前鬼川本谷(2007.08.05)

 林道ゲート8:45−本谷出合9:10−滑滝10:55−水垢離場12:20 13:30−前鬼小屋14:25−ゲート15:10

 今年の夏の沢登りの第1弾は、前鬼川となった。メンバーの休暇の休暇調整がつかず、前泊日帰りとなり、大阪から近くて、きれいで、難しくない沢をチョイスとなれば「前鬼川しかない」ということだった。大阪午後9時集合としたが、ひとり寝過ごしたメンバー(次週の谷川岳一の倉沢へのクライミングにそなえて、不動岩に一緒にトレーニングに行っていたので、シャワーとビールを飲み、少し横になっていたそうだ)、実際は午後10時半をまわってから出発となった。高速を飛ばしたが、やはり3時間かかって、午前零時半過ぎに前鬼林道のゲートにたどり着いた。テントが2張りあり、もう寝ているようだったが、こちらもテント張り、静かに真夜中の宴会をした(となりで寝ていたパーティーには翌朝謝っておきましたが、ごめんなさい)、午前2時ごろ就寝とした。
 朝は、「水が冷たいから」という口実で7時に起きて、ゆっくり朝食、コーヒー、準備をしていると、次々と他のパーティーが出発していき、挙句の果てに朝着いたパーティーも先に出発してしまった(前泊の意味がない=宴会目的?)という予定通りの行動で845分のスタートなった。
 支流を25分ほど下り、本谷に入った。ごつごつした大岩の間を抜けていくので、どんどんと進むというわけにはいかなかったが、明るい快適な谷歩きを楽しむことができた。天気も快晴で水にも躊躇なく入ることができて、夏の沢あそびツアーとしては順調なスタートだった。今回のメンバーは、このはなの男3人、他の会の男1人、女性1人、初心者女性3人の8人パーティーだった。早くも足を滑らせ、どぼんも続出するが好天なのでまったく気にならない。
 最初の大きな釜を大岩のしたのへつりを越えると景色はいっそう素晴しいものとなった、大滝の釜の水の色は素晴しい、深いスカイブルーという感じだ、この川の魅力のひとつはこの水の色にもある。大滝の高巻きに、安全のためにザイルを使った。そして、滝上の水流をまたぐところは、前日、前々に20mmずつの雨が降っていたので増水していた。前回はジャンプして越えたが、今回は無理、しかも水流も早く、その先は大滝なので、念のためザイルで確保しての渡渉とした。やっぱり女性がひとりはまった(ザイルを張っていてよかった)その先は、広くながい滑滝だ、最高のビューポイントでみんな感動していた。
いよいよ後半戦となったが、増水の影響で突破に難しいへつりに出合った。高巻きも検討したが、前回は高巻きの記憶がなく、この難しいへつりしかないと思った。よくみると前回もバランスの求められたへつりで一度落ちたところだったのを思い出した。そのときのスタンスが水流の中30センチの深さにあった。それだけここでは増水している。へつりから小滝を越えるところがそのためにいっそう難しくみえたのだろう。ここは頼りになるHさんにザイルを張ってもらった、少し苦戦もしたがやっぱりたよりになる、これで前後から確保することができるので「自信のなさそうな女性陣には落ちても前にすすんで、なんでもいいから這い上がってな」とはっぱをかけたが、誰も行こうとしないので一番どぼんの多い0嬢に挑戦してもらう。根性でせり上がり、水流をまともに受けながらも突破できた。これは敢闘賞もの、みていたメンバーは「これなら行ける」と胸に思っただろう。先に行くメンバーのホールド、スタンス、ムーブを参考して、次々と突破していく、岩登り経験のあるメンバーはさほど濡れずにやはり上手にこなした。
自分も途中まで完璧のムーブで進んでいたが、小滝の出口で油断して足が滑り、どぼんとなった。必死に這い上がりびしょ濡れの突破となった(なさけない・・・)
 ゴールがみえてきた大岩滝は、右岸を登り、高い位置でのトラバース、ここも安全のためにザイルを設置し、かけかえで安全に通過、函状の滝は高巻きし、水流があっちこっちからふきだし、合流する素晴しい景色だった。あとは大岩のあいだをぬけていくと水垢離場に出た。そこで泳ぎまくり、ワインで乾杯、コーヒーを楽しみ、記念写真で締めくくった。観光沢あそびツアーと思っていたが、水量の多さもあり、結構、手ごたえのあった遡行だった。満足!
 一般道を1時間ほどで前鬼小屋に着いた。その間でヒルに襲われたようで、小屋に着いたら何人か足が血まみれになっていた。夕立にもあったが、きょうの満足感にそういやな気もせず、ゲートに3時過ぎに着いた。帰りは上北山温泉によって、帰阪した。