L'Arc〜en〜Ciel


L'Arc〜en〜Cielのアルバムタイトルはほとんどの詞を担当しているhydeがつけている。
毎回心がけていることは、そのアルバム全体からイメージするちょうどいい「言葉」を見つけること。
あと、覚えやすく短くわかりやすい言葉にすること。一見単純作業にも思えるが、一枚を通して
聴いてみるとすごくぴったりだなと思えてくるから不思議だ。そこでラルクアンシエルのアルバムを振り返りながら、
あらためてこのタイトルがなぜこのタイトルなのか実感してみようと思う。
注意:勝手に思い立ってぼやいてみただけなんで、いちいちつっこまんといてください(爆)

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DUNE

「DUNE」

確か意味は「砂丘」だったと思う。このアルバムに収録されているタイトルと同じ「DUNE」のフレーズにも「砂丘に広がり」と記されている。どうしてhydeはこのアルバムタイトルをDUNEにしたんだろうと考えてみた。私のイメージではDUNEって、まずあのペンタグラフ(悪魔のマークっていうのかしら。)にジャケ全体を覆う深い青のイメージがある。当時のhydeの服装もちょっとはかなげで、消えてしまいそうな感じもあって、DUNE全体を通して浮かんだのは「幻」っていうイメージだった。いろんな出来事も実は幻で、全ては砂になって消えてしまう。砂漠に見える蜃気楼なようなもので。そんな幻みたいなイメージを彼は「砂丘」にしたのかなと思った。

Tierra

「Tierra」

スペイン語で「大地」と言う意味だ。最初のin the Airを聴くとあぁ、なんとなくわかるなぁと単純に思ってしまった。このアルバムは大地を中心にして空へ向かってるようなイメージがある。White Feathersも大地から空へつながっている。でも、大地につながれたまま。もうすでに彼はこの頃から「空」や「大地」や「羽根」について深い興味を抱いていたんだなということがイメージできる。

heavenly

「heavenly」

もちろん見たまんまの天国だけど、このアルバム全体を通してすごい腕白なアルバムだなと感じることができる。こういう浮かれ具合な感じがhevenlyなのかなと思った。そして、少しラリったような雰囲気にさせる妖しさ。全体的に明るいイメージの曲が多いけど、そこにもダークさを感じる。天国ってある意味ヤクにおかされてラリっていい気分になってる状態で、クスリが切れると地獄が待っている。そんなものなのかなと思う。天国の隣には地獄がある。そういうのを感じさせるものこそラルクなのかなと思わせる1枚。

True

「True」

真実。彼はどうしてこのアルバムに真実とつけたのだろうか...そこには歌詞に表れていた。Round and Roundには「痛みを知らない大人(こども)は嫌い 頭をぶつけるまで傷つけるから」と一瞬どきっとするようなフレーズが隠されていたり、Lies and Truthというタイトルからして真実と嘘という楽曲があったり(この曲でkenちゃんは初めてストリングスを取り入れた。ロックではタブーだと考えていたものの、やってしまえと入れた)、後になって気づくあの事件...実はこの曲に彼の苦悩(真実)が描かれていた"Good Morning Mr.Hide"。櫻の初作詞でもある。全部英語だけど、和訳の部分に彼の本音が、彼自身知らないうちに描かれているのがわかる。自分と人が見えてる景色が違うといった点。意味深である。そして売れる曲を作ってやろうと作ったflower。当時のメンバーの心情や、状況からいってもまさしくTrueだったのではないかと思うと妙に納得できる。確かにメンバーが言うとおり「最高のアルバムだ」っていうのも納得できる。実際ラルクはたぶんこのアルバムで世間に知れ渡ったのではないだろうか。Trueにはラルクのメンバー各々が「実験」をしてみて、見事成功を勝ち取ったアルバムなのかもしれない。

