White Sands National Monument


 アリゾナ/ニューメキシコ州境から140マイル、I-10をニューメキシコ州Las Crucesまで一気に走ります。
 この道は変哲のない西部の景色の道なので、途中の出口にあるKFCで昼食を取った以外は、休みなく走り続けました。KFCで注文するのはいつも一緒。 CRISPY CHICKENのCOMBOです。(^^;)

 さて、Las CrucesでUS-70-82に乗り換え、ホワイトサンズを目指します。途中、峠を越えた辺りでは、下界が一望できて良い景色でした。公園入口まで数マイルのところまで近づくと、左手にちらちらっと白い砂丘が見えるようになり、気分が盛り上がります。

 この公園は、石膏の粒からできた、純白の大きな砂丘を保存するために設立されました。
石膏とは硫酸カルシウム二水和物(CaSO4.2H2O)のことですが、もちろん普通の砂丘の砂とは全く異質のものです。石膏は建築材料、金属加工用の型材など、とても利用価値の高い鉱物なので、過去にはここから大量に採取され、利用されていたようです。


美しい風紋(クリック)

 さて、僕にとってこの公園は2度目の訪問でして、1回目は4年前の春でした。そのときは風がきつく、体中砂だらけになって、目をかばいながら砂丘の上に座っていました。

 そんな状況でも、砂の上を甲虫たちが歩いていました。斜面を歩いて登るスキーヤーのような足跡をつけながら、一生懸命に。



 砂丘というのは強い風の作用によって形づくられるものであるゆえ、風の強いときのほうがそれらしい気分になれるのですが、やはり砂嵐の中に長いこといるとかなり疲れます。普通の砂粒よりも石膏の方が柔らかいので、吹き付けられても思ったより痛くはないのですけど。

 ですから、今回は穏やかな砂丘であることを期待していました。嬉しいことに、実際に風は弱くて,じっくりと快適に楽しむことができました。 

料金ゲートで,陽気なレンジャーのおじさんの「ハバナイスデ〜」という甲高い声とともに渡されたOFFICIAL MAPは,カラー写真入りで、立派な物になっていました。
確か前回ここにきたときにもらったOFFICIAL MAPは、一色刷りで小さく、見栄えのしないものだったと思います。だから今度のやつは嬉しいです。

 園内にはThe Dunes Driveという片道8マイルの1本の道路だけがあります。訪問者は、この道を自由に通行し、砂丘の好きな部分に入ることが出来ます。 はじめのうちは草原の中を走る単なる舗装道路で、「いつになったら砂丘が見えるのか」とやきもきした気分です。

 最初に砂丘らしいものが間近に見える場所に、Big Dune Nature Trailというのが用意されています。ここの駐車場に車を止め、とりあえずトレイルに入らずに、目の前に見える砂丘に登ります。立派な風紋があって、いかにも砂丘という姿がしていますが、思ったより砂が固まっていて、歩くのが楽です。

 純白の大きな砂丘で、素晴らしいとは思いつつも、今まで写真で見たり、想像していたものとはちょっと違うなあという感じもします。 なぜかというと、意外に多くの植物が生えているからです。種類もいろいろあり、中には美しい花を咲かせているものもあります。
 風が強く当たりそうのない、砂丘のへこんだ部分に集中して生えていますが、山のてっぺんに生えているものもあります。それは、元はといえばへこんだ部分であったのが、砂が移動していくうちに自分がてっぺんになってしまったのかもしれません。

 こんな所に数多く植物が生えているのは、とても意外な気がしますが、砂を5cmくらい掘ってみると、かなり湿り気を感じますので、それなりに生育する条件が整っているのでしょうか。しかし養分はどう取っているのか、根が伸びて体が固定されるまでに吹き飛ばされてしまうのではないか。不思議です。

 さてBig Duneのトレイルには入りますが、これは軽くクリアして、The Dunes Driveに戻って奥へと進みます。

 途中、 Interdune Boardwalkというボードウォークに入りました。要するに車椅子の方でも砂丘を見れるように配慮されているわけで、さすがはアメリカと感心しました。 まあもっとも、ここから見る景色は大したことはありません。人の足跡の付かない、きれいな砂丘がみれるという利点はありますが。

 さらにThe Dunes Driveを進みます。Big Dune Nature Trailの辺りではまだ道の右側は草原ですが、奥に進むにつれて両側が砂丘となり、砂丘に生えていた植物も少なくなっていきます。路面も砂で覆われるようになり、一面の純白の世界となります。


取り残された枯木(クリック)


 Big Duneにいるときは「何か違うな」と思いましたが、ここまで来るとイメージしたとおりのホワイトサンズの風景となります。
 そういえば思い出しました。初めてここに来たときも先にBig Duneに行き、それから奥まで行き、今回と同じ感想をもっていたのでした。f(^^;)
 道路の一番奥はループ状となっていますが、その辺まで来るとどこに車を止めても美しい砂丘に入ることが出来ます。 しかしもう日没が近くなっていて、充分に楽しめるだけの時間がもうないため、予定を変更して明日の朝もここに来ることにしました。

 砂丘に登ると、植物が少ないだけでなく、Big Duneに比べて砂が固まっていなくて、歩きにくいことに気付きます。でも、普通の砂の砂丘に比べれば歩きやすい感じです。

 OFFICIAL MAPによると、ホワイトサンズの砂丘には4つのタイプがあるそうです。Dome dunes / Barchan dunes / Transverse dunes / Parabolic dunes で、そのなかで一番若い砂丘がDome dunesで、それが風に飛ばされている間に残りの3種の砂丘に変化していくらしいです。
 この石膏の砂を供給しているのは,今も公園の南西部に残るルセロ湖(L. Lucero)で、その砂が飛ばされながらDome Dunesを形作るというわけです。
 ちなみにBig DuneはParabolic,公園の奥はTransverseまたはBarchanです。 砂の固さや植物の生え方の違いは、砂丘のタイプの違いに由来しているのでしょう。


砂の中でがんばる草(クリック)




 さて、砂丘に沈む夕日を眺めたあと、US-70-82を15マイル北上、Alamogordo の町に入ります。 次の日、朝7時に宿を出発し、ホワイトサンズに戻りました。

 今度はまっすぐ奥の方へ進み、適当に気に入った砂丘に登ります。 まだ朝早く、日が低い位置にあるけど、日の出直後ではないため太陽光は赤くありません。砂の山や風紋に適度に影が出来て、写真に撮るには良い条件です。

 ここで思ったのは、ホワイトサンズでは日差しが強く、白い砂の照り返しがあるのでサングラスが必携なのですが、出来るだけ余計な色の付いていない(中性灰色の)サングラスが望ましいということです。

 僕の度入りサングラスは少し茶色がかった灰色です。これではせっかくの純白の砂丘が、少し黄色っぽく見えてしまうのです。こういう微妙な白さを味わうのには不向きでした。