お招きちゃんの続き。 見知らぬ男と知り合ったあーちゃんといーちゃん。 ところが・・・ 早朝にあーちゃんの携帯が鳴る。 あーちゃん 「誰よっ、こんな明け方から。ん?? いーちゃん」 「もしもし、いーちゃん、こんな朝早くどうしたの?」 いーちゃん 「あーちゃん、あの男の人は?」 あーちゃん 「男の人? だれ?」 いーちゃん 「誰って、電車に『お招きちゃん』忘れて、届けてくれた人よっ」 あーちゃん 「電車? 『お招きちゃん』? 何の話?」 いーちゃん 「何の話って、お礼に食事でもって誘ったのあーちゃんよ!」 あーちゃん 「食事に誘った? 私が?」 いーちゃん 「も〜 とぼけて〜」 「さてはあーちゃん、てるくんという旦那がいながら、抜け駆け?」 あーちゃん 「ちょっと〜、全くいーちゃんの言ってることがわからないんだけど・・・」 いーちゃん 「ん? ん?? ん???」 「私もわかんな〜い」 あーちゃん 「困ったいーちゃんね〜」 「変な夢でも見たんじゃない?」 いーちゃん 「『変な夢』ってどういうことよ!」 あーちゃん 「ごめん、ごめん」 「でも、よく見るじゃない」 「『天才』で有名やと思ったら『天災』で記事に載ってたとか」 「キャラメル食べたら歯が全部くっついて、鏡見て笑ってたとか」 「保母さんになって子供のアイドルのはずが、「開いとる」って笑われたとか」 いーちゃん 「こら〜っ、「開いとる」は現実の話じゃん! やめて〜」 あーちゃん 「あっ、そうやったね、ごめん、ごめん」 いーちゃん 「でも・・・夢やったのかな〜」 あーちゃん 「だって私、そんな話知らないもん」 いーちゃん 「でも〜・・・『お招きちゃん』はあるよ!」 あーちゃん 「そもそも『お招きちゃん』ってなんなのよ」 いーちゃん 「『福を呼ぶ、まんまるお招きちゃん』よっ」 あーちゃん 「ん?? なに?」 いーちゃん 「招き猫よっ」 あーちゃん 「あ〜、あのピンクのかわいい招き猫ね」 いーちゃん 「そうそう、やっぱり夢じゃないじゃん!」 あーちゃん 「あれ、去年買ったやつじゃない」 「あっ、思い出した! まだお金貸したままよっ」 いーちゃん 「そうよ、一緒にお会計してくれたじゃない」 あーちゃん 「そうよって、ちゃんと返してね」 いーちゃん 「返すって。じゃなくて・・・」 「あ〜、も〜、わかんない」 あーちゃん 「何がわかんないのよ〜」 いーちゃん 「ほんとに夢だったのかな〜」 そう、見知らぬ男の話は全ていーちゃんの夢の中の出来事であった。 ところが数日後。 いーちゃん 「お待たせ〜」 あーちゃん 「相変わらず遅刻よ!」 いーちゃん 「ごめん、ごめん」 「それと、お招きちゃんのお金。はいっ」 あーちゃん 「おっ、いーちゃん、えらい、えらい」 いーちゃん 「も〜、子供じゃないんだから・・・」 あーちゃん 「大人は1年も借りたままにしないよ! わかった?」 いーちゃん 「は〜い、センセー」 あーちゃん 「いいかげん、それやめてくれる」 いーちゃん 「は〜い、マダム」 あーちゃん 「やっぱ、センセーでいいや」 いーちゃん 「?????」 あーちゃん 「どうしたの?」 いーちゃん 「おっかしいな〜。たしかにこれ夢に出てきたんだけど・・・」 あーちゃん 「ちょっと〜、やめてくれない? 私を巻き込むのは」 いーちゃん 「ごめん、ごめん」 「でも・・・不思議なのよね〜」 あーちゃん 「いーちゃん、行くよ!」 いーちゃん 「あ〜、待って〜」 「痛っ」 当った通行人「どこ見てんだ! 気をつけろ!」 親切な通行人「大丈夫ですか?」 あーちゃん 「いーちゃん、大丈夫?」 いーちゃん 「うん! 