とある会社の外にある自販機。 本当はしゃべりたくてしかたないが、上の命令で封印されている。 いつものように『おっちゃん』がワシの前に立ち、 いつものようにお金を入れて買い、 いつものように『キメゼリフ』を言ったときである。 おっちゃん「釣りはいらねえぜ、取っときな!」 自販機 「おっちゃん、毎度!」 「おっちゃんだけや、ワシにしゃべってくれるの」 おっちゃん「お〜、しゃべりよったぞ!」 自販機 「そやねん。ほんまはしゃべれるねん」 「そやけど、上のもんが『しゃべるな』言いよるし・・・」 おっちゃん「おまえも辛い立場なんや。わしもや」 自販機 「そんな風には見えんかったけど・・・」 おっちゃん「そやなかったら、自販機にしゃべるわけないやろ」 自販機 「ま、まあな・・・」 「そやけどおっちゃん、一回も釣り渡すだけ入れてくれへんやん」 おっちゃん「そう言うな、仕事減って給料も下がっとるんや」 「自販機にぐらい、ええカッコしたい思てな」 「まさか、しゃべるとは思わんやろ」 自販機 「そりゃすまん。おわびに『当たり』引かしたるわ」 おっちゃん「ほんまか、すまんな〜、気ぃつかわして」 自販機 「ええって、ええって、わしとおっちゃんの仲や」 「美人のおねえちゃんばっかり当てさせとったら、怪しまれるしな」 おっちゃん「なんや〜、しっかりしとるの〜」 「じゃあ遠慮なく」(ポチッ) 「釣りはいらねえぜ、取っときな!」 自販機 「そのセリフだけは言わな気が済まんのかいな」 おっちゃん「すまん、押すと出てしまうんや」 自販機 「まあええわ、おっちゃん毎度!」 おっちゃん「また来るわ」 (さいごに) この短編は、ある同級生の一言から作成した、ごくごく一部は実話です。 |
