人獣共通感染症
※ここでは、PEPPY NEWS
(Vol.12)に掲載されていた人獣共通感染症のことを紹介したいと思います。ここへの転載許可はいただいていますが、著作権等はPEPPYさんの方に帰属していますので許可無く転載しないでください。
Zoonosis〜ズーノーシス〜
人間と動物の両方に感染し、どちらにも病気を発症させる感染症のこと。
■幼虫移行症
本来動物に寄生している寄生虫の卵や幼虫が、人間の体内に入り、幼虫が人の体の中を動くことによって起こる様々な症状のこと。
多くの場合、食べ物などを介して口から感染(経口感染)します。虫卵で汚染されている野菜を生のまま、あるいは十分に加熱しないで食べた場合や、汚染された土や砂、水との接触などが感染経路となる。幼虫の侵入する場所は眼球、肝臓、脳などに及ぶこともあり、深刻な症状が出ることがあるため注意が必要。
子供への感染が多く見られるので、犬と遊んだり触った後や砂遊びをした後、食事の前には必ず手洗いを励行させる。また、犬や猫の排便も速やかに片付けること。犬や猫を飼っている方は、動物病院で定期的に検便をしてもらい、寄生虫がいるようなら駆除をしてもらうことをオススメ。
■狂犬病
国内では昭和30年代の初めより発生は認められていないが、犬や猫も含めて現在の日本で最も重要視されている人獣共通感染病。世界保健機関によると、全世界で毎年3万5千〜5万もの人が狂犬病によって死亡しており、日々多くの種類の動物が輸入されいる現在では日本国内でもいつ再発するかわからない状況である。
狂犬病の予防注射は必ず接種しておく。
■レプトスピラ症
レプトスピラという最近の感染により発熱や頭痛、結膜炎、血尿などの症状がみられる感染症。重症になると黄疸や肝臓障害などの症状も出ます。人間や犬のほか、牛、馬、豚などの家畜も感染しますが、特にねずみが最大の感染媒体とされている(ペストみたいですね・・・)。感染した動物の尿の中には、大量の菌が含まれていて、それが感染源となる。
■トキソプラズマ症
トキトプラズマ症は寄生虫のトキソプラズマが原因でおこる病気で、妊娠中の胎児に影響を与えることから、注意を要する感染症とされている。妊娠する可能性があるのであれば事前にトキトプラズマの検査(血液検査)をしておき、もし抗体陰性(まだトキトプラズマにかかっていない)という結果がでたら、妊娠期間中の女性は特に感染には注意が必要。
生肉(豚肉)は素手で触らない、飼い猫には生肉を食べさせない、猫の便は絶対に素手で触らずに速やかに片付ける、ガーデニングなどで土を触ったときや、食事の前には必ず手を洗う、などが予防には効果的。
■サルモネラ腸炎
下痢や嘔吐など食中毒の原因として有名なサルモネラ菌による感染症。食中毒としては肉や卵からの感染が重要視されている。家畜(ニワトリ、牛、豚など)や、犬や猫などのペット、亀、爬虫類(蛇、トカゲなど)も感染源となる。保菌動物は消化管内にこの菌をもち、糞便とともに菌が排出される。
症状としては、腹痛・下痢・発熱などで、予防は「手洗い」と、調理の際に十分に加熱する、ねずみ、ハエ、ゴキブリなどの駆除を行う、などが効果的。
■オウム病
「オウム病クラミジア」を病原体とし、鳥から鳥へと感染を繰り返し、オウムやインコ、はと、ブンチョウ、ジュウシマツなど広い範囲で感染する。鳥類意外でも犬や猫、牛、豚などの家畜、両生類、魚介類なども感染を受ける。
人間への感染は、ペットとして飼われている小鳥が感染源となる場合が多く、病原体に汚染された鳥の羽毛や飛散した排泄物を吸い込むことで感染し、発熱や頭痛、筋肉痛、食欲不振などの症状があらわれる。鳥かごなどの飼育環境を清潔に保つことが有効な予防法。
■エキノコックス症
エキノコックスは多包条虫といわれる主にキツネに寄生するサナダムシの仲間。キツネや犬はこの多包条虫に寄生されてもほとんど症状にはでることがない。多包条虫の卵を人間が食物や水を介して口に入れたり飲み込んでしまうと、腸の中で孵化して肝臓や肺などで包虫を作りこれらの臓器を侵したり圧迫させて機能不全を引き起こす。感染率は他の病気に比べて高くないが、感染してから自覚症状がでるまでに数年から10数年かかることもあり、気付かないうちに悪化してしまうことが多い病気。