大丈夫・・・痛っ」 親切な通行人「ちょっと見せてください」 「ケガしてるじゃないですか?」 いーちゃん 「あ〜、かすり傷、かすり傷」 親切な通行人「私のハンカチで悪いですが、これで傷をふさいでおきますね」 いーちゃん 「いや、そんなの悪いですよ」 親切な通行人「いいから、このまま一度病院で診てもらったほうがいいですよ!」 「ちょっと切れてますから」 いーちゃん 「すみません。ありがとうございます」 親切な通行人「では、私はこれで」 いーちゃん 「あっ、あの〜」 親切な通行人「何か?」 いーちゃん 「よろしければ、連絡先教えてもらっていいですか?」 「ハンカチ必ず返しますので」 親切な通行人「いや、いいですよ」 いーちゃん 「そういうわけには・・・」 親切な通行人「そうですか。わかりました」 親切な通行人『れんくん』は、いーちゃんに連絡先を教えた。 いーちゃんは、行きたくなかったようだが、 あーちゃんに、半ば強引に病院へ連れて行かれた。 いーちゃんのケガは大したことはなかった。 いーちゃん 「そうだ、メール、メール」 『れんさんへ』 『いーちゃんです。先ほどはありがとうございました』 『病院へ行きましたが、大したことはないということでした』 『借りたハンカチは、いずれきちんとお返しします』 『本当にありがとうございました!』 あーちゃん 「なに? なに? 早速ラブレター書いてるの?」 いーちゃん 「も〜、そんなんじゃないって」 あーちゃん 「いーちゃん、赤いよ!」 いーちゃん 「だから、そんなんじゃないって〜」 あーちゃん 「いやいや、手にさっきの血がついてるって」 いーちゃん 「だから〜・・・ハハハ、やだ、も〜、私ったら」 あーちゃん 「いーちゃん、わかりやす〜」 いーちゃん 「も〜、からかわないで!」 あーちゃん 「わかった、わかった」 いーちゃん 「それより、今日はごめんね」 あーちゃん 「いいのよ! また今度行こう!」 いーちゃん 「うん! 今度は私がおごるから」 あーちゃん 「また大雪降らせるの?」 いーちゃん 「ひっど〜」 「あのときは、たまたまそういう天気になっただけでしょ」 あーちゃん 「いや、40年ぶりの大雪だったのよ」 「だから、やめてねっ!」 いーちゃん 「もうあーちゃんには、な〜んもあげないっ!」 あーちゃん 「よしっ! 大雪は回避ね」 「なんか帰りに買って、うちで食べよっか」 いーちゃん 「あーちゃんっちなんか、行っかな〜い」 あーちゃん 「ごめんって」 「いーちゃんの好きな和風ハンバーグ作ってあげるから」 いーちゃん 「ほんと? 行くワン」 あーちゃん 「犬っていうより、タヌキになってきたね」 いーちゃん 「?????」 あーちゃん 「どうしたの?」 いーちゃん 「おっかしいな〜。これも夢に出てきたような・・・」 あーちゃん 「気のせいでしょ」 「おなかすいたし、早く帰ろっ」 いーちゃん 「うん」 その夜、れんくんからメールが来た。 『いーちゃんへ』 『メールありがとうございました』 『大したことがなくて、ほんとよかったですね』 『ハンカチは、気になさらず、処分してくださっていいですよ!』 『では、また』 いーちゃんは思った。 「ん?? 『では、また』?」 「『また』?」 これって・・・ (さいごに) この先は、みなさんのご想像におまかせします。 「ずるい〜」 って言わない、言わない(笑 でも、今度は『お招きちゃん』の効力が発揮されたようですね。 お金を返して、ようやくってとこでしょうか。 今回も、名前にお気づきでしょうか? そう、『れんあい』 始まるといいですね! この物語はフィクションである。 |
