電池切れに注意!




友人から頂いたデジカメです。
数年前の最新機種で330万画素。
現在でも十分な解像度を持っています。
ところが、バッテリーを充電する毎に時刻を合わせる旨のメッセージが出て、時計が2003年1月1日に戻ってしまいます。

通常デジカメと言えば、充電可能なリチウムイオンバッテリーやニッケル水素といった二次電池や、使い捨てのアルカリ乾電池、ニッケル乾電池、オキシライド乾電池等があります。

その他にも電池が隠されているのをご存じですか?

パソコン同様、電源の他に、時計や設定データー保存用にバックアップバッテリーが搭載されています。
(とはいえ、最近のパソコンは、設定などのデーターはフラッシュメモリに記録され、時計ぐらいしか動かしていませんが・・・)
通常の使用では、メインのバッテリーで駆動されているので、この電池は消耗しませんが、長期間使用されずに放置されたものではこの電池が消耗し、時計や設定といったものが電池交換毎に消えてしまうことになります。
簡単に言えば、毎回、時計を合わさないといけないことになるのです。
通常の使用では、この電池はカメラと同等の寿命になるよう設計されているので交換せずに済みますが、長年使用していないデジカメはこの電池が消耗してしまいます。
もう使わなくなったとしても、半年に一度ぐらいは電源を入れて、何か撮影するだけでもカメラは長持ちします。
とはいえ、今のでデジカメの進化速度を見ていると、そんな事をして長持ちさせる価値はないように思えますが・・・。

なお、この電池は基本的には交換できるようにはできていません。
交換時はお近くのサービス窓口または、販売店へ
多少お金はかかりますが、クリーニングされて綺麗になってかえってきますよ。

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これより下は、あくまでも一例です。
こういう事をすると、メーカーの保証や修理がうけられないどころか、デジカメが故障したり最悪の場合爆発することも想定されます。
くれぐれも真似をしないように。

修理をに出すのが当たり前ですが、ここは一つ自分で修理してみようかと。


とりあえず、ふたを開けてみました。
現在のデジカメと違い、まだまだ内部に隙間があり、こういった修理が可能なタイプです。
開き方等は詳しくは書きません。
こんなもんなんだな〜とか、フーンといった程度で辞めておいてください。


ありました。
これがバックアップ用の電池です。
この電池のおかげで、メインバッテリーを外した後でも時計が狂ったりしないのです。


端子が溶接されており、交換不能なとこが伺われます。
この電池は端子付きの電池で、同じものが入手出来れば、ハンダ付けだけで交換可能です。
電池はSIIのMS621Fという、マンガンシリコン・リチウム二次電池です。
公称電圧は3v、容量は5.5mAhです。
本来は、メインバッテリーから充電されて、時計を駆動するのですが、長期間放電しっぱなしで放置されているため、容量が回復しなくなっていました。
とはいえ、こんな特殊な電池は簡単には入手できません。


みかけは、腕時計用のSR621と似ていますが、全くの別物です別物です。SRシリーズは酸化銀電池で公称電圧が1.55V。 このマンガンシリコン・リチウム電池は、公称電圧が3vあります。
さてどうしようか・・・。


入手可能な最も小さな電池、CR-1025を購入しました。
これはリチウム電池で、充電は出来ません
また、端子付きは通常:一般の店では販売していません。
端子がないので、リード線をハンダ付けしました。
電池は両面テープで直接ICの上に張り付けてあります。

電池類、一次、二次とを問わず、直接ハンダ付けをしてはいけません!!
電池類は化学反応で電気を起こしているため、ハンダ付けの熱により内部で材質が変化してしまう可能性があります。
特に、リチウム電池は爆発の危険性のある危険な電池です。
くれぐれも、ハンダ付けをしないようにしてください。(通常の使用では爆発する危険性はありません)

今回使用したリチウム電池の場合、ハンダ付けの熱により陰極と陽極を分離しているセパレーターが溶解し、端子間がショートしてしまいます。
逆をいえば、セパレーターを溶解しないようにハンダ付けすればいいんてすけど・・・


ここの隙間に電池が入るスペースがありました。
上手い具合に空間もあり、なんとか蓋を閉じることが出来ました。
後で思えば、ダイオードを一つつけておき、リチウム電池が充電されないようにしておくべきでした。
MS621Fの標準充電電圧は3.1v、リチウム電池の無負荷では3.2v程度あるので、逆充電は起きないと思いますが・・・。

電池交換してからはや3年。
現在もちゃんと動いています。幸か不幸か、いまだ発火もしていません(笑)

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