ジェネシス・ミッション:
太陽風のサンプル採取計画
打ち上げ機関
打ち上げ時期
NASA
2001年8月9日

目的
 太陽風のサンプルを採取し、地球に持ち帰って詳しく分析する。このミッションの科学的意義は、
  1) 太陽の元素と同位元素の存在比を正確に測定できること
  2) 今後数世紀にわたる科学分析のための太陽のサンプルの量を確保できるので、太陽系の形成と進化および原始太陽星雲の組成に関する論理の検証が可能になることである。


ミッション
 探査機ジェネシスは、デルタ326ロケットに搭載されて打ち上げられれた。宇宙開発史上初めて太陽のサンプルを回収するミッションである。打上げから64分後、探査機はロケットから切り離され、ソーラー・パネルを展開した。

 打上げられてから1ヶ月後、探査機は地球から0.01AU(1AU=約1.5億km)離れた太陽と地球の重力バランスが安定しているラグランジュ1点(L1)に到着し、周囲の太陽風が噴き出すハローの軌道を周回し始める。この時点で、探査機の頭部を覆っているふたが外れ、円形の採取盤が現れて太陽風に晒される。採取盤は高純度のシリコンなどの素材でできており、太陽風のイオン粒子を吸い取るように採取する。

 ジェネシス・ミッションは3年間続けられ、10〜20マイクログラム(1マイクログラム=10‐6グラム)のサンプルを採取する。サンプルは、いくつかの異なるハロー領域で採取される。採取されたサンプルは、汚染を防ぐため圧縮されてサンプル回収容器に蓄えられる。

 2004年9月、サンプル回収カプセルは地球軌道に投入され、パラシュートを展開して下降する。回収容器は、ネバタ州の空軍基地の上空で、特別訓練を受けた回収スタッフにより捕獲される。上空の天候が悪い場合は、地球の大気軌道で時期を待つ事ができる。回収されたサンプル容器は、テキサス州ヒ
ーストンのジョンソン宇宙センターに運ばれ、今後数世紀にわたる分析に供される。