『復讐』



「それじゃあ、死んでくれ」
「ま、待ってくれ、こ、こ、殺さないでくれ」
俺は今、父に銃口を向けて立っている。
といっても義理の父親で俺の実父を殺した男だ。

(ならなぜためらう?)

そう、ためらうことなどない。
引き金を引くだけで全てが済む。
こいつを殺せば復讐は終わる。

「違う! あれは事故だったんだ」
「そんな事を信じろと?」
「だから、せめてもの罪滅ぼしにお前を引き取って育ててやったんだ」
「なら、なぜ自首しなかった?」
「・・・」

(終わらせてしまえ)

俺だって、親父が死んでから随分経つし、こいつに育ててもらった恩も少しは感じてる。

いや、感じてた。

それも全て終わり。
引き金を引いて終わり。
そして、もう日常には戻れない。
喜びとも悲しみとも言えない涙が頬を伝う。

そして、俺は・・・。