Mauna Kea&Saddle Road
<ご注意>Saddle Roadの通行の是非について、利用予定のレンタカー会社に必ず確認してください。特に夜間は、アメリカ本土の田舎道の通行に充分慣れている方でないと、お勧めできません。
マウナ・ケア山は標高4205m、ハワイ諸島の最高峰です。ハワイ島の面積は、日本の四国の半分強ですが、それくらいの大きさの島にこれほど高い山があるというのは驚きで、世界的にも珍しいです。というよりも、8000mくらいの巨大な山の半分くらいが海に浸かっているというほうが正確みたいですが。
この山は、世界的にみても光害の少なさ、晴天率の高さと水蒸気量の少なさ、その割にはアクセスのしやすい点から、星空観測に適した場所であり、昔から天文台が設置されていました。宇宙に興味がある僕は、子供のころから名前を聞いたことがあります。
なので、今回の旅行の準備をしているときに、中腹までなら個人でも比較的簡単に行けることが分かってからは、ハワイ火山国立公園に次ぐ目的地としていました。たまたま今回は、新月くらいの時期に行くことになるので、星空は大いに期待できるのです。

Mauna Kea Access Roadの起点 |
標高2800m地点にOnizuka Visitor Centerという、宇宙についての展示をしている場所があり、そこまでは道路が舗装されていて普通の車でも行けるらしいです。
ただし、ガイドブックによると、そこに行くまでには島横断の道であるSaddle Roadを通らなくてはならず、この道は路面状態が悪いため通行禁止にしているレンタカー会社が多いとのこと。こういう制限を無視して事故を起こすと、保険が利かないなどの問題が考えられるので、遵守しなくてはなりません。
レンタカー会社のカウンターでSaddle Roadはダメですと言われても、今さら他の会社に代えるわけには行かないので、出発前に大手5社にメールして訊いてみました。(私の持っている日本発行のガイドブックには、いくつかのレンタカー会社で禁止していると書いてあるが、貴社ではどうなのか)
結果は。。。
・ハーツ Saddle Roadと全ての未舗装路は禁止(未舗装路は、どの会社でもダメでしょうね)
・エイビス レンタル時に訊いて見てほしい(そのときダメと分かっても遅いっちゅーの)
・ダラー 未舗装路は禁止という制限のみ。舗装路はどこでも行って良い。
・バジェット 直接電話して聞いてほしい(それが辛いからメールしてるんだって)
・アラモ バジェットと同じ
というわけで、無条件にダラーに決まりました。
ただし、ダラーにしてもハワイ島の事情をどこまで調べて回答しているのか分かりませんが、とりあえず言質を得た気分で、メールの内容を印刷して持ってきました。
でも、出発前にダラーの日本代理店から自宅に届いたクーポンと一緒に、ハワイ島の簡単な地図があって、そこには日本語でSaddle Roadは通行できませんと書いてあります。
うーむ。実際のところはどうなのだろう。日本からの旅行者は、アメリカの僻地の道の運転に慣れていないことが多いから、事故や立ち往生を起こされると困るので、本当は禁止じゃないけどそう書いてあるだけかも。で、実際に借りるときは、何の注意もされなかったので、僕は大丈夫と解釈しました。(ダラーで借りる場合でも、必ず確認するよう、お願いします。)
さて、前の晩にハワイ島東海岸のヒロに泊まっていて、この日は夕方までヒロ周辺に行っていました。Lava Tree State Monument(溶岩が森林を流れていった後、木を囲むようにして溶岩が円柱状に固まっている)や、マウナ・ロア・マカダミアナッツ工場などです。今日の宿は西海岸のコナなので、Saddle Road経由でマウナ・ケア山に行き、星を見てからSaddle Roadに戻ってコナまで行くことになります。
雨が多いことで有名なヒロですが、嬉しいことに日中は晴天続きでした。でも夕方になると曇りになってきました。それでは憧れのSaddle Roadに入ります。ガソリンはまだ残っていますが、念のため給油し、非常用に飲料水も確保します。
ヒロの近くでは、普通の田舎の生活道路であるSaddle Roadですが、いつの間にか高度を上げ、周りには林とか、不毛の溶岩原しかない場所になっていきます。最近改良工事をしたらしく、路面は良く走りやすいです。
