四国岩場めぐり(2010717)

 「3連休は屏風岩雲稜」と、このはな山の会のメンバーで随分前から計画していたのに、偏西風の蛇行のためか上空には寒気があり、不安定な天気と激しい雨が続き、回復も期待できたが安全策をとり、計画変更し、転進、4人で四国の紅ノ峰と石鎚山北壁などをめざすことにした。

 16日、午後11時、森之宮をマイカーで出発、途中、淡路島で突然の豪雨に遭う、「やはり、梅雨は明けそうだが、天気はいまいちか?」、17日未明には、最初の目的地、香川県の紅ノ峰に未明に着き、乾杯、星空をみながら仮眠する。夜明けとともに、行動し、みかん畑から15分程度の登りで基部に到着、1年ぶり2度目の訪問、どれも難しくみえる、最初に、昨年も試登した「ダミアン5.10a」にトライ、右壁制限がちょっと厳しい、ムーブがわからず、核心でテンション、そこから再スタートではなんとか登れた、昨年はトップロープだったことからすれば少しは上達したかな?「伊藤さんちのクラック5.9」は、クラック内が湿っていてもうひとつ、その後、上から「ゴンちゃん5.10c」にトップロープを張り、挑戦、なかなか難しいバランスが求められる。1便目でホールド、スタンスを確認、2便目で1ヵ所を除きムーブも解明、もう2,3便でRPとは思ったがほかも触りたいのでここまで、そのとなりの「稲妻クラック5.9」は体の振りをうまくつかえればいけた(ただし、トップロープ、プロテクションが少ない、NP併用か) 右の写真はゴンちゃん



地元クライマーも1組、さらに、一人のクライマーが来た、なんと偶然にも1年前に来たときにもあった方で、香川労山の方でした。そこで一緒に登ることにして、「ウエルカム5.10ab」に、Kさんがオンサイトトライ、しかし、出足が濡れていて難しく、3ピンでギブアップ、続いて、地元の方が張りに行くが1ピン分のばしたもののぬめっていて断念、次は自分で前半はテンション休憩を取りながら1ピンでも伸ばすことを目標にトライ、休憩しながらもなんとか2ピン伸ばし、ゴールにクリップすることができた。オンサイトは難しいが、通えばなんとかなりそうな感じ(四国まで毎週は無理かな?)、その左となりの赤い壁(その方は「レッドクリフ」と呼んでいた)に、トップロープで挑戦、微妙なムーブにみんな苦しんでいたが、Kさんと自分は登れた。ピンが打たれていないので、グレードはわからないが、10aか、abくらいになりそう。梅雨明けの凄い暑さのために、6本の試登で終了とした。
右の写真は、ウエルカム、左がレッドクリフ)

 香川とくれば、やはり「うどん」、午後になっていたので大衆セルフの店でさぬきうどんを楽しむ、そのあと、次の目的地、石鎚へ向かう、西条で高速を降り、日帰り温泉「武丈の湯」に入る、500円にして充実の内容、スーパーで買出し、喜多川の河原で宴会・ビバーク、しかし、さすが3連休、子供会のキャンプや若者のダンスチームか(?)一晩中、音楽が響くやかましい環境ではあったが星空は最高だった。

 18日、未明に起き、起き抜けで車を走らす、寒風峠まではすごいクネクネ、前回も1名死にそうになったが、今回も若手のOくんが気持ち悪いと言っていた。今日の目的地は、「瓶が森西壁」、しかし、近づくにつれガスは濃くなり、駐車場に着く頃には小雨、強風ととてもクライミングをできる天気ではない、1年前も石鎚北壁をめざしたが同じ天気になった。世間では梅雨明けの暑い日と言われていたが、湿った空気のぶつかる石鎚山はきょうも濃いガスの中だった。2時間、車の中で待機するも一向に回復しない、隊長のKさんが、「今回の西壁は、あまり知られていないので取り付きの確認はしてみたい」というので、雨具に身を固め、ザイルは1本という偵察の装備で午前8時半過ぎに出発、香川労山の方の紹介された記録どおりに、瓶壷から一般道を下降、最初の目印となる岩のトンネルを発見、そこから「黄色テープを見逃さないように」とあるが、まったく黄色のテープがない、しばらく、上へ、下へとしていると下の方にテープを確認する、かなりやばいトラバースぎみの下降をしていくとなんと、先ほどの一般道に出てしましった。また、やりなおしで今度は岩壁の基部沿いに登る、すぐに阻まれたので下降する、それを繰り返すうちに黄色テープを発見するが、すぐに見失う(多分、かなりテープがおちてしまっているようで、実際には検討をつけて自分で探るしかなさそう)、1時間以上も悪戦苦闘をしてやっと大きな壁が前方に見え出す、壮大なスケール、4ピッチとあったが、それは壁の端の方で正面では200Mくらいのスケールありそう、突然、取り付きより少し上の壁に出てしまったので、懸垂下降して、取り付き点に立つことができた。そこから1ピッチ目は3級30mとあった、傾斜は緩く登りやすそうな一見スラブのようで、デコボコのある岩質だった。雨も止んでいたので、「せっかくだから試登してみよう」となり、クライミングシューズもない、ザイル1本、カラビナも少々という装備だったが、1ピッチ出してみることに、Kさんが2ピンまで、そこで下りようの捨て縄を忘れたので一度ロアダウンし、自分が1ピッチ目のビレー点までリード、アプローチシューズでしかも雨が止んだとはいえしめっている壁はなかなかだが、未知の壁のその先がみたくて登ってみる。支点はきれいなペツルと古い手製のものが混じっていてよいとは言えないが、傾斜にあわせて考えてある感じ、1本のザイルに3人が同時に登攀する少しやばいアルパインをして1ピッチを登り、上をながめて懸垂で下ることにした。フル装備を用意していたらの無念の気持ちをもちながら、着た道を辿り、瓶が森の駐車場をめざしていたが、登り返していくとガスが濃くなり、雨になった。標高があがると雨になる天気らしい、無理にアタックしなくて結果的にはよかったと思った。次回の挑戦に楽しみはとっておくことにしよう。

 明日に備え、西条まで下り、昨日の温泉で汗を流し、坂出へ移動、スーパーで買出し、公園ビバークをした。19日は、朝5時すぎに、早朝うどんモーニングを食べ、坂出郊外の「大屋冨の岩場」を試登した。アルパインの岩場として開拓の歴史は古いが、近年はそれほど登られていないようで、支点の腐食がすすんでいる。しかし、地元労山などがペツルなどで一部打ちなおしをしていただているので、4級程度の岩場で練習にはちょうどよいルートが多数あった。5ルートほど試登してみたが、なかなかいい練習となった。昼過ぎに終え、地元の銭湯で汗を流し、またまたさぬきうどんを食べて、瀬戸大橋を渡って帰阪した。3時間程度の距離なので、高速1000円のうちは、4人くらいなら遊び行くのもいいかも・・・・

(うどんを朝5時台、2時台、4時台と3回食べに行ったが、いずれも地元のお客さんが次々と来る光景は不思議だった。香川県人にとって「うどん」とは何か)


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