雪の降る日
カランカラン…… 雪の降る日、友達と二人でカフェにいた時、店にまた一人やってきた。 何故だかその人が気になって、私は友達と話しながら振り返った。 ガタン! 「わっ……!どうしたの、急に?」 ……そこにいたのは、十年前にお母さんが離婚して以来、会っていなかったお父さんだった。 「お父さん!」 私がお父さんの元へ駆け出そうとした時、店にもう一人女性が入ってきた。 「康隆さん、お待たせ」 「やあ、瑞希さん。雪宿りに待とうと思って入ったけれど、その必要もないみたいだね」 そう言って二人は店から出て行った。 「……お父さん」 「また、きっと会えるよ」 「うん……、きっと……」 私はそう言ってガラスの外に写るお父さんの姿を眺めていた。 |