ミヤマキリシマの阿蘇山と久住山・平治岳(2009年5月)

5月29日(金)大阪22:00−820K−
5月30日(土)阿蘇・仙酔峡 9:00−ロープウェー火口東駅9:13−中岳10:00−高岳山頂10:35 11:40−仙酔峡14:00−湯平温泉旅館「上柳屋」             
5月31日(日)旅館出発7:40−長者原登山口8:26−雨ヶ池越−法華院温泉小屋11:00 11:35−久住山山頂12:35 中岳14:00−法華院温泉小屋16:00
6月 1日(月)小屋4:24−平治岳5:35 5:45−小屋6:45 8:05−雨ヶ池越−長者原登山口11:25−800k−大阪20:40

ミヤマキリシマを追いかけ、阿蘇山、久住山の2山と温泉の旅を職場の仲間で企画した。当初は、フェリーで立てた計画だったが、「高速1000円」に乗らない手はないと九州まで走ることにした。運転手が3人で、交替しながらの夜行となったが思っているほどしんどくもなく、時間的にも草千里に寄り道したりしても、十分にロープウェー始発に間にあった。

インターネットによる情報では、今年は1週間早く、仙酔峡のミヤマキリシマは完全に終わってしまっていたことは知っていたが、まったく花の余韻もなかった。一面の咲き終わった株をみると残念に思った。夜行明けの疲れを考え、迷わず9:00の始発のロープウェーに飛び乗り、400mを稼ぐ、そこからは舗装された遊歩道を辿り、火口展望台に、ここまでで息切れするメンバーもいたので、ゆっくり噴煙を上げる火口を見物しながら、たくさんの観光客といっしょに中岳、高岳へと登っていった。幸いにも、朝はガスの中にあった山頂は少し晴れ間が広がってきた。すると目の前の高岳東峰の山頂直下に満開のミヤマキリシマの大群落が真っ赤に斜面を染めていた。昼食は、急遽、東峰まで移動し、花をみながらの楽しい食事となった。思ってもいなかった景色に得した気がした。下山は、尾根沿いに歩いたが、ここは急で慣れないメンバーにはきつかったようだ。


 湯平温泉へは2時間弱で移動でき、300年続く湯治場の中でも古い旅館「上柳屋」に宿泊した。室内や露天風呂は古い雰囲気を残しながらきれいにリニューアルされた感じで、若おかみの笑顔とおいしい料理もあり、最高のあたりだった。
 翌朝も、ここの朝食を食べてからの出発とした(質素ではあるが、自家製野菜たっぷりのヘルシーな朝食に大満足、食べてよかった)



 さて、今回のメインは久住山である。長者原からダテ湿原を横切り、雨ヶ池越えと向かう、意外だったのは久住山は火山性の赤茶けたイメージだったが、そこは新緑のあふれる広葉樹の森だった。しだの下草、かえでなどの低木、ブナやみずならの巨木などが重なり合う緑に圧倒された。峠までは結構、急な登りで思ったより時間がかかった。峠を越え、雨ヶ池に出ると景色は一変し、湿原から低木帯に入る、すぐ横に三俣山、遠くに平治岳、久住山が見えてくる。やがて、坊ガツルの草原に飛び出す、満開のミヤマキリシマもあちらこちらにみられ、乾燥した空気がとても気持ちよい、草原から久住山の登りにかかるところに法華院温泉小屋があった。

小屋に着替えなどを置き、少し身軽になり、小屋の背面に続く、急斜面を登っていく、沢をはさんだ対岸の三俣山の急な斜面が濃いピンクの絨毯がひかれたような美しさだった。1時間近く急な登りを我慢すると、そこは火山の噴煙をみながら地獄の賽の河原のような北千里ヶ浜の平地をしばらく歩くことになった。もう久住山の頂上へ続く稜線もすぐにそこにみえた。久住分かれまで上がるとたくさんの登山客がいた。小屋から2時間歩き、12時を大きく過ぎたので頂上を目前のコルまで上がったところで小休止のつもりだったが、みんな「おなかすいた」と言い出し、昼食タイムとなる。ミヤマキリシマが咲き、天狗、中岳、稲星山などを一望しながら、自分はクラッカーにさんまの蒲焼、チーズをのせ、ワインで乾杯した。フルボトルをひとりで半分は飲んでしまったか、すぐに空になってしまった。

山頂までほろ酔い気分で登り、せっかくきたので最高峰の中岳も回ってきたら、意外と時間がかかってしまう。小屋へと下山することにしたが、たくさんいた登山客はほとんどいなくなってしまった。それでもほぼ予定どおりの午後4時過ぎに小屋に戻り、温泉でひと風呂あび、生ビールをテラスで楽しんだ。小屋は花のシーズンのため満杯で特大大部屋だったが、一人一畳、一組のふとんにありつけ快適に過ごせた。

翌朝、となりに寝ていた別のパーティーの方が、午前4時からごそごそとし、身支度を整え、出発したので目が覚めてしまった。自分ひとりで急遽、平治岳のピンクに染まった斜面をみたくなったので、朝食に間に合う範囲で大戸越をめざすことにした。そう思ってから10分もかけずに身支度をし、最小限の荷物でヘッドランをたよりにまだ暗い坊ガツルの草原に飛び出した。他の登山に合うことなく、大戸越に午前510分に着いた。目の上の急斜面全体がピンクに染まっていた。まだ、時間があったので平治岳の山頂をめざして花の迷路を登っていくと朝日がちょうど昇ってきて、最高のロケーションの中での登頂となった。山頂からは濃いピンクの絨毯が続き、遠くには朝日をあびた久住山をみることができた。気持ちのいい早朝トレイルランになった。小屋には7時前に戻り、朝風呂を楽しんでからの朝食となった。無事、11時過ぎに下山し、平日3割引きを利用し、午後9時前に大阪に着いた。


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