降りるコースだったが、端っこにいい感じのバーンが残っていた。午前中は2時間休みなしでMTイゾラの頂上からダウンヒルを楽しむ、天気予報とはちがい、晴天に恵まれ、素晴らしい展望のなかを滑ることができた。長めの非圧雪コースもあったが、新雪はあまりなく、やや重たい感じだった。昼にオムライスを食べた。午後、滑りだすも午前中の頑張りのためか、足が疲れてきたという相棒が早々に上がるので、自分もまだ先があるので、2時前には上がったしまった。
 帰りのバスまで時間がたっぷりとあったので、ルスツリゾートホテルの1,300円のお風呂を1時間以上堪能した。素晴らしい眺望のある露天風呂、サウナ、洞窟風呂など楽しめた。帰りのバスは、出発は2人だけだったが、学校帰りの学生や仕事帰りの人の乗り降りがあった。行きの女性も降りたバス停から乗ってきた。やはり仕事だったのかな?
 ホテルに帰り、明日の朝食と行動食を目の前のサッポロCOOPのスーパーに買い出しに行った。夕食は、海鮮が続いたので、イタリアンにした。ワラットリアエゾマールは、ピザだけでなく、そら豆の香草炒め、ボタンエビとエリンギソテーが美味しかった。ボタンエビの卵子がからまったソースが美味で、パンで皿をきれいにふき取りながら完食し、スパークリングワイン1本が空いた。

3日目
 朝、Yさんが北海道においているマイカーのハイエースで合流、スキープラス温泉セットをもって、出発、ニセコスキー場のリフト券売り場で、H2Oツアーの庵ガイドと待ち合わせ、さっそくビーコンチェックをして、リフトに、2本乗り継ぎ、足並みをみるために1本滑る、いきなり樹林の非雪ゾーンに入り、緊張した。1本だけで、すぐに頂上に続くリフトに乗った。すでに、最上部のリフト降り場から頂上へは人の列ができている。庵ガイドは「降雪後にはパウダーねらいで列ができるんです」と、すでに階段ができていたので、スキーをザックにくくり、つぼ足で頂上をめざす。最初は急登だったが、ゆっくりと登ってくれたので、しんどくなかった。途中で2回も休憩してくれた。1時間かからずに、たくさんの人で賑わうニセコアンナプリ頂上にたった。
 多人数のガイドツアーもおり、パウダーがあるのか、心配になったが、そこは地元のガイドさんで、北尾根のロングランができる斜面に導いてくれた。そこは、ノートラックの大斜面だった。最初は少し傾斜もきつめで怖かったので、やはり腰が引け、スキーのコントロールに慎重になりすぎた。2段目はさらに大きな大斜面だった。傾斜も少し落ちてきたパウダーを楽しむ余裕もでて、楽しく滑走できた。次も、傾斜のある疎林帯で楽しく滑ることができる。一定の傾斜が長く続くパウダーを存分に楽しむことができた。
 ロングランのあとは、スキー場の裏側に降りきってしまったので、少し登りも混じるトラバースが長い、長い、足はパンプしてくるし、少しの登りで疲れがます、かなり滑り、やっとニセコ花園ゲレンデに12時過ぎに戻ることができた。レストランで休憩し、リフト乗り継ぎ、スターした駐車場に戻った。時間はまだ2時前だったが、明日からのツアーを考え、無理せずに早上がりして、温泉に向かった。ニセコ駅前温泉きらの湯は、500円でリーブナスな割に、露天風呂からサウナ、低温の湯もあり充実していた。
 宿に戻り、COOPに買い出し、自分はそこで2,980円で長靴を買った。夜は、大衆居酒屋マルキュー商店にいった。刺身の桶盛、タラの手作りさつまあげ、タラの肝和えが美味しかった。

