トリトン
直径2700kmの海王星最大の衛星である。1846年、ウイリアム・ラッセル(1799〜1880)により発見された。海王星発見のわずか17日後のことであった。トリトンは5.9日で母惑星をまわっており、その自転方向とは逆向きにまわる太陽系唯一の巨大衛星である。また、海王星の赤道面から23度も傾く珍しい軌道面を持っている。これ等のことから、トリトンは海王星にとらえられた天体であると考えられるようになった。
1998年8月25日、探査機ボイジャー2号がトリトンから4000kmまで接近して観測した結果、先ず従来3500kmと考えらていた直径は、2700kmであることがわかった。表面の温度は38K(ケルビン:1K=−273.16℃)で、太陽系の中で最も冷たい天体であることもわかった。
マントルの下に、衛星の質量の2/3を占める岩石の固い核が存在する。また、メタンを僅かに含む薄い大気がある。トリトンの赤道付近にはプリューム噴火を含む複雑な火山活動が進行中であることを示す地表を示していることから、トリトンの表面は天文学的には若いと考えられている。トリトンには、ちょうどカンタロープ・メロンの皮に似た表面が広がっている。
海王星からの平均距離は、35万400kmである。
プロテウス
直径200kmの小さくて表面の暗い海王星の天体である。非常に暗いため、受け取る太陽光のわずか6%を反射するに過ぎない。クレーターが非常に多いのは、太古の時代に微惑星による絨毯爆撃を繰返し受けたためと考えられている。
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