芦生中ノツボ谷遡行(201299)

須後6:35−林道終了点7:45−最初の滝8:25−最後の滝10:45−上の林道11:40 12:40−林道終了点14:40−須後15:40

 このはな山の会のメンバー5人で、芦生の沢に行った。前夜集合し、途中で仮眠し、須後の駐車場には、午前6時過ぎに着いた。今回は、「芦生屈指の悪渓」であること、下山も櫃倉沢を下るので、少し長めの行動時間を想定し、沢登りにしては、少し早めの出発とした。

 身支度を整え、640分出発、舗装された林道を25分、未舗装の櫃倉林道線を25分歩き、話をしながら歩いていたら林道の終了点に着いた。ここで沢装備にし、入渓、杉尾峠超えのふみ跡も確認できたが、「登って下るのがめんどくさい」との意見が多く、距離があったが沢通しに進んだ。中ノツボ谷までは、平流だったが、結構時間がかった。最初の10m滝には入渓から1時間かかった。とても登れない、右から巻き上がるが滝落ち口に出る3mほどのトラバースが怖い、「近年死亡事故が多発している」という言葉を思い出す、落ちても死なないように木にスリングに支点をつくり、おそるおそる登った。ここが一番の核心だった。上の5m滝の釜の中に、古い支点をみつけ、そこに短いロープを固定し、後続には上がってもらった。5mの滝は左からまくことができた。今回の谷は、両岸からゴルジュが発達したところで大きな滝があり、どう高まくがポイントだった。


 平流とスケールの大きな滝が交互に出てくる。高まきが緊張する。だいたい左岸をまいたが、ひとつは、左岸の様子が判断つかず、草つきの右岸を登ったところもあった。どの滝をどうまいたが正確には思い出せない。


 後半、深い釜を持つ3mの滝はどぼん覚悟で左からへつる、思い切って水に入ると足がぎりぎりつくので、どぼんよりましと思い、おなかのあたりまでつかり通過、滝そのものは楽しいシャワークライミングだった。最後の斜爆もシャワーで登った。数少ない直登だった。もう滝が終わり、源流の平流となるが、ここが結構長く感じた。なかなか水流が切れない、最後は右岸にコルみたいなものをみれたのでそこにつめあがる。そこから尾根、小ピークを下り、尾根を登りきると林道に飛び出た。

思っていたのと少し方角がちがう、地図上に出ていない林道で、現在位置がもうひとつわからない、芦生の地形は本当に複雑で、たびたび道迷いをする。林道をどちらに行くと櫃倉谷への下降点である「バス停」がわからないまま、林道の下が櫃倉谷であることには間違いないので、そこから一気に谷筋に下降した。思っていたより急峻な斜面だった。木につかまり谷底をめざす、小ルンゼがあった、ルンゼ沿いを下降するか、尾根上を木につかまり下降し、最後は懸垂か、迷う?ある程度下りて、ルンゼに降り立ってみた、しかし、意外に悪い、急さが変わらない、それどころか滝が出てきた、2mほどである、スタンスに足がとどきそうで届かない、そこでなんとホールドがはがれ、ずれおちてしまう、右足で着地するも軽い捻挫をしたようだった。後続には、足をスタンスに導き下りてもらう、その下にも今度は3mの滝、幸い上のメンバーが立っているところの細いが生きている木があったので、そこに捨て縄をかけて懸垂下降で下りる。やはり「未知の沢なんか下降するものでない」という高校時代の顧問の先生の教えが胸響いた、不安を抱えながらも谷筋を下降する、幸いそこからは、おだやかな平流となり、芦生の森を堪能しながらの楽ちん下降路だった。T嬢は「ここでゆっくりキャンプしたら最高!」と声を上げる。そうしたいところだが、キャンプは禁止、しかし、平流も長く、同じような地形が続き、たいがい飽きる、すると先にヘルメット被ったこどもの一団を発見、沢から巻き道へと上がっている。地図にはないが尾根上から下ってきた登山道と沢が交差しているようだ、これ幸いと「そこからは登山道で下山できる」と思ったが、そのゴルジュ帯だけで、あとは沢筋のふみ跡を追うことになった。やっと中ノツボ谷出合に戻れた。こども等は杉尾峠に登っていく、メンバーは「疲れたからもう登りはいや」と遠回りの沢筋を林道終点まで行く、結局、林道終了点でこども等に追いつくが、彼らには車が待っていた、「いいなー、俺たちも乗せてくれー」と心で叫んだが、とぼとぼと長い1時間の林道を歩いて下り、須後の駐車場には午後4時前に到着した。予定通り、少し長めの沢登り、沢下降が無事(右足は痛むが)終了した。

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