ツーの続き〜
 チェリーとすっかり仲良くなった私。

 「チェリー、散歩行こっかぁ」
 「ワン!」
 (チェリー様: お散歩、お散歩)
 夜が苦手なチェリーは、散歩は昼間のみ。
 私が散歩に連れて行くのは、いつも休日であった。
 「クンクン、クンクン」
 チェリーがピタッと止まる。
 止まったかと思うと、なにやゴソゴソ。
 (チェリー様: こっこ掘れ、ワン、ワン)
 「おっ! 埋蔵金でも出るのか?」
 出たら出たでビックリだが、出るわけがない。
 普段ならちょっと掘ったら直ぐ止めるが・・・
 (チェリー様: こっこ掘れ、ワン、ワン)
 「チェリー、マジで何か見つけたんか?」
 なかなか止めない。
 と、掘り方が少し変わった。
 「ん? 出るのか? 埋蔵金」
 (チェリー様: 見っけ、見っけ)
 マジ?? うそやろ〜
 出てきたのは・・・案の定、サラミが少し残った袋。
 ちょっと期待したが・・・
 チェリーがその袋に口を近づける。
 「チェリー、ダメ!」
 (チェリー様: 何で? 何で? もったいないやん)
 確かに捨てた人は、もったいないことをしてる。
 「チェリー、帰ったらおやつあげるから」
 そう言うと、今度は走り出す。
 最近私の言うことを素直に聞いてるように見えるが、
 ほんとにわかってるのだろうか・・・

 たまにボールを投げて遊んでた。
 ボールを投げると、チェリーはボールのほうへ走り、
 くわえて持ってくる。
 これは、全く教えてないが、どうやら楽しいようである。
 (チェリー様: ダイエット、ダイエット)
 なるほど! 私は単なる協力者なのね〜
 まっ、私も楽しいからいいっか!
 でも・・・ちょっといたずら。(悪いやつ〜)
 ボールを投げたフリをして隠す。
 チェリーは投げたと思って走っていく。
 走っていって、ウロウロ探す。
 「チェリー」
 と呼んで、ボールを見せる。
 (チェリー様: おっちゃん、モテんやろ〜)
 どうやら、そういういたずらはお気に召さないようだ。
 人間にも当てはまる。
 よって・・・なるほど! 反省。
 「チェリー、ごめんごめん。はい! ボール」
 チェリーが近づいてきてくわえると、
 向こうへ走っていって地面に置いたまま待ってる。
 戻ってこない。
 (チェリー様: おっちゃん、はよおいで〜)
 私が走っていくと、チェリーのやつ・・・
 ボールをくわえて、走っていく。
 そして、地面に置いたまま待ってる。
 (チェリー様: おっちゃん、はよおいでって〜)
 くそ〜っ! チェリーに遊ばれだした・・・
 こうなりゃ、我慢くらべだ!
 私は座って待ってる。
 すると、チェリーも座った。
 なんて奴だ! くっそ〜・・・
 (チェリー様: ハッハッハ、おっちゃんには負けへんで〜)
 こうなると・・・これしかない!
 「チェリー、お水飲もっか」
 チェリーが慌てて走ってきた。ボールを置いたままで。
 「チェリー、ボール」
 もう、それどころではないようだ。
 (チェリー様: お・み・ず、お・み・ず、おっちゃん、ボール持ってきて〜)
 くっそ〜
 しかたなく、ボールを取りに行く。
 また逆転しそうだ・・・

 1年ちょっとは、あっという間である。
 そう、チェリーとのお別れ。
 チェリーの本当の主のもとへ帰る日が来た。
 「チェリー、もうちょっとしたらお別れやな」
 「ワン、ワン」
 わかってるのか、わかってないのか、いつもの調子である。
 私がチェリーの前に座ると、チェリーはひざの上で寝だした。
 気持ちよさそうに寝ている。
 私はチェリーの頭を優しく撫でながら・・・
 そうこうしてると、チャイムが鳴った。
 「ワン、ワン、ワン」
 チェリーが勢いよく玄関に走っていった。
 チェリーの主がお迎えに来た。
 やっぱり離れていても、主は覚えてるんだなぁ。
 私はチェリーの使ってたものを車へ運んだ。
 運び終わると、チェリーも車へ・・・
 「チェリー、バイバイ」
 「ワン、ワン」
 いつものチェリーのまま、車は去っていった。

 チェリーのいない家は、ほんと静か過ぎた。

 今でも、たまに思う。
 『チェリー、どうしてるかなぁ。元気にしてるかなぁ』
 あのお別れ以来、チェリーには会ってない。
 決して近いわけではないが、会おうと思えば、会えない距離ではない。
 でも会いに行っていない。
 やはりその後の寂しさが辛いので・・・


 (さいごに)
 チェリーのお話、3話にわたってお届けしました。
 いかがでしたでしょうか?
 やはり情がわくと、ペットではなく家族なんですよね。
 1年ちょっとの家族でしたが、
 ほんと、楽しくもあり、癒された1年ちょっとでした。

 ちなみに今回はちょっとタイトルに細工が・・・
 なぜ3話に分けたかって?
 『だ!』じゃないだろ『だ〜』だろ、このヤロ〜
 チャウチャウちゃうけど、ちゃうちゃう。
 英語で言ったらマズイだろ、このヤロ〜
 いいんです! 英語で。
 そう! チェリーの可愛らしさには勝てませんでした。
 そしてチェリーに・・・(o^∇^o)

 このお話は、実話をもとに制作したものである。