『死の定義』
俺の名を呼ぶ友の声は遙か向こうに消え、気付いた時には何も見えなくなっていた。
これが死と言うものだろうか?
体いっぱいに広がっていた魂が体の中心へと縮んでいくような・・・。
体の機能が止まった時、人間としての死が訪れる。
やがて誰も死者の事など思い出さなくなる。
かつて、人類の歴史を左右するような偉業を成した者たちは今でもその息吹を感じられる気がする。
昔、『存在するということは誰かに知覚される事だ』と言った哲学者がいた。
かつての偉人たちは過去に逝きながら、今も生きているのだ。
では、今を生きながら誰からも知覚される事もなくただ在るだけの私は死んでいるのと同じなのだろう。
そう、私は人として死んでいるのだ。