桃から生まれた…

赤鬼は、おにぎりと柿の種を道端で出会った猿と取り換えっこしました。
猿はそれをうっかり穴に落っことし、おにぎりと共に穴に落ちて行きました。
おにぎりを食べてしまった雀たちはお礼にと玉手箱を猿に渡しました。
家に帰った猿が恐る恐る玉手箱を開けると、中からもくもくと煙が出てきて猿はたちまちおじいさんになりました。
そのおじいさんが山に竹を切りに出かけたときに眩しく光る一本の竹を見つけました。
おじいさんがそれを物珍しさに切ってみると、なんとそこからはお姫様が出てきました。
二人で暮らすことにしたお姫様がある雪の日散歩をしていると、そこに雪を積もらせたお地蔵さんを見つけました。
何も被らずにいるお地蔵さんにお姫様は自分の被っていた藁帽子を被らせてあげました。
その日の夜、二人の家に雪宿りに藁帽子を被った一人の女の人が訪れて、中を覗いてはいけないと忠告してから一人部屋に籠ってしまいました。
気になった二人がそこを覗くと、なんとお地蔵さんが機を織っているではありませんか。
それに気付いたお地蔵さんは再び女性の姿となって、激しい吹雪を吹かせて消えて行きました。
いなくなった後を見ると、そこにはなんと一寸ほどの男の子がいました。
二人がその子を我が子のように育てていたある日のこと、男の子は山で熊と相撲を取って勝ちました。
その熊に北に悪さをする鬼がいると聞いたので、男の子はその熊と熊の友達の犬を仲間にして鬼退治に出かけようとしました。
しかし道中その犬が亡くなってしまったので、火葬して犬が寝床にしていた枯れ木に灰を巻くと枯れ木には見事な柿の実が生りました。
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