4日目
 きょうから本格バックカントリーツアーだ、昨夜から降雪が続く、パウダーが期待できるが、視界が気になる。庵ガイドとチセヌプリスキー場跡の駐車場で待ち合わせだ。やはり視界はあまりよくない、「きょうは視界が悪い、ニセコアンヌプリの方がまだよさそうなので行先を変更します」とのこと、ここはガイドさんにお任せ、車をもう少し奥の五色沼温泉方面に走らせる。冬季行き止まりまで走り、そこからハイクアップ、樹林帯の斜面を30分、さらに、森林限界から尾根を30分くらい登る、視界は500mくらいはあるのか、しかし、ニセコアンヌプリ頂上は見えない、中腹から下がかろうじて雲の下に出ている感じだ、西尾根を登り、標高930mの小ピークでドロップの準備に入る。西斜面は、何とも言えない木立の少ない、ちょうどいい感じの傾斜の大斜面が待っていた。パウダーを楽しみながら、練習できる素晴らしいバーンだった。樹林帯に入るところまで滑り、再度、尾根を登る、30分ほど登り、先ほどのドロップしたところからすこし斜面の方にすすみ、まったく新しいノートラックの斜面に出た。また、樹林帯まで滑る。3回目は、さらに一段上の小ピークまでハイクアップする。途中、尾根がやせ、急で登りにくいところもあるが、尾根上はやぶもなく、すすめる、ただ次の滑走バーンが急な一枚バーンがみえていて、少し不安になる。標高1000mを超えたところで、尾根の横のバーン、西面のボウル1に、斜滑降で出てから順番にドロップする。最初は少し急だったが新雪だったので、楽しく滑ることができた。そこからスタートした樹林帯まで少し長い滑走を楽しめた。パウダーの浮力を感じる滑りができた。もう一回、尾根を登り返した。4回目のドロップだったが、貸し切り状態のためまだまだノートラックの斜面が残っていた。中腹を4回の滑走となったが、パウダーを存分に満喫することができた。スタート地点は、ほぼ五色沼温泉だったので、帰りにゆっくりと浸かる、雪に覆われた古い温泉一軒宿を堪能した。
 帰りに、セイコーマートにより、朝食と行動食に調理パンを買った。本当においしいお弁当や調理パンがある、北海道民の熱愛がわかる。夕食は、ジンギスカンとも思ったが、やっぱり海鮮も食べられる店にした。

