南アルプス・仙丈ケ岳(3033メートル)
 はじめて、その山頂を踏んだのは、中央大学付属高校山岳部の春山合宿だった。山をはじめて1年目で、3月の雪稜から登頂は、あらためて山田監督の経験と指導力をありがたいと感じる。
 それから20数年後に4度目になる仙丈ケ岳山行の記録を掲載してしておく

とき 200372728  同行者 5名

行程 727 自宅 320−―620恵那SA710835仙流荘 

        臨時バス9401035北沢峠11001315大滝の頭13401518馬の背ヒユッテ

    7/28 400起床 馬の背ヒュッテ540650 仙丈小屋―730仙丈ケ岳山頂820

         855小仙丈通過―935大滝の頭9451110北沢峠 臨時バスで下山、

         仙流荘前で昼食―1500高遠さくらホテル 風呂後1630―帰阪 2100

 2003年の夏、7月上旬の白馬岳行きをしっぽりとした梅雨にあきらめ、急きょ計画した仙丈ケ岳行きだった。休暇もみんなが合うのが2日間だった。いろいろ考えた挙句に思いついたコースだったが、無理はないと思える日程だった。車で仮眠するより未明の出発の方がいいだろうと思ったが、これはバッチリ、睡眠もとれ未明の車の少ない高速道路を快走できた。一気に恵那SAまで行けた。朝食タイムでやや長い休憩後、今度は伊那ICから目的の戸台・仙流荘に、予定より1時間早く到着することができた。そんなに早く着くとは思っていなかったので、ちょうど前のバスが出たばかりで少しがっかりしたが、人数が集まれば臨時バスが出ると聞き、身支度をしているうちにバラバラと人が集まり、予定より30分以上も早くバスが出発してくれた。よくしゃべる親切な運転手で、南アルプススーパー林道を解説つきで案内してくれた。しかし、霧がかかり遠望がきかず、戸台川をはさんだ鋸岳の姿はみることができなかったが、一度だけかもしかの道を遠く白い岩のあたり見ることができた。高度を上げていくと、今度はまじかにかもしかをみることができた。写真にもおさめることができた。峠近くで2頭目もみることができた。今度はポーズをとっているようにまったく逃げることもなかった。まだ、おとなになっていないのか少し小ぶりのかもしかだった。野草の紹介まであったバスで、50分ほどで北沢峠に到着した。
 ひとつ予定を変更しざる得なくなった。予定していた藪沢は4月に入っての大雪で、いまだに雪が多く通行止めになっていたので、コース変更をして、尾根上を大滝の頭まで登り、そこから藪沢に下り、馬の背ヒュッテに抜けるコースにした。
 峠では、出発前の記念撮影を行った。太いななかまどやブナの森に感動する。苔むした原生林の斜面をジクザクに登っていく、みんな体調もよさそうで、順調に高度を上げていく。真っ白で、黒い目でもついているようなきのこを発見(調べたら、きのこではなく、葉が退化した高山植物『ギンリュウソウ−別名ユウレイタケ』だった)霧に包まれた幻想的な森を登っていく、2ピッチで雪渓をうかがわれるところまで登った、休憩後尾根の上にでて、五合目である大滝の頭に着いた。休憩後ではあったが、おそめの昼食タイムにした。もう大きな登りもないだろうと、コンロを出し、スープを、ここでワインもちょっと一杯した。次々と下山してくる人があり、やはり人気のコースなのだろう。
 ここからは、道も水平になり、少し余裕がでてきた。また、高山植物の花たちも、樹林の下にみることができた。藪沢は情報どおり、中腹でも中途半端に雪渓がのこり、大きなシュルンドをみることができた。登山道は雪渓の横断を避け、下を回り込む仮設道がつくられ、ロープが張られていた。少し急で悪かったが、慎重に下ればそれほどでもなかった。このへんから花が増えだし、その分、すすむ時間が結構かかりだした。ハクサンチドリ、ヨツバシオガマやミヤマキンポウゲをみることができた。ハクサンフウロ、それより少し色の濃いグンナイフウロもあった。藪沢小屋で休憩し、最後の登りかかった。雪渓もすぐ近くに通りぬけ、花が増える道を登っていくとそこにウッディーな馬の背ヒュッテが現われた。
 ちょうど小屋に到着したとき、上から上島さんが下りてきてあいさつをした。丹渓山荘は今、使えないこと。22年前の嫦娥岳登山のことは覚えていないが、中央大学付属高校の山田先生や亡き近藤先輩のことは覚えていて話しもできて懐かしかった、小屋代をひとり1500円も安くしてくれた。南アルプスの小屋はサービスはあまりよくないとは知っていたが、夕飯のカツカレー、朝食のインスタントみそ汁は少し閉口する。また、同室の方のいびきもすごく、正直、快適な一夜にはならかったが、星空はすごかったらしい(自分はみていない)
 翌朝は、あまり寝ていられる雰囲気もなく、行程も気になったので、4時起床、6時前の出発となった。馬の背に向けての登り、馬の背から仙丈小屋までの尾根からカールへの道は、ガイドブックどおりのお花畑の道だった。はじめて白い8片の花のツマトリソウやキバナシャクナゲなどをみることができた。チングルマやコイワカガミの群生などもみることができた。カールに流れる水もうまかった。しかし,天気は依然ガスがかかり、頂上や甲斐駒の雄姿をみせてはくれなかった。それでも2時間足らずで仙丈ケ岳の山頂に立つことができた。少し寒く、記念写真を撮り、早々に下山をはじめる、ガスの中を慎重に道を選びながら下るが、展望がなく単調だった。そのわりに登山者は多かった、小仙丈ケ岳を通過し、南側にでたあたりがガイドブックにあるお花畑で、雪渓があり、その周辺にチングルマ、ニッコウキスゲ、ハクサンフウロをみることができたのが唯一の収穫だった。そのあとは、潅木帯の尾根道をどんどん高度を下げていった。下りで、意外と時間がかかることが多かったが、今回はみなリズミカルに軽快に下山していった。大滝の頭にほどなく出て、休憩、そのあとも行きと同じ森林帯をどんどん下山し、予定よりも2時間もはやく、北沢峠に着いた。(休憩時間を除き、ほぼコースタイムどおりに歩いた)しかも、うまく臨時バスにも乗ることができた。
 仙流荘前のバス停で、「余りものランチ」をして、高遠のさくらホテルで露天風呂を楽しみ帰阪した。渋滞もなく、予定よりも早く帰ることができた。展望には恵まれない2日間だったが、雨に合うことなく、花を楽しみながら、予定の登頂を果たしたのだから「○」にしておこう!!