マーズ・ローバー・ミッション

打ち上げ機関 NASA
打ち上げ時期 1号機 (スピリット)            2003年6月10日
2号機 (オッポチュニティ)   2003年7月8日
目的
 
2003年に計画されているNASAの火星探査は、2台の同じタイプのローバーによるミッションに決まった。正式にはMRE(Mars Rover Exploration Mission)と呼ばれる。
 このミッションの最大の目的は、火星の異なる2箇所(未定)にローバーを着陸させて地表下に存在している可能性がある液体の水を探索することである。
 この他、着陸地周囲のパノラマ画像や地形の撮影、地表や岩石の組成調査などを行い、1997年に活躍したマーズ・パスファインダー・ミッションのローバーの探査を補完する。
 ローバーは高さ150cm、幅248cmとゴルフカートの車台並みの大きさである。重量10.5kg、長さ63センチ、幅48センチのソジャーナーに比べると非常に大型のローバーである。
 搭載科学機器は、パノラマ画像撮影カメラ(Pancam)、岩石の表面を削り取る擦過器(RAT)、水の探索や土壌の組成を分析する小型の熱赤外線分光器(MiniTES)、超小型のモスバウアー分光器(Mossbauer)及びアルファプロトンX線カメラ(APXS)が搭載される。


ミッション
 デルタII型ロケットに搭載された最初のローバーは2003年5月22日に、次のローバーは同年6月4日に打上げられる。
 7ヵ月半に及ぶ飛行後の2004年1月2日と1月20日、ローバーは火星の地表に硬着陸する。着陸方法は、パスファインダーと同じくエアバッグ方式が採用される。但し、前回のようにランダーに搭載する方法ではなく、ローバーのみの単独着陸となる。
 ローバーは、1火星日(地球時間で約24時間37分)当たり100平方メートルの地域を探査する。これは、1997年にソジャーナーが探索した全地域に相当する。探査は少なくとも90日間、2004年4月後半まで続けられる予定である。