「近ごろ観たシネマ採点簿(6)04〜05」
お出かけ日記で綴ったものを採録しました
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『微笑みに出逢う街角』☆☆☆☆
監督:エドアルド・ポンティ
主演:ソフィア・ローレン ミラ・ソルヴィーノ
監督:脚本は1973年スイス、ジュネーヴ生まれ、母はソフィア・ローレン、父はカルロ・ポンティの息子@エドアルド・ポンティ。
戦後イタリアが生んだ大女優としてその地位が揺るぐことのないソフィア・ローレンが輝かしいキャリアの中でも記念すべき100作目を飾ったのは、自分の居場所<アイデンティティ>をテーマに描かれた3人の女性達の“幸せへの物語”『微笑みに出逢う街角』。
フィレンツェへの夢を諦めきれない日曜画家の主婦オリビア。世界デビューを約束された若きフォトグファーのナタリア。国際的チェリストのキャサリン。3人3様の悩みをストーリ中に交錯させながら、ラストで3人が旅立ちのトロント国際空港で偶然に同じテーブルで休憩し、そこでひとりの幼女の仕草に3人がそれぞれの思いをこめて微笑するところで終わるという印象深く見事な幕引き@好きだ〜。オススメの映画です!!
オリビアは夫ジョンとの平和な生活の中に、諦めきれない夢と誰にも言うことが出来ない秘密を抱え、成功を約束されたナタリアは自分の歩むべき道を模索していた。そして、キャサリンは幼い頃の傷を消せずに、夫と娘と向き合えずに毎日を過ごしている。トロントを舞台に、一片ずつのピースが織り成すように重なり合う3人の女性達の物語。決して輝きを失うことのなかったあの頃の微笑みを探して、彼女達は今、自分の幸せの場所を求めて歩みだそうとしている。
3人の女性達を演じるのはソフィア・ローレンと、『魅惑のアフロディーテ』で見事アカデミー助演女優賞を受賞し、以降様々なジャンルの作品で演技が光るミラ・ソルヴィーノ、『クラッシュ』での鮮烈な印象を残す一方で、『彼女達の恋からわかること』で等身大の女性の姿を語ったデボラ・カーラ・アンガー。加えて、オリビア(ソフィア・ローレン)の夢を理解出来ない夫ジョンを演じるピート・ポスルスウェイト(『シッピング・ニュース』)や、オリビアの良き理解者で幼なじみのジョンを演じるジェラール・ドパルデュ(『メルシィ!人生』、ナタリア(ミラ・ソルヴィーノ)の将来に鼻高々の父親を演じるクラウス・マリア・ブランダウアー(『メフィスト』)や、キャサリンの深い心の傷である父親を演じたマルコム・マクダウェル(『バレエ・カンパニー』)など錚々たる個性派名優達が脇を固め、美しい音楽はキェシロフスキ監督の「トリコロール」でスコアを担当したズビグニエフ・プレイスネルが担当している。(公式サイトより)
『ミリオンダラー ベイビー』 ☆☆☆☆
監督 脚本 クリント イーストウッド
主演: ヒラリー スワンク クリント イーストウッド
モーガン フリーマン
前評判も素晴らしいので館内はほぼ満席。エンディングで席を立つ人はなく、みんな立ち上がりにくいほど圧倒された映画だった。前半は『ボーイズ ドント クライ』で難しい性同一性障害で迫害される「男性」を演じたヒラリー スワンクが文句なしのすばらしさでスタントマンなしでボクサーを演じ切っている。貧困から這い出す為、ハングリーに食らいついてわがドリームを実現する人物像はアメリカ映画ではよくある。しかし、その彼女を受け入れることになるボクシングジムのオーナーでありコーチでもあるイーストウッドは娘から拒否されている(手紙を1週間ごとに書き送り許しを乞おうとしているが、毎回リターン)孤独な父で、過去の何かを背負って生きている彼がしっかり絡んでくる二人三脚の後半は実に重いテーマへと展開してゆく。