HEART

「HEART」

活動休止から、晴れてyukihiroを正式メンバーに加え、作ったアルバム。これはたぶん離れていったと思っていたファンが待っててくれたということから、愛を込めてHEARTとつけたのかなと勝手に想像。中でも現在でも名曲!といわれているバンド名と同じ「虹」では特にファンへ届けてくれたのかなと思わせる詞の内容になっている。でも決して直接的ではなく、抽象的に、そして深い意味に捉えさせられるあたりがうまいなと思う。ドイツの古城をイメージして(さだかではないが)作られたローレライ、切ない雨を歌ったSingin'in the Rain、それからお約束の名曲!泣ける曲!となっている「あなた」。私は個人的にこのアルバムが一番好きだ。ドラムは櫻だ!といいまくっている私だけど(爆)L'ArcのアルバムでなぜかHEARTが一番心に響くし、一番聴いたアルバムでもある。何回リピートしても心に染みる。いろんな世界がちりばめられていて飽きない。そして暖かいイメージがある。まるで雨やどりした喫茶店で飲んだ暖かいココアのように。

ark
ray

「ark」「ray」

「箱舟」と「線」。一番勢いづいていた時だったと思う。やってしまえ!花火を打ち上げろ!メンバーもそんな感じだったとおもうし、実際売れ時のピークだったと思う。旅に出て、そっから無数に伸びている線にそって飛び出そう。そういう意味なのかなーと勝手に解釈(笑)確かL'Arcでもっとも売れたアルバムはarkだった気がする。個人的にはreyが好きで、そっちばっかり聴いていた気もする。この頃はなんだったんだろう?すごく勢いづいていたイメージがあるけど強烈なイメージもない。グラクロ行ってないからかなぁ(^.^ ;ばんばん新しい模様の花火がどっかんどっかん上がってたような感じでしょう(笑)

REAL

「REAL」

今になって真実が語られていたわけだが、皆この時期悩んでいた。マンネリ化していたのか何かをやりたい欲望にかられていたのか。そういう想いがやけにリアルで、むき出しになっているアルバムに思う。L'Arcのメンバーの中でたぶん一度も解散しようかという話は出てないだろうけど、「あぁこのままいくと終わっちゃうのかな」と当時kenちゃんが語ってたこともあり、そういう意味でもリアルだったのかなと思う。これを出す前リリースされたSTAY AWAYも7ヶ月ぶりだったし、休みがちだったあたりからもしかしたらここで一息おきたいのかなと予感させるアルバム。ずっと売れ続けて突っ走ってきたL'Arc。ちょっと疲れてここで休憩しないと終わってしまう。そういう予感の意味を込めてリアルだったのかなーと思った。

SMILE

「SMILE」

3年7ヶ月振りに出たアルバム。そのうち1年は空白だった。その間にもいろいろ動きはあったかもしれないが、メディアにいっさい出てなかったのでこっちとしては空白だった。長かった。そんなに待たせてなんだよぉって思った。やっとL'Arcだ...代々木で思ったけれど、このアルバムが出たときはそんなに「やっと」っていう印象が薄かった。REALを出してから空白だった一年を超えて、それから革命と言ってもいいくらいのめまぐるしいソロ活動が輝かしくて新鮮で楽しすぎて。それのせいかそこまでバンドに執着しなくなって。でもやっぱりそこでパワーアップして帰ってきたL'Arc。モンスターバンドになってしまったけど、ちっちゃいとこでもやるぜ!ってな感じで初心を忘れない、新鮮さをなくしてないL'Arcだからこそスマイルで帰ってきたぜな感じなのかなーと。いろいろあったけど今は素直に笑ってるねっていう久々に集まった家族の再会に喜ぶような感じでスマイルなのかなと思った。ソロが決して独立の糸口ではなく、バンドに帰って更にパワーアップっていうあたりがL'Arcらしいし、理想の形だと思った。これと対になるであろう次のアルバムはどうなるだろう...

AWAKE
AWAKE
アルバムがリリースされてすぐに「AWAKE TOUR 2005」が開始されたので、楽曲を聴くと自然にそのショーの情景が浮かび上がってくる。いわばアルバム+AWAKE TOURで1つの物語が完結するといっても過言ではない。シングル4曲を含む全12曲が収録されており、そのほとんどの楽曲の詞を担当したのがヴォーカルのhyde。しかし今回はhydeによる楽曲が大半を占めた結果となった。今回のアルバムを通してテーマとなったのは「反戦」。自分たちが生活している世界が平穏であっても、また違う国では常に戦争が絶えない。そんなずれた世の中にも「普遍の愛=永遠」が存在するということを訴えかけるような想いが伝わってくる。

