読売新道から赤牛岳・水晶岳(20197月26日)

724日 大阪-名古屋―松本―信濃大町-駅前旅館
725日 信濃大町駅6:15-扇沢駅7:30-黒四ダム7:50-平ノ小屋11:30 12:00-渡しー奥黒部ヒュッテ14:00
726日 奥黒部ヒュッテ4:15-読売新道-赤牛岳10:45-水晶岳14:42-水晶小屋15:50
727日 水晶小屋6:00-野口五郎岳8:20 8:40-烏帽子小屋12:00
728日 烏帽子小屋6:20-烏帽子岳6:55-烏帽子小屋7:35 7:45-ブナ立尾根-高瀬ダム10:20-大町温泉―信濃大町駅―松本駅―名古屋駅―大阪駅

 百名山、99座目の挑戦は、読売新道から水晶岳と決めていた。休暇が取れるか、トレーニングは?など条件がそろわず、数年間、計画はしていたものの実行できずにきた。今年は、「7月が週末雨」のサイクルにはまったこともあり、クライミングを早々にキャンセルして、金剛山、大和葛城山と2回のトレーニング山行、スポーツジムに週1回以上行き、なんとか条件も整えての山行だった。
 信濃大町で、前泊して旅館で紹介してもらった居酒屋で軽く飲んだ。大町駅を始発で扇沢に向かい、電気バスの始発の列に並んだ。余裕をもって、奥黒部ヒュッテに着くための計画だった。順調に進んで、湖岸歩きがスタート、関電が草刈りをしてくれていた。道は多少のアップダウンがあるがよく整備されていた。それでもコースタイム通りで、平小屋で、ビールをゆっくりと飲むほどの時間はなかった(飲んだけど)
 平の渡しに乗るのは、30年ぶりと思うが記憶がない、船からの目線はなかなかいいが、すぐに着いてしまった。そこからも、再び湖岸の道で、30年前より整備されているように思えた。30年前、黒部上廊下遡行のために歩いた道を再び歩いたことは感慨深い、一緒に歩いた先輩は2人とも早逝したので、あの山行を語ることができないのが寂しい。思い出の奥黒部ヒュッテに予定通りに到着、お風呂に入れると聞いて喜んだものの浴槽の蓋をあけたら入っていなかった。シャワーだけだった。でもありがたい。緑に覆われたヒュッテ前でのビールが最高に美味しかった。小屋の夕飯は、おでんのパック、みそ汁という感じだった。朝食はお弁当にしてもらった。

 読売新道は、水晶岳へは累積標高差1800m以上、10時間超えるコースタイムだった。その長大な尾根登りのために、トレーニングと軽量化(小屋泊、小屋食)、それでも万が一のためのピバーク装備、防寒具、2食、水3リットルを担いでスタートした。暗い中の登りは疲れるので、明るくなってからスタートするつもりも同泊のパーティーは4時に出発すると聞いていたので、自分も4時過ぎにスタートした、暗い中で準備したせいか、ストックを小屋に忘れたことを10分ほど歩いて気がつき、取りに帰るアクシデントもあったが、歩きだした。最初こそ、急な登りもあったが、そのあとはあまり視界のない樹林帯の尾根を登っていく。大体、コースタイム通りですすむ、4時間くらい登って、植生も灌木帯となり、視界も見えてきた。赤牛岳の大きな山容が見えた。まるで牛の背中のようなこぶのようなピークだ。2百名山に入るいい山だと感じた。6時間30分かけて、やっと赤牛岳の山頂に着いた。なんと水晶岳が遥か遠くに、しかも岩稜を備えて、大きく立ちはだかっていた。下りから平坦な道だったので、1時間ほど飛ばすがまだ半分だ。そこからは地図上にはあらわれない小ピークの連続で、時間も体力も消耗が激しかった。かなりバテバテになりながら、目の前の岩壁を擁する水晶岳にどう登っていくが不安だった。右側に大きく回りこみ、北峰に一気に登る感じだった。やっとのことで北峰に立った。そこで少し休憩しなければ、三角点のある南峰に登る体力がなかった。午後2時をまわり、ガスも出てきた。最後の力を出して、水晶小屋まで降りたが、その道のりの長さは忘れられない。水晶小屋は後立山連峰の縦走路に、テラスが張り出している絶景の小屋だった。夕方、天気が落ち着くと北鎌尾根から槍ヵ岳、黒部五郎など素晴らしい景色が広がった。絶景のテラスで、少し寒かったがビールと自炊の夕食を楽しんだ。小屋は超長満員であったがビバークすることを思えば天国だった。
 
 3日目、きょうは日程調整もかねて、6時間の短めの行程だった。台風が急に接近してきて午後からは雨の予想であったので、イワナの甘露煮の朝食を食べて、早めに出発した。真砂岳へは急な下り、登り返しを思うともったいない、少し寒いくらいだった。真砂岳はトラバースでスルー、野口五郎岳の登りは緩やかな斜面をトラバース気味に上がる、楽勝で野口五郎岳のピークに、午後からの悪天が信じられないくらいのピンかん、動画を撮りなどゆっくりと山頂を楽しんだ。野口五郎小屋にも寄ってみた、「冷たいものありますか?」と聞いたら「ない」と言われた。水もない、尾根上の小屋だから当然だとあとから思った。
 だんだんと天気が悪くなってきた、野口五郎岳まで歩いやすかった道がうそのように悪い、しかも、単純な下りの尾根と思っていたが、小ピークもあり、コースタイム通りに進まない、三ッ岳のトラバース道で、雪渓があり、そこから融水が流れているのを見つけて、「ラッキー」、水晶小屋      では雨水を買ったが、きょうも烏帽子小屋は水がないと聞いていたので、たっぷりと水を補給できたのがうれしかった。しかし、天気の下りは予想以上に早く、あと30分くらいと思う下りで、雨具を着ることにした。霧雨の中を30分ほど歩き、コースタイム+休憩時間で12時に烏帽子小屋に着いた。ゆっくりと残りのビバーク食をあてに、ビール、酎ハイ、焼酎を楽しんで、午後は昼寝をした。夕食はボルシチと変わったメニューだったがなかなか美味しい。その夜は、台風が通過したが小屋泊まりだったので難はなかった。

 翌朝、台風一過を期待したが、山は濃いガスに覆われ、霧雨が降っていた。2百名山の烏帽子岳が目前だったので、山頂まで行ったが、何もみえずにすぐに下山した。小屋に戻り、荷物を整え、ブナ立尾根を下る。Wストックを駆使して、コースタイムの半分で下山した。高瀬ダムからタクシーで大町温泉に出て、汗を流し、バスで駅へ、なつかしのソースカツ丼を食べて帰阪した。