ネタばれになるので書けないが、結末は辛いが、救いはある。疑似親子愛とも言うべき普遍的な愛は、神をも恐れぬ結末とはなったが、それは許されるだろう。きっと彼女自身がそれを願っていたのだから。
文句いいが多くて、個性的な評者を揃えている某週刊誌の映画評でも、何と5人の評者が全員文句なしの★★★★★だったという映画でもある。「主役2人の意地と孤独がよく描き込まれている」「それぞれの孤独との向き合い方がいい」などなど。クリント イーストウッドにも監督賞だけでなく主演男優賞もあげてほしかった!!実に深みのある男性像を見事に演じていた。
「 Shall We Dance ?」☆☆☆
監督:ピーター チェルソム
主演:リチャード・ギア ジェニファー・ロペス スーザン・サランドン
原作の日本版がTVで放映されていたのを途中からではあったが観た(もちろん、映画館でもみたが)ので、比較しながら観る。日米それぞれどちらもお国柄がよく出ていた。リチャード・ギアがちゃんと日本版@周防監督に敬意を表しているのは当然だ。この原作があったからこそ、アメリカ版もつくれたのだから。
そもそもサラリーマンがダンスを習うこと事態が奇妙なニッポン、それに引き換え、アメリカはダンスが一般的な国、まして制作がハリウッドとくればダンスそのものの楽しさではダントツ米国が勝っていたのは当然だ。『シカゴ』でもすばらしいダンスを見せてくれたギアちゃんは、今回もとてもダンスもうまくチャーミング。特に甘い笑顔は百万ドル!それにラテン系のジェニファー・ロペスの筋肉質のパワーのあるダンスも良かった。品位とか謎めいた感じでは草刈民代も魅力的ではあったが・・・。
明快でクレバーな妻スーザン・サランドンが日本版の妻よりだんぜん良かった@アメリカ版を支持する!どこかおずおずした感じの専業主婦という日本版の設定はもうちょっと古い。働く妻と言う設定の方が今日の日本においても支持されるかもしれないし。
脇役は日本版の竹中直人と渡辺えり子の方が巧かったし面白かった。
この映画では電車の駅から見えるダンス教室という設定が何よりも重要なのだ。ふとビルを見上げると、窓辺に・・・電車は高架を走る電車ということになる。アメリカ版の舞台はシカゴだった!高層ビルが造形的にもきれいなことで有名なシカゴ。2002年に訪れたので、トップシーンですぐにシカゴだなとわかった。高層ビル間を高架鉄道が走るこの光景はシカゴを舞台にした映画ではお馴染み。乗り物としては興味深く通勤客に混じって一周してみた。
『バンジージャンプする』☆☆☆☆
監督:キム デスン
主演:イ・ビョンホン イ ウンジュ
『甘い人生』で、カンヌの赤い絨毯を踏んでいるイ・ビョンホン。『バンジージャンプ』と『甘い人生』を見てみて、彼の演技の確かさと選ぶ作品テーマを英国俳優、ジェレミー・アイアンズと重ねていた。どちらも破滅型が御得意だし,よく似合う。バンジージャンプは単なる青春恋愛ものだと期待せずにみにいったのだが、なんの転生輪廻と同性愛まで絡む奥が深い佳作で儲け物だった。
韓流と中年女性とセットにして言われることに苦言を呈したいと思ったイ・ビョンホンのうまさが際立つ映画でした。
クールないい感じの相手役、イ ウンジュが05年2月に自殺してしまった。この映画のように神隠しにあったよう。
今や圧倒的な存在感を誇る韓国のトップスター、イ・ビョンホンの主演作『バンジージャンプする』(韓国公開2001年)。映画『JSA』で大成功を収めた直後、40本以上のシナリオの中からイ・ビョンホン自らが選び取り、出演を決めたという本作。自身のフィルモグラフィーの中で1番お気に入りと語っている作品です。
時を隔てても揺るがない、切ない愛の形を描いたこの映画のストーリー(公式サイトより抜粋)『甘い人生』☆☆☆