予防法としては、エキノコックスの卵が口に入らないようにすることが重要なので、容易に野生動物には触らない、触ってしまった後は手を洗う、生水や山菜・果実などをそのまま口にしない、などが予防には効果がある。
■猫引っ掻き病
名前の通り猫(特に子猫)や犬に引っかかれたり、噛まれたりした傷口から感染しリンパ腺が赤く腫れ上がったり発熱し膿瘍になったりする。外傷の消毒や保菌動物に寄生しているノミが健康な犬や猫に寄生することで感染するため、猫にノミの寄生が見られるようなら、駆除と予防が一般的な対処法とされている。猫の爪も伸ばしたままにせず、切っておくことも予防のひとつ。
■Q熱(きゅうねつ)
コクシエラ菌による感染症で世界中に分布している。家畜からだけでなく、現在では猫等からも感染することが知られている。感染動物の乳汁・糞便・尿などに排泄され体空気中に舞い上がったものを人間が吸い込むことで感染する。インフルエンザのような症状を示し、だいたい2週間ぐらいで自然治癒するが、風邪のような症状を長引いた時は注意が必要。
人獣共通感染症予防のチェックポイント
@ 愛犬・愛猫たちの健康管理は十分に心掛けていますか?定期的な健康診断はとても大切です。病気の予防(狂犬病や伝染病のワクチン注射 ・ノミ・ダニの駆除やフィラリアの予防薬など)は万全にしておきましょう。
また、シャンプーや入浴などで、犬・猫の体や被毛も清潔に保ってあげてください。
A 自分が使っているお箸やお皿で、食べ物をあげたり、口移しで食べ物を与えたりすることは絶対にしてはいけません。
「愛犬や愛猫へのキスは愛情表現だからいいじゃない」と思われる方もおられますが、人獣共通感染症の中には動物自身は病原体を保有しても 無症状である場合もありますので、過度な接触を避けてることが予防には大切です。
B 庭のガーデニングなどで土を触った後は必ず手を洗いましょう。もちろん子供たちも同様に、公園の砂場で遊んだあとや食事の前には必ず手 を洗う習慣を身につけさせておきましょう。
また、犬や猫の排便を始末する時も素手で触ったりしないように工夫しましょう。
C 散歩の時は犬が落ちているものを口にしたり、水溜りに水などを飲んでしまわないように気をつけましょう。そして散歩の後、家に犬を入れる時 は、ブラッシングをし、足もきれいに洗ってあげましょう。特に草むらや森・林の中などを歩いた後はダニなどの寄生などないか、注意してみてあ げてください。
D 愛犬・愛猫の首輪やおもちゃ類、ベッドなどはこまめに洗って清潔にしておきましょう。普段使っている食事残しのフードはすぐに片付けて、いつ も清潔にしておいてください。
部屋の抜け毛なども「犬や猫がいるからしかたないわ」と考えずに、こまめに掃除を行い、犬や猫と一緒に暮らすからこそ清潔な環境を作るよう にしていきましょう。
E 自然が多く残っている場所に旅行やドライブなどで行った際に、キツネやタヌキなどの野生動物に出会っても、撫でたり触ったりしに行かないよ うに。生水や屋ン際なども十分過熱し、調理するなどして、そのまま口にはしないでください。また、蚊やダニに刺されたり咬まれたりしないよう注 意しましょう。
F猫自身の健康と病気の予防のためにも、できるかぎり室内飼いで育ててください。
※ここで紹介したもの以外でも、最近は新聞などで話題にもよくあがっている、西ナイル熱(野鳥や蚊によって媒介されます)や猿からうつることで注意が必要なエボラ出血熱なども人獣共通感染症に含まれています。
現在、動物や植物、食料など多くの物が頻繁に海外との間で輸出入されています。海外でも発生した人獣共通感染症についても「遠い国の話」ではなくなってきています。
私達自身が、かわいい愛犬や愛猫たちとの暮らしをより快適に安全に過ごしていくためにも、人獣共通感染症に対する正しい知識と基本的な予防方法を知っておきましょう。
(PETTY
NEWS Vol.12 P8〜P9 人獣共通感染症より)