アメリカ合衆国大統領 ジョージ・W・ブッシュ殿 2002年3月15日 核戦争防止和歌山県医師の会 和歌山県和歌山市田中町 5-1-15 タバタビル2F 貴国の核態勢見直しに抗議する 貴国が進めている核使用を前提とした「核態勢見直し」に対し、われわれは強く抗議する。 米国防総省の「核態勢見直し」(NPR)報告は、具体的に7カ国の国名を挙げ、核攻撃対象としたシナリオ策定の検討を行うとともに、新型核兵器の開発を行うとしている。それはまた、「使える核兵器」の確立に他ならない。 貴国は、1995年4月に核不拡散条約(NPT)加盟の非核保有国に対しては、米国やその同盟国を攻撃しない限り先制核攻撃はしないと発表していた。しかし、この政策を転換することになれば、各国は非核国にとどまる動機を失い、新たな核保有国を生み出すことになる。同時に、核保有国の新たな核兵器開発を推し進めることになるだろう。 今回の政策転換は、長年にわたり世界の国や人々がすすめ、国際世論として作り上げてきた核兵器の削減・核爆発を伴う実験の禁止、それにつづく核兵器の廃絶の願いを踏みにじるものであり、断じて許すことはできない。 今回の政策転換の根拠として「テロ対策」があげられているが、核兵器使用を「反テロ戦争」にまで拡大することは、米国が世界をテロリズムから「解放」するのではなく、世界を米国の意のままにするために行動していることを証明していることに他ならない。 貴国の行動は、世界平和と核兵器の廃絶を望む世界の圧倒的な国々、人々の願いへの明確な挑戦である。 私たち医師・歯科医師は、人類の生命と健康を守る立場から、平和と全ての核兵器実験および核兵器開発の即時中止と核兵器即時廃絶を、核保有国と全世界の国々に訴えている。 今回の貴国の危険な政策転換に対して、断固抗議するとともに、貴国政府が速やかに核兵器廃絶の方向にすすむことを要求する。 以上 |