剣山(1954m)2007.11.4

113日 大阪7:00−脇町IC−垢離橋登山口10:00−龍光寺(藤の池)12:00−追分13:20−一ノ森ヒュッテ14:30

114日 一ノ森ヒュッテ8:30−剣山9:25−次郎笈10:20−大剣神社名水11:20−行場12:00−追分13:40―登山口15:10―穴吹温泉−20:00

 今回の山行の目的は、百名山の剣山登頂ともうひとつ【一の森ヒュッテ】に泊まることだった。インターネットのサイトで雲海に浮かぶ森の中のヒュッテの写真をみた時から一度泊まってみたいと心にあたためていた企画だった。剣山の紅葉には少しおそい時期だったが、このはなのH氏、沢登りのメンバーの女性2人を誘い小屋泊まりハイキングツアーとなった。もうひとつのこだわりは、百名山あまりに楽をして登ってはいけない、山はなるべく麓から歩くこだわりで、今回も垢離橋登山口に車をおき、林道を突き刺しにしている旧道から登ることにする。

 林道から登山道へはいきなりガレた急な斜面を登っていく、足元が悪く急な登りが続く、5度ほど林道を横切ることになるが、その前後の道が荒れていて危ないところもある今回の山行でもっともきつい登りだった。40分ほど登ると岩壁に仏様の姿が金色に浮かんでいた。岩に彫り描かれ、金色に色づけされ、遠目からもわかる。この山が信仰の山であることが最初に感じたところだった。やがて、大きな鳥居、広場に出た、龍光寺だった。幅のある石段、富士の池(石柱には藤とあった)、たくさんの石仏や銅像がならんでいる。信仰の深さを感じたが、本殿はひっそりとしてひと気がまったくいまは感じられない。しかし、本殿の裏から登山道に入り、すぐに別の社に、修験者のいでたちの方が数人何かを唱え、ほら貝がなった。くわしいことはわからないが、小屋で聞いた話では夏の間に山頂にいた神さんを下ろし、山腹のこの社に御祭りしていたらしい。山頂や行場などでたくさんの社に出会ったが、これらをささえている人々の姿をかいまみることができた。
 谷をはさんだ反対の山の中腹は紅葉に燃えていた、しかも、赤、黄色にまじって緑の針葉樹が混じって、本当に素晴らし景色だった。登山道は、植林帯と紅葉の雑木帯の間を登っていった。登っていくと最初はみられなかったブナの大木もでてきた。追分あたりが紅葉のピークとなっていた。さらに、紅葉は終わりをむかえほとんどが落葉を迎えていた。このあたりから植生も変わっていく、ウラジロモミやシコクシラベ、五葉松などの常緑の針葉樹が多くなっていく、とても変化のある尾根筋の道で、ドライブウェーを使ってはみられない素晴らし景気を堪能しながら3時間半の登りを終わり、笹原から深い緑の木に囲まれた一の森ヒュッテに到着した。快晴の真っ青な空のしたで、大展望、白骨化したモニュメントを思わす木などをながめながら、ワインで乾杯、あまりの気持ちよさにH氏がかつぎあげた一升ビンの栓を開けて宴会となってしまった。1時間も宴会していると、小屋番の方が「そんなところでいつまでも飲まんと、中で飲みなさい」と言われ、やっと腰をあげた。小屋に入るとすぐに昼寝を楽しんだ。

 ヒュッテのお客は、自分たち4人と常連のご夫婦連れだけだった。持参の酒のあてもわけてもらい、小屋番の内田さんも一緒になって食事を楽しんだ。アメゴのから揚げや豆腐、干した大根の切り身の炊いた煮物、そばぞうすい、おこげのごはんなど贅沢ではないがむかしからの地元の人のくらしがうかがえるような食事は期待通りだった。また、内田さんの人柄も魅力的で、たった一人でヒュッテを楽しそうに切り盛りしている姿勢に感動した。食事のあとにパソコンで紹介された一の森の自然にも感動した。すべてが期待以上に楽しい小屋泊まりだった。(これで6000円)
 翌朝は、霧のために朝焼けを楽しむことはできなかったもの、素晴しい雲海をみることができた。いつかサイトでみた雲海に浮かぶ一の森ヒュッテをみることができた。一の森から二の森をこえて剣山山
頂には
1時間足らずで着いた。あまりに広く、また、人工物が多く、感動はなかった。

天気がよく、このまま帰るのはもったいないと思い、真正面にみえる次郎笈がきれいな山容だったので登ってみることにした。なかなかいい山だった、商業ツアー団体や軽装な観光客に混じるのは興ざめの感があった。


 下山は、山頂を半周とトラバースしながら追分をめざした。途中すごい人だったが、行場を過ぎるとまたひと気がなくなる。追分へのトラバースルートに入ると、鹿よけネットに若いオス鹿が角をネットにからませもがいていた。小屋の内田さんに連絡してなんとかしてもらうように頼み、さらに、すすんだ。そのあたり巨木や苔むした倒木のある幻想的な景色だった。「この先、悪路」の表示があったが、どうせ観光客むけだろうとすすんでいくと、そこは本当に悪路だった。路肩が崩れたり、落ち葉で道が埋まっていたり、崩壊があり道が迂回していたりとハイキング気分が吹っ飛びルートファインテングしながらのトラバースだった。しかも、熊の糞、熊のツメのとぎ跡もあり、少し怖かった(登山口で熊出没の警告板があった)、それでもまた紅葉のきれいな世界に戻ってきたと思ったら、見覚えのある追分に飛び出た。6時間をこえる山行で最後の方は、女性陣はややお疲れだったがなんとか怪我なく(トラバースルートで路肩の苔むした木で足を滑らせ転落するもすぐ下の木にひっかかり、無事?)山行が終わった。

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