『デンティスト』



「あー、やっぱり虫歯ありますね〜」
「ありますか〜」
いつまでたってもここの雰囲気には慣れないものだ。
どんよりとした空気。

うなりをあげる歯を削るための道具。

キュィィィィン

子供たちの泣き声。

「それじゃあ、虫歯直しますね」
その一言で体が強ばっていくのが目に見えてわかる。

キュイイイイイイイイイイイイイ。

耳元でうなりをあげるこの機械は私をゾクゾクさせる。
背筋に奇妙な旋律が走る。
徐々に口元へと近づくその機械はとても軽やかな動きをしている。
しだいに高揚していく気持ちを抑える。
歯と機械が擦れる瞬間ゾクッとした何かが私の体を駆け巡る。

そう、この瞬間がたまらない。

さぁ、削ってあげるわ、覚悟なさい。

ウフフフフ