監督 脚本:キム・ジウン
主演:イ・ビョンホン シン・ミナ
日韓同時公開で話題を呼んでいる『甘い人生』というよりもイ・ビョンホンの映画だから観に行っていた。
何と激しいアクション映画だろう。スタントマンなしでやったという迫真の演技。過剰なほどのアクションだったが、そうしなかったら、この男の悲惨さが描けない世界でもあった。一瞬の選択によって男の人生が180度変えられてしまう、もう取り返しがつかない、もう引き返すことは出来ない。自分でもそうとは思わず、一瞬、「心が揺れた」ためだと言われれば・・・。かれをそこまで追いやったファム・ファタールは「美しき日々」でイ・ビョンホンの妹役をやったシン・ミナ。
館内はいつものよりも年代層が若く、おしゃれで華やいでいた。目立った層は幼稚園、小学生のママたちか、子どもが帰らないうちに観ようという30代層。超満員で1席の余裕もない。彼女たちもこれほど激しい映画だとは思わず、イ・ビョンホンが観たくて来ていたようで、驚きの声が終了後あちこちから聞こえて来た。
『Ray/レイ』☆☆☆☆
監督:テイラー・ハックフォード
出演:ジェイミー・フォックス、ケリー・ワシントン吉永小百合に勝ったのは、ジェレミー・フォックス(笑)。招待券があった『北の零年』よりも、『Ray』を優先させてほんとうによかった。『愛と青春の旅立ち』の監督でもあるテイラー・ハックフォード監督がアカデミー賞会場の赤絨毯を『カレンダー・ガールズ』のヘレン・ミレンと並んで入って来たので気になって調べてみたら、97年に同棲を経て結婚とあった。
大満足!是非、ジョージア州で4年間暮らしたジョージ君の両親にも見て欲しい映画だ。ジョージ君一家との小旅行、ニューオーリンズ・ジャズフェスティバル、そして、アラバマを経てジョージア州アトランタまでの8時間ドライブはいい体験になった。アメリカ映画を見るとき、こういうディープ・サウスを知っているのといないのでは、大違い。
黒人で初めてアカデミー主演女優賞を獲得したハル・ベリーの『チョコレート』も黒人差別が色濃く残るこの地方の物語だった。
今回の『Ray』で印象的だった木からぶら下がっているカラフルなガラス瓶は何を意味するか?私はあの黒人の不世出のジャズ・シンガー、ビリー・ホリディの『奇妙な果実』を連想せずにはいられなかった。代表曲『奇妙な果実』(1939)は、南部で実際に度々起きた白人(特にKKK)による黒人リンチ事件に抗議を込めて歌ったもの。
『奇妙な果実』
南部の木々はとても奇妙な果実をつける
葉から根元まで血に染まり
黒い遺体は南部の風に揺れる
奇妙な果実はポプラの木に吊るされている
美しい南部の田園の中に思いもかけずみられる
腫れあがった目や苦痛にゆがんだ唇
マグノリア(木蓮)の甘い香りは
突然肉が焦げる匂いとなる
ジョージア州が後年、レイに謝罪した「我が心のジョージア/Georgia On My Mind 」にまつわる有名なエピソードも当然、この映画に出て来た。主演のジェレミー・フォックスはデカプリオを押さえてアカデミー主演男優賞を受賞したのもうなずけるすばらしい演技だった。
『Turn over 天使は自転車に乗って』☆☆☆☆
いい映画を見てきました。京都って、いいな〜と思える映画でした。東寺も、祇園も出てこない、京都人が作った映画です。昨年、NHK@東京が作った京都ものドラマとは雲泥の差でした。是非、みなさんも見てください。『Turn over 天使は自転車に乗って』です。いま京都シネマで上映中。(05/03/13現在)
