ミランダ
幾つもの変わった地形を持っている衛星で、1948年ジェラルド・カイパー(1905〜1973)により発見された。直径480kmのミランダには、クレーターのある起伏の多い地域、競馬場に似た楕円形の崖、重ねたトランプを縦にしたような断層密集地域、深い溝と曲がった断層のあるV字形地域、長さ125kmの衝突クレーター、深さ10kmのグランド・キャニオンよりも深い峡谷など、多種多様な地形が目白押しに並んでいる。
これ等の多様な地形は、探査機ボイジャー2号がミランダから僅か300kmの距離で撮った画像により明らかにされた。このような地形の多様性は、ミランダ独自の地質活動によって生じたものではなく、かつての大衝突で幾つかの部分に分れたものが、再び結合した結果であると考えられている。ミランダの直径は480kmで、天王星からの平均距離は、13万1000kmである。
アリエル
1851年、ウイリアム・ラッセル(1799〜1880)により発見された。五大衛星の一つである。直径は1160kmである。ボイジャー2号が撮った画像により、その表面は多くのクレーターに覆われ、深く刻み込まれた地表、曲がりくねった谷、ギザギザの峡谷そして氷河により削り取られた傷跡のような地形が横切っていることが明らかになった。これ等の地形から、過去に相当大きな地質活動があったことが考えられている。天王星からの平均距離は、19万3000kmである。
ウンブリエル
アリエルと同じく、1851年にウィリアム・ラッセルにより発見された。五大衛星の中では、際立って暗い衛星である。探査機ボイジャー2号の画像によると、この表面の暗さは、比較的暗い物質に覆われているためのようである。しかし、クレーターで覆われた大変明るい地域もあり、他の地表と著しいコントラストをなしている。直径は1170kmとアリエルよりもやや大きい。天王星からの平均距離は、25万8400kmである。
チタニア
直径1580kmの天王星最大の衛星で、1787年ウィリアム・ハーシェル(1738〜1832)により発見された。ボイジャー2号が接近通過した時に撮った画像では、ティタニアの表面には分布密度は低いものの、たくさんのクレーターが存在することが分かった。これは過去の地質活動により、地表が変化したことを物語っている。また、地表は多くの谷や裂け目により傷つけられていることもわかった。これ等の亀裂には、クレーターを半分に仕切ってしまっているものもある。亀裂はおそらく霜と思われる物質で縁取られているが、これは地表の割れ目から何らかの物質が染み出て、凍りついたものと思われる。天王星からの平均距離は、43万9600kmである。
オベロン
直径1520kmの衛星で、天王星の最も外側をまわっている。1787年ウィリアム・ハーシェルにより発見された。多くのクレーターに覆われている表面には、高さ5kmの山が聳えている。オベロンの表面には、暗い物質でできた地域もあるが、大部分は明るい物質でできた白い斑点や筋で覆われている。天王星からの平均距離は、58万8000kmある。
|