同じ方向を走る車は1台もなく、対向車もほとんどありませんが、これはアメリカ西部の僻地と同じですね。僕にとっては慣れているので、ガソリンと飲料水・食料を充分確保していればあまり心細くなりません。ところどころ霧が濃い場所があるのには閉口しますが。

雲海を見下ろす夕焼け |
日没直前にマウナ・ケア山への道の交差点にたどり着き、山へ向かいます。霧がとても濃く、細かい雨も降ってきました。これでも山の上では晴れているのだろうか。不安に思いますが、高度を上げるうちに急に霧が晴れたと思ったら、遠くが見渡せるようになっていました。車を降りてみると、一番星が出ている。雲の上へ出ました。(^◇^) 雲海と夕焼けも見えます。空気が澄んだ感じがして、景色にも感動しました。
この道は、意外と整備状態が良く、カーブも少なめで走りやすいです。いつの間にか標高2800m地点のOnizuka Visitor Centerに到着しました。
この名前は1986年に爆発事故を起こしたスペースシャトル・チャレンジャー号に乗務していた、オニヅカ大佐にちなんでいます。オニヅカ氏はハワイ島出身で、ハワイ州初・日系人初の宇宙飛行士であり、地元の英雄なのです。
空は薄暮で、雲ひとつありません。星もかなり見え始めていますが、まだ充分な暗さではないので、Visitor Center見学をします。中の照明はとても暗く、夜空の暗さに慣れた眼がそのままであるように配慮されています。ここは展示物がメインではなく、星空観測の拠点という位置づけなのでしょう。
山頂には、日本の天文台「すばる」もあるのですが、それに関する展示に力が入っているのが、日本人として嬉しいです。
ここには、夜空を観測する人向けにお菓子やカップラーメン、防寒着なども置いています。そういえばまだ食事をしていなかったので、カップラーメンと、昼にマウナ・ロア・マカダミアナッツ工場を見学したときに買ったナッツを車の中で食べ、熱い紅茶を楽しみました。それまで洋食が続いていたせいか、あるいはこれからの星空観測が楽しみなせいか、カップラーメンが美味しかった。(^_^)
さて、充分暗くなってきたので、駐車場近くのテーブル付きのベンチに座り、星空観測です。今は2月で、山頂には雪があるでしょうが、ここは思ったほどは寒くなく、日本の晩秋の昼間程度の服装で過ごせます。真っ暗な中ではありますが、離れた場所には何人も同好の士がいて、Visitor Centerの職員もいるので、安心していられます。
星空は、やっぱりすごいです。感動しました。天の川もはっきり見えます。しかし星が多すぎるので、かえって星座がどこにあるのかは分かりにくいですね。でもオリオン座は分かりました。僕の家の周りでは、オリオン座は7個くらいの星しか見えませんが、ここではオリオン座の中にある星が、なんと多いことでしょう。
立って体を動かしてからベンチに手を触れると、静電気のせいで青白く光るのが分かります。それだけ暗いということで、月が出ていない時に来ることができて良かったです。満月は言うに及ばず、半月でもずいぶん星は見えなくなっているのだろうなぁ。
けっこう遅い時間になってきたので、名残惜しいですが山を降ります。Saddle Roadとの交差点までは快適な下り坂なので、スピードの出しすぎに要注意です。
Saddle Roadを西に向かうと、行きに通った東側のSaddle Roadと全く違い、路面状態が悪くて道幅が狭いです。路肩の舗装がほとんど剥がれてしまっているので、車線を守って走ろうとすると衝撃が激しいのですが、対向車が全然ないので、中央線をまたぐ形で道路のど真ん中を走りました。
おまけに濃い霧もかかってくるので、最悪のコンディションです。真っ暗で他の車も全く見かけなく、行き先表示の看板も交差点以外にはないので、ちょっと心細いのですが、アメリカ西部でもっと寂しいドライブも経験したことがあるので、どうということはありません。ガソリンは充分に残っているので、眠気に気をつけて冷静にドライブしさえすれば、僕にとっては問題ありません。
むしろ、Saddle Roadを走り抜けてコナの町に向かう州道に入ってからのほうが、霧はもっと濃くなって雨もかなり強く降ってきたので、閉口しました。でもコナのホテルに着いた時には雨はあがり、バーボンを飲みながらホテルの部屋のラナイ(ベランダ)からの景色を楽しむ余裕もありました。