5日目
 チセヌプリに再トライ、昨夜も雪が降り、朝には止むという理想的な天候に恵まれた。スッカと快晴ではないが、青空もみることができる。「チセ」はアイヌ語で「家」。「ヌプリ」は山である。標高550mのスキー場跡の駐車場からハイクアップし、1134mの山頂をめざす。最初はスキー場跡から樹林帯を緩やかに登っていく、スキー場トップと同じくらいの台地に出ると、ダケカンバが暴れているような景色がみられた。庵ガイド曰く、「このあたりは風が強く、ダケカンバがまっすぐに伸びれないから」とのこと。幻想的な景色だ、青空もみえて樹林が映える。そこからは、まだ遠く、高く、チセヌプリの山頂がみられた。ちょうど天狗原から白馬乗鞍を見上げた景色に似ている。先行パーティ―が山頂直下の急斜面を登っているのが遠くからもわかった。「あのあたりは、少し苦労するかもしれません」と言われた。
 斜面が急になる手前で休憩をとり、いよいよ山頂直下の急斜面をジグザクに登っていく、登っていくと森林限界を超え、直下が一枚バーンで下の方までみえる。雪が柔らかいので恐怖はないが、もし凍っていたら怖い。切り返しが増えてきた。それほど急ではないが、スキーの扱いはややこしい、だんだんと山頂に近づいてくるワクワク感、急になってくる斜面をひたすら登る。やがて傾斜がだんだんと緩くなってきた。山頂はもうすぐそこだ、急に、目の前には何もなく、平べったい雪原にでた。広い山頂だった。平な山頂で、標識を探した、少し登ってきた方に戻ってやっとたどり着いた。さすがに風が強く、「休憩せずに、すぐに滑れるように準備してください」と庵ガイドが声をかける。記念写真を撮り、準備をはじめるとなんと風が弱くなった。「風が弱くなったので、ゆっくり準備していいですよ」と言われた。本当に天気に恵まれている。
 登ってきた尾根の東側の大バーンを滑走することになった。出だしは下が見えない感じで急だが、すぐに傾斜が緩くなるようだ。自分は少し緩めの右の尾根よりに移動してからドロップした。大斜面のパウダーを思い切って滑ってみた。雪煙を舞い上げる滑りができたが、斜面が大きい、半分くらい滑ってからは、足がもたなく、後半はよれよれになってしまった。まだまだ練習が足らないようだ。でも楽しく滑ることができた。相棒からは「滑りが堅いよ」と後で言われた。「緊張で自分でもわかっていた。次はリラックスして楽しく滑ろう」と思う。
 樹林帯で休憩しながら、自分たちの山頂からシュプールに感動した。そこで、ちょっとイベントが、板をひっくり返して座っていた。滑り出そうと板をもどしたら、片方のビンディングが異常に開いているではないか?ガイドも「これはやばい」と、自分は「以前、八甲田で同じようになったことがあるから、元に戻せると思ったが、なかなか戻らない。パーティーに緊張が走る、「ここでビンディングが壊れたどうする?」「下山できるのか?」「飛行機に間に合うのか?」などの声の中、思い切って力をいれたら、元に戻った。やれやれという感じの中で、樹林帯の中を滑って下山した。最後は、4メートルを超える積雪があるのに、湖面から湯気を立てている沼の横を滑って、湯本温泉の前に出た。そこから車道を歩いて、スタートした駐車場に予定通り、午後1時に戻ることができた。天気はまた下り坂で、雪が降りだし、視界も悪くなった。山頂は、今はガスの中だった。本当に最後まで天候に恵まれたツアーだった。3日間、素晴らしいラインを案内してくれた庵ガイドにお礼と再会を約束して別れた。
 アンナプリスキー場の「いろはの湯」まで、Yさんに送ってもらい、温泉にゆっくり浸かり、荷物をまとめ、宅急便で板と一緒に発送した。新千歳空港行きの高速バスに乗り、飛行場へ、最後はお寿司を食べて、北海道の旅が無事終わった。

1月21日() 出発・小樽・余市観光
大日5:09-東梅田 梅田-なんばー南海ラピートー関西空港6:40 ピーチ航空 関西空港8:00-新千歳空港 9:55 新千歳駅 10:30-小樽12:00  昼食:郷土料理おおとみ  バス 余市ニッカウヰスキー見学・試飲 余市駅 17:17-俱知安駅18:06  夕食:なみちゃん

1月22日() ルスツリゾートスキー場
俱知安駅 8:10-バスールスツ9:04  930分から2時まで滑走 ルスツリゾート温泉 17:15-俱知安駅18:11 夕食:ワラットリアエゾマール

1月23日(日)H2ガイドツアー ゲレンデサイドエリアツアー 
ニセコひらふスキー場 8:30-スキー場トップから1時間ハイクアップ ニセコアンナプリ頂上から北面、尾根のボトムまで滑走、山懐をトラバースして花園エリアに、スキー場を経由し駐車場へ、ニセコ駅前温泉きらの湯  夕食:マル久商店

1月24日()ガイドツアー
8:30 チセヌプリの元スキー場集合、悪天のため、ニセコアンナプリ西面、ボトム1をめざし、尾根を40分程度のハイクアップとショートドロップを4回、13:30終了し、五色沼温泉によってホテルに戻る 夕食:2代目

1月25日(火)ガイドツアー:チセヌプリ登山・滑走
8:30 チセヌプリ駐車場集合ーチセヌプリ山頂 11:30-下山13:00-いろはの湯13:30 16:07-高速バスー新千歳空港 18:40 20:15-ピーチ航空―関西空港22:45 23:09-京橋0:22-タクシー・お迎え 1:00帰宅



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