我が家には数年前『チェリー』というMダックス(女の子)がおりました。
 チェリーは当時8ヶ月。
 むちゃくちゃかわいい!!
 とある理由で、1年ちょっとだけ我が家の一員となりました。

 「チェリー」
 と呼ぶと振り向く。
 「おいで!」
 と言うと近寄ってくる。
 「お座り!」
 と言うと
 「ワン!」
 って言って少し首をかしげる。
 まだわからないようである。
 (チェリー様: なに言っとるねん。このおっちゃん)
 そんなことを言ってたとも知らず・・・
 その可愛いしぐさに癒されていた。
 よ〜し、違う名前を呼んでみよう!
 「たんそく〜」
 やっぱり振り向いた。
 振り向いたと同時に
 「ワンワン」
 (チェリー様: こらっ! 私は短足やから可愛いが、おっちゃんはカッコ悪いだけじゃん)
 ごもっとも!
 (チェリー様: 今度チェリー、いや、チェリー様をからかったら、噛んでやる)
 いずれ、噛まれるハメになる・・・

 まずは『おすわり』を教えることにした。
 「チェリー、おすわり」
 (チェリー様: 疲れたし、す〜わろっと)
 おっ、なんや、ちゃと出来るやん!
 (チェリー様: だから〜、疲れただけやって)
 じゃあ、もう一回。
 「おすわり」
 おっ、すごいすごい、ちゃんと座るやん!
 「よし!よし!」
 頭を撫でてあげた。
 (チェリー様: もうちょい右。そう、そこがかゆいねん)
 座ったのも、かゆいとこも、全てがたまたまであった。

 たまたまであったとも知らず、
 次は『お手』を教えることにした。
 「お手!」
 と言ってチェリーの前に手を差し出す。
 が、手を舐めるだけだった。
 (チェリー様: うぇ〜、まず〜)
 そう、まずくなかったら、いつまでもナメられる。
 少し手を持って
 「お手。わかった?」
 と何度か繰り返した。
 (チェリー様: めんどくせ〜やつだなぁ)
 嫌われようが、『お手』を教え込んでやる!
 その甲斐あってか、徐々に『これがお手』ということがわかってきたようだ。
 さすがはチェリー!!
 「お手!」
 私の手にちゃんと置けるようになった。
 「えらい。えらい」
 「よし! おやつ」
 (チェリー様: おっ?? 『お手』をするとおやつくれるのかぁ。なんぼでもするで〜)
 「お手!」
 うん、うん、出来るようになった。
 「おかわり!」
 (チェリー様: おやつのおかわりくれるのかぁ。ええやつやん!)
 そんなにうまくいくわけがなかった。
 同じ手を置いてきた。
 当然おやつはあげない。
 (チェリー様: なんや! ダマしたんか〜)
 なんてことを〜。くれぐれも言っておく。ダマしてないぞ!
 今度は『おかわり』のときに、少し手を反対のほうにやってみた。
 「お手!」
 もうお手のものだな。
 「おかわり!」
 今度は反対の手を置いた。
 「出来るやん! えらいな〜」
 (チェリー様: 私を誰やと思ってるねん。チェリー様やぞ〜 はよ〜おやつくれ!)
 わかった。わかった。
 「よし! おやつ」
 チェリーがくわえようとしたときに、すっと引いてみた。
 すると、チェリー
 「う〜〜 ワンワン」
 (チェリー様: こら〜っ! チェリー様をからかうとは、いい度胸してるな〜)
 気にせず、もう一度
 「チェリー、おやつ」
 チェリーがくわえようとしたときに、すっと引く。
 すると、チェリーが私の手を噛んだ。
 「痛っ!」
 (チェリー様: ハッハッハッ、チェリー様をからかうと、こうなるのだ。覚えとけ!)
 わかりました。ばんそうこ、ばんそうこ・・・
 「ごめんね。はい! おやつ」
 今度はちゃんとあげた。
 (チェリー様: 初めっから素直にくれ!っちゅうねん)
 今度からはそうします。だから、キズものにしないで〜

 いつしか、チェリーはすぐに私のそばに寄ってくるようになった。
 私が座ると、ひざの上で寝転ぶ。
 私が寝ると、顔をペロペロ。
 (チェリー様: お・や・つ、お・や・つ)
 ねだってただけなのね〜
 ただ、やんちゃにもなってきた。
 壁をガリガリ。
 じゅうたんをガリガリ。
 (チェリー様: こっこ掘れワンワン!)
 さすがにおしおきだ。
 おしりペンペン。
 「キャン!」
 (チェリー様: このおっちゃん、セクハラ〜)
 こらこら、エロおやじ扱いするな! チェリーが悪いやろ!

 それからというもの、
 「チェリー、おいで!」
 と言うと、隠れようとする。
 近づくと、猛スピードで逃げていく。
 (チェリー様: このおっちゃん、はよ捕まえて〜)
 こらこら、犯人扱いするなって。

 しばらく私のそばに寄ってくることはなかった。
 やはり恐ろしいものだ・・・犬であっても(笑


 (さいごに)
 今回はチェリーのお話をお届けしました。
 (チェリー様: いいかげん『様』つけて呼べっちゅうねん)
 はい。チェリー様。
 何なのでしょう。この女王様っぷり。
 私は嫌われたままなのでしょうか・・・
 続きは・・・やはり作者の気分次第です(^▽^;)

 このお話は、実話をもとに制作したものである。