京の町家に長年連れ添って生きるお子さんのないご夫婦の愛のかたち。リアリティのある、いい夫婦像が描かれていました。主演の藤村志保さんがすばらしかった。あんなご婦人が京都にはまだいはりそうな気がします。こういう映画を京都市は活用して市民に見てもらう機会を作るべきだとも思いました。前作の「ザ・ハリウッド」も好きでしたが、今回のこれも好きです。寡黙な、いい仕事をする職人さんの夫を演じていたのは栗塚旭さん。いい味を出しておられました。京都を愛する、京都がわかっているひとが作り、演じるとこういう作品になるんだという市井の京の暮しがちゃんとありました。私にもこういうふつうの京の暮らしがあることが有り難く思える、歴史のある京が愛おしくなる映画でもありました。市田ひろみさん、きたやまおさむさんなども友情出演、ロケ先や町家に見覚えがあるところばかりでうれしいことでした。これからもっと今の京都をロケ地として活用してもらえるように京都市は便宜をはかるべきでしょう。
『父と暮らせば』☆☆☆☆
暮れにオープンした京都シネマで今年最初の映画を見てきた。スクリーンは朝日シネマ時代と同じく小さいとはきいていたが、音響がすばらしかった。元朝日シネマの神谷さんが頑張ってアートシアター系の映画館をと新会社をつくられた。場所は旧京都丸紅の古いビルをリニューアルしたファッションビル「COCON KARASUMA」に入っている。ただ本当に見に行きたい映画は九条東寺に近い「みなみ会館」が多い。ここがとても私には行きにくいところなので、出来るだけ「京都シネマ」に見たい映画が来てくれることを願っている。
ああ、恥ずかしい、京都はやっぱりローカルなんです〜。いまごろ「父と暮らせば」を見に行くんですから。この映画は確かキネ旬で宮沢りえが主演女優賞を受賞しているはず。
宮沢りえが見たくって見に行ったようなものだったので、満足した。婚約解消とスキャンダルを乗り越えて、よくぞここまで来たものだ!!えら〜イよ、りえちゃん。あの関取と結婚しなかった、出来なかったおかげで、こんな素敵な女優さんになれた。そう努力出来た。どうしてあんなピュアな感じの演技ができるのだろうか?あれは宮沢しか表現出来ない世界だと思った。
「恐るべし、宮沢りえ。 この作品で宮沢りえは大女優と呼ぶにふさわしい品格を備えたんじゃないか!ほとんど原田芳雄との二人芝居(宮沢りえが娘、原田芳雄が父の役)といっていい演出で、原田さんには申し訳ないが、もしかして宮沢りえが原田芳雄を食っている!、、、、」とMBSの水野晶子アナが映画評で言っていたことを思い出した。ほんとうに宮沢りえさん、すばらしい演技でした。これからもますます輝くあなたを見に行きますからね。
映画誌「キネマ旬報」は6日、2004年のベスト・テンを発表し、日本映画で「誰も知らない」(是枝裕和監督)、外国映画で「ミスティック・リバー」(クリント・イーストウッド監督)がそれぞれ首位となった。
個人賞は「血と骨」のビートたけし(57、写真右上)が主演男優賞、「父と暮らせば」の宮沢りえ(31)が同女優賞。新人男優賞には、「誰も−」の柳楽優弥(14、写真右下)、同女優賞には「下妻物語」の土屋アンナ(20)がそれぞれ選ばれた。また、「血と骨」、「クイール」で崔洋一氏が監督賞。【日本映画】
(1)誰も知らない(2)血と骨(3)下妻物語(4)父と暮せば(5)隠し剣 鬼の爪(6)理由(7)スウィングガールズ(8)ニワトリはハダシだ(9)チルソクの夏(10)透光の樹
【外国映画】
(1)ミスティック・リバー(2)殺人の追憶(3)父、帰る (4)オアシス(5)ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還
(6)オールド・ボーイ(7)モーターサイクル・ダイアリーズ(8)シービスケット(9)春夏秋冬そして春(10)ビッグ・フィッシュ
『2046』☆☆☆
監督:ウォン・カーウァイ
出演:トニー・レオン、 木村拓哉、フェイ・ウォン、チャン・ツィイー他.
