真夏の夜の二十面相 1999.7.9作 |
乱歩は明治27年三重県で生まれ大正5年早稲田大学卒業後大阪で就職するが長く続かず職を転々とする。大正12年「二銭銅貨」でデビュー。大正13年作家専業を決意。 |
ぼくはこの近くで生まれたので明智六郎をペンネームにしている。 |
大正15年(昭和元年)乱歩は家族とともに東京へ転居し、連載小説を開始。昭和11年初の児童小説「怪人二十面相」連載。 |
別れたきり映子は壮一と会うこともなく、やがて顔は忘れたが・・・・・・。微熱を帯びた指の感触は肌の記憶に残り続けた。届けられた愛蔵本には壮一の指紋が生きた証のように点在していた。 |
本に埋もれて二晩眠り、三日目に本棚に収めた。 |
28頁
この作品は2000年1月20日発売の『幻燈』2号に発表しました。