『最後の夏』
「頼むぞ! キャプテン!!!」
そんな仲間の声援に後押しされるように俺はグランドに立っていた。
9回裏ツーアウトランナー一塁。
1対0で迎えた最後の試合の最終回。
ノーヒットノーランがかかったラストバッター。
「いくぞ!」
自分に気合を入れ奮いたたせる。
優勝、仲間たちの思い、高校三年間の全ての思いを背負い、大記録達成への最後の一投が放たれる。
カキーン!!!
金属のバットと金属のボールがぶつかる鈍い音がする。
白球は空高く、高く、飛んでいく。
球場は大歓声に包まれる。
外野手がボールをつかみゲームセット。
全力でマウンドに集まるナイン。
その後、俺の名は球界史に名を残すこととなる。
ノーヒットノーランをされた最後のバッターとして。