好きなアジアスター、トニー・レオン、コン・リー マギー・チャンが勢揃いとくれば見逃すわけにはいかない。カンヌ映画祭にフィルム到着が遅れ、未完成の出品だったこともあり、それにキムタクが出演しているのもなんだし・・・
結果は、○!『花様年華』がお好きな方だったら楽しめます。上記のお3人はさすが、すばらしい演技と容姿。それにフェイ・ウォンって『恋する惑星』の頃からちっとも年を取ってないみたい。確か子供もいるはずなのにと誰かが書いていたがあの透明感は秀逸です。彼女のアンドロイドはみもの。
本作ではマギー・チャンにかわって新星、チャン・ツィイーがとっかえひっかえ60年代の香港チャイナドレスをお披露してくれてます。チャン・ツィイーって、日本の女優さんの誰かに似ている。彼女は確か、ハリウッドが制作をするUSAでベストセラーとなった『さゆり』の映画化で主演するんじゃなかったかしら?ハリウッドとしたら、日本の女優では誰が演じても知名度がないから、割りに小柄で日本人的な容貌のチャン・ツィイーにしたのかもしれない。
ところで、本作では日本人男優、といってもTV界のヒーロー・木村拓哉が出ているのだが、やっぱり人気先行の感は否めず、苦戦を強いられていた。セリフに味がないし、棒読み!主役のトニー・レオンと外見を似せた日本人ビジネスマン役なのだが、ポマード髪が全然似合わず、表現力も乏しい。TVなら許される演技でも、国際的香港スターを配したウォン・カーウァイ監督ワールドではちょと辛いモノがある。TV世界だけでは勝負にはならないことがわかっただろうから、今回の経験を活かして大きく成長して欲しいものだ。センスはよさそうなひとだから。
前作の「花様年華」=主人公カップル トニー・レオン&マギー・チャンの色気と演技力、美しいチャイナドレスやスーツ、けだるい音楽などを思い起こさせる場面もたっぷりあり、ラストのあの大木のエピソードが本作でも使われていて、若者の恋=『恋する惑星』、そして、『花様年華』、この3作はどこかで繋がっている。
本作のストーリーはといえば、60年代の香港、作家を演じるトニー・レオンの女性遍歴記なのだが、ストーリー云々よりも雰囲気を楽しむ映画なのだ。恋は「タイミング」、「あきらめ」、そして、「せつなさ」、これらを雰囲気で堪能させるところがウォン・カーウァイの世界。登場人物は必ずしも若者ばかりではないが、全員をきっちり根無し草にしたおかげで、みごとにカーウァイ・ワールドとなっている。
『誰も知らない』☆☆☆☆
二女のblogを覗いたら何ともう既に一緒に見た映画について書いているではないか!彼女はいま産休臨月で暇しているから出来るのね。こちらは後追いになってしまっている。とりあえず彼女のを引用させてもらっておこう@流用。見て本当によかった。絶対にお薦めです!!
時間にゆとりのある生活をフル活用で、映画レディースDAYを利用し、久々に母とSHOPPING&映画に出かけた。映画は、カンヌ映画祭で主演男優賞を受賞した『誰も知らない』。内容は、父親の違う4人兄妹の母子家庭の話で、「好きな人が出来た」と母親が姿を消し、4人だけの生活をドキュメンタリータッチで画かれた映画。親に捨てられ、学校にも通ったことのない子供達が母親が戻って来ることを信じて協力しあって生きている。その子供達の演技とは思えない自然な表情、特に賞を取った柳楽くんの目が印象的だった。本当なら、憎むべき母親なのだがYOUの独特の雰囲気でなぜか憎めないのがキャスティングのうまさかな〜。最初と最後に出てくるトランクが切なくなります。誰も知らない世界で、直向きに生きている子供達を見てあげてください。(二女のblogから引用)
いきなり来日したビル・マーレイが東京の夜景を車中からぼーっと見ているところからはじまる。日本人の私たちが夜間にケネーディー空港に着きマンハッタンへの車中でもこれと同じような体験をするのと同じことをこの映画の主人公は感じているはずだ。日本語のネオンサインと猥雑な都市の光景が彼の心象をよく捉えている。
低予算でこんな感性のいい映画をつくった新星、ソフィア・コッポラ監督。女の子なら一度はこういう思いをしたことがありそうなストーリーを若い女性監督自身が描いて見せてくれている。シンプルなストーリーだが、それはあまり重要でない。日本人スタッフとハリウッドのよきコラボレーション映画。思い出にのこる日本を舞台にした映画のひとつとなりそう。
