2001マーズ・オデッセイ・
 ミッション
打ち上げ機関
打ち上げ時期
NASA
2001年4月7日

目的  
 2001年7月に策定されたNASAの火星探査計画に基づく最初のミッションである。従来のマーズ・サーベイヤー2001・オービター・ミッションが変更された名前である。2001・マーズ・オデッセイ・ミッションは、現在周回中の探査機マーズ・グローバル・サーベイヤーのミッションと同じく、軌道を周回しながら探査を行なうオービター・ミッションである。同時に、1999年に立て続けに発生した火星探査機――マーズ・クライメート・オービター(9月)とマーズ・ポーラー・ランダー(12月)――の失踪により、NASAが受けたダメージを払拭するために重要な意味を持つミッションでもある。

 このミッションの最大の目的は、2000年6月に発見された火星の湧出水が流れた跡と考えられるガリー地形の発見により俄かに注目が高まった火星に水が存在する証拠を発見することである。このために、地表の鉱物や浅い地層にある水素を探査する高性能のガンマ線分光計(GRS)や熱放射撮像カメラ(THEMIS)が搭載される。更に21世紀に実現するであろうと考えられている有人探査の予備探査として、火星の放射線環境を詳細に調査することも計画されている。このための科学機器として、火星放射線環境測定器(MARIE)が搭載される。

ミッション
 2001年4月7日、探査機マーズ・オデッセイはデルタIIロケットに搭載されて、フロリダのケネディ宇宙センターから打上げられた。約6ヵ月後の10月24日、火星の軌道に到着する予定である。軌道到着後は、火星大気の抵抗力を利用するエアロブレーキング操作により、50x100キロの楕円軌道を描きながら13分間降下する。

 その後軌道を2回修正して、2002年1月には400x400キロの円軌道に移り、この軌道を7周しながら、本格的なミッションに備えて探査機のシステムや軌道の微調整を行なう。最終的には、火星を2時間で一周して科学探査を行なう。科学ミッションの期間は約2年間の予定である。

 科学ミッションを終えると、2003年に予定されている火星の表面に2台の大型ローバーを着陸させるローバー・ミッションや、その他のミッションへの中継基地としての役割を与えられ、2005年まで活動を続ける予定である。