「聞いて 世界中が過ちに汚れていても きっと繋いだ手はいつまでも離さないから それだけは信じていいよ」

という詞がアルバムの楽曲「My Dear」に存在する。この言葉がアルバムの肝が全て集約されているのではないかと思う。

最後のぼやき。 物凄い主観で書きましたが...本当に私はすごいバンドにめぐり合ったなと思いました。
こんなに魅力のあるバンドだとは思わなかった。hydeの詞に惚れて、毎回驚かされて。
一筋縄ではいかない、予想できないぞというところに毎回やられてしまう。
L'Arcはイメージというものがない。最初は作っていたみたいだけれど、ことごとく彼らはイメージを壊します(笑)いい意味で。
かっこいいクールなL'Arcが新聞広告で坊主になったりゴルゴになったり(笑)そして変わったCMがどんどん展開されていったり。お笑いの部分も忘れない。宣伝方法も普通にするんじゃなくて、他とはちょっと違う手法をとる。そこにもひかれたりした。やっとライヴに行けると思って行った初ライヴで調子が悪かったせいかいい印象がなくて、そのままなんと3年も待たされて(笑)
1年は何にもなくて苦痛だったけど、いきなしHydeistができて恐ろしく近いところで、hydeの歌を間近で聴いて。気づかないうちにたくさんファンの友人ができて。そうこうしているうちにいきなしkenちゃんがバンドを組んで(笑)もう見れると思ってなかった光景が目の前にあった。もうL'Arcのメンバーと櫻がいるところはきっと見れない...でも見たい。叶わないであろうと思ってた光景がそこにあって。なんでkenちゃんの後ろに櫻?なんでkenちゃん歌ってるの?っていう驚き。あぁ、またやられちゃったよ(笑)
そして3回目でもっとありえない光景が目の前に起こって。相思相愛な(笑)hydeと櫻の共演が実現して。
やっと叶った櫻やhydeの想い。やっと同じステージに立つ事が許されたんだねといわんばかりに見つめあう二人。あぁ、これは夢じゃないんだと思った初めて泣いた夜の事。んでまたびっくりS.O.A.Pとhydeのツアー。
ソロプロジェクトやるだけでもすごいのに、ソロ同士で対バンしてツアーするっていう自体も前代未聞で、 一度メジャーでのぼりつめたバンドがまたハコで対バン組んでやるっていう行為自体も他ではないような異例のことで。こんな近くで見れると思ってなかったのに、触れるなんて夢のまた夢だったのに。ありえない出来事が次々と起こって、欲がどんどん出てくるし、近くにいるってのに慣れてしまう。
そしてまたバンドに戻ったら距離を実感させられる。近づいたり遠ざかったり。そういうさじ加減がくせになる。
こういうことされるからますます離れられなくなるんじゃないか!こんだけいろいろ問題を乗り越えてきたのはすごいと思うし、何よりすごいのが過去にあった問題が嘘のように過去のことにできているということ。
櫻はきっともうメンバーと一緒に音楽はできないんだろうなと諦めていたりしたのに、今はその間にあった壁がどかーーーんと取っ払われた感じ。

もうあれは「過去」なんだなって言えるところがすごい。

私がまだ目撃したくてもできないあの曲はまだ見ることができていないけれど。今なら見れる気がする。
L'Arcを見てると「あぁ、やってできないことはないんだろうな」と思わせてくれる。
それが私の今の原動力で、あのL'Arcに出逢った日から今までの人生。全てがらっと変えてくれた。
あの日がなかったら今の自分はなかったかもしれない。全ての出逢いが1つにつながる。私はいつまで彼らを追いかけるだろう...そんな彼らにもいつか終わりはくるだろう。
でもやっぱしそれでもなんかやらかしてくれそうで(笑)おもしろすぎるバンドだ。それなのにまだ知らない連中がいるのはめっちゃかわいそうだと思うくらい(笑)そのまま、子供の心を忘れずに、大人の優しさを忘れずに。新鮮さを忘れずに。
どこまでも見守っていきたいし、この目でしっかり見ていたい。そういうことを現在でもずっと想っています。
そして彼らが教えてくれた「音楽」に。そっから自分で階段をあがっていこうと思う。