監督・脚本:ソフィア・コッポラ
出演:ビル・マーレイ/スカーレット・ヨハンソン/ジョバンニ・リビシ/アンナ・ファリス
製作:ロス・カッツ/ソフィア・コッポラ
撮影:ランス・アコード
美術:アン・ロス/K・K・バーレット
音楽:ブライアン・レイチェル
衣装:ナンシー・スタイナー
配給:東北新社
2003年/アメリカ/102分/ビスタサイズ/SRD
ストーリー
ハリウッド・スターのボブ・ハリス(ビル・マーレイ)は、ウィスキーのコマーシャルの撮影のため来日した。滞在先の東京のホテルへと一人向かうリムジンから見える風景には、原色のネオンが所狭しと瞬いている。ホテルに到着し、日本人スタッフから歓待を受けた彼は嬉しさを感じる一方で、慣れない国にいる不安感も覚え始めていた。部屋に入りほっとしたのも束の間、手元に届けられたのは妻からのファクシミリ。息子の誕生日の不在を責める内容に、しだいに気持ちが沈んでいく。時差ボケも重なり、ボブは眠れない夜を過ごしていた。
同じホテルにフォトグラファーの夫(ジョバンニ・リビシ)の仕事に同行してきた若妻のシャーロット(スカーレット・ヨハンスン)が滞在していた。仕事に追われる一方の夫となかなか一緒にいることができない彼女は、言い知れぬ孤独と不安にさいなまれていた。仕事に疲れぐっすりと眠る夫の隣りで、シャーロットもまた眠れない夜を過しているのだった。
翌朝、エレベーターに乗りあわせたシャーロットと視線を交わしたボブは、彼女のさりげない笑顔に心が救われる想いを感じる。記者会見 (公式サイトより)
ソフィア・コッポラ:初めてこのパークハイアットに泊まった時、私は大変感銘を受けました。すごいホテルだなあと感心したわけです。それ以来、仕事で日本に来る度にこのハイアットに滞在しています。東京はすごい喧騒で、新宿などもすごくごちゃごちゃしているにもかかわらず、このホテルに一歩踏み込むと、まさに空中に浮かんでいる島のような感じでとても静かで美しい。その対比が面白いと感じていました。そして、今回この映画には、私自身が東京で好きなものを入れたくて、一番好きなホテルも入れましたし、一番好きなレストランも入れました。実際私の友人たちにも出演してもらいまして、主人公たちを東京で案内するような設定にもしましたし、とにかく私自身が好きな、私自身が体験した東京を入れたくて、そのパーソナルな感覚をこの映画に与えたいと思ったわけです。
ソフィア・コッポラ:基本的にこの映画はあくまでもビル・マーレイの演じるキャラクター、スカーレット・ヨハンセンの演じるキャラクターの目を通した印象というものを描いたわけです。そして二人は外国にやってきた旅人でありますし、そういう人たちがどういう風にものごとを見るか、どういう印象を持つかということを描きたかったのです。この二人のキャラクターのみならずこの映画には、映画の宣伝のためにやって来たアメリカの女優も出演します。そういった人たち、東京をあまり知らない、コネクトしていない人たちの視点から描きたいと思いました。簡単に言ってしまいますと、あくまでも旅行者の視点から描いたわけです。基本的なアイディアとしましては、お互いに心を開くにつれて、街に対して、東京に対しても心を開く。そして彼女の友人を通して、より街を知っていく。そしてまたお互いの心をより開いていくという設定になっています。
プロデューサー ロス:私は、初めて彼女の美しい脚本を見た時に大変驚き、感銘を受けました。なぜならば、私自身日本、東京には来たことがなかったんですが、その脚本で繰り広げられた物語は本当に美しい東京のポートレートであり、印象派的なストーリーでした。そして人々の孤独感、絆というものをうまく描いていると感じました。誰もが経験のあることだと思いますけれども、自分の土地や家から離れて飛行機に乗って全く知らない土地にやって来た時には、その旅人というのは普通よりも大変観察力が強くなると思うのです。まさにソフィアもすごい観察力、そして洞察力で東京をパークハイアットから描いていると思いますし、京都も描いているという風に感じました。「カレンダーガールズ」☆☆☆☆
主婦たちのパワー恐るべし!!いいストーリーと中年女優の勇気に乾杯!40代でヌードになれます??この映画の女優たち自身もヌードははじめて。撮影は大変だったらしい。銭湯で裸になる経験がある私たち日本人ならまだしも、イギリス人など西欧人はおんな同士でもその経験がない。そんな彼女たちがなぜヌードになったか?実話なんですよ。
映画解説:
イギリスで大ヒットを記録した、すべての女性たちにエールを送る感動の実話。1999年に発売され、30万部のセールスとなった世界初「婦人会ヌード・カレンダー」の発案者となった女性たちが主人公。
本作でゴールデン・グローブ賞にノミネートされたヘレン・ミレンや『リトル・ダンサー』のジュリー・ウォルターズをはじめ、ベテラン女優たちの競演も話題。もう決して若くはない彼女たちの、凛として上品なヌードも必見。
ストーリー:
アニー(ジュリー・ウォルターズ)の夫が他界し、クリス(ヘレン・ミレン)は、女性連盟が毎年制作するカレンダーの収益で彼の居た病院への寄付を提案。売上を伸ばすため、彼女たちが思いついたのは自らがヌードモデルになることだった。
妻たちの自立に伴う回りの夫たちの反応が面白い。このあたりは日本の中年男性にも共通する問題点だ。生き生きとし始めた妻に戸惑いながらもなす術もなく見守るしかない夫たち。苦々しく思いながらも最後のところでは応援している心優しい男たちだ。ヨークシャーのというロンドンではない田舎町という地域の設定も日本でも共感を持って迎えられたのだろう。実話をベースにしているからよけいに説得力もあるし。
「仕掛け人のひとり・クリスの息子の反応が切実で笑える。自分の隠し持っているエロ本を眺める母親、いきなり人前で裸になる母親、そしてカレンダーで一躍時の人となった母親。そんな母親を持った思春期の少年の戸惑いと苛立ちを所々に挿入することで、肩肘張った女だけのドラマではなく家庭のドラマとしての幅も持たせている」(あるサイトから)
カレンダーは思わぬ大反響を呼び、イギリス国内はおろかハリウッドからも出演オファーが来る。ここまで来ると自分の予想を越えて大きくなったことに、そもそもの発起人、クリスが恐れをなし、仲間の結束にヒビがはいってしまう。しかし、それもつかの間、結局彼女たちはまた普段の生活に戻っていく。彼女たちはほんとうに賢明だった。エンディングが実にすがすがしい。ハリウッドなんて一度味わえば、それでいい。名声も一時のもの。彼女たちはしっかりと地に足をつけて、明日からまたこのヨークシャーで普通に暮らしていく。でも、こんな冒険ができる勇気と行動力が潜んでいたことで自信もできたし、家族ともより絆が深まった気がする。「みんな知っているのだ。分を越えた成功は自分を破滅させるだけだということを。でも、自分たちの力でもいざとなったらここまでやれるという自信をつけたことで彼女たちから見た世界は確実に変わったし、彼女たちを見る世間の目も確実に変わった。すがすがしい終わり方だった」(あるサイトより引用)
クリスを演じたヘレン・ミレンは以前にBS海外ドラマシリーズ「第一容疑者」で注目していた女優。イギリス俳優が男女ともに私の好みに年々合ってくる。そうそうこの映画は「フル・モンティー」の女性版だともいわれている。
ヘレン・ミレン
生年 ■ 1945/07/26
出身地 ■ イギリス/ロンドン
■本名はIlyena Lydia Mironoff。父はロシア人。幼い頃から演劇に興味を持ち、両親の勧めで教員養成学校に入るが中退。65年にクレオパトラを演じて舞台デビューを果たす。69年「としごろ」で映画デビュー。その後パリで演劇を学び、シェークスピア劇などに出演。以降、映画の方は「狂えるメサイア」、「カリギュラ」、「コックと泥棒、その妻と愛人」といった問題作に出演する傍ら、「エクスカリバー」や「2010年」、「ホワイトナイツ/白夜」と話題作にも出演している。90年からは「第一容疑者」シリーズで主役を演じて注目を受けた。97年、テイラー・ハックフォードと結婚。
「スキャンダル」☆☆☆☆
ぺ・ヨンジュンの「冬のソナタ」のイメージにしがみつきたい気が全然ない私だから、こういう新作は大歓迎。クールな貴人を見事に演じきっていた。何よりも今の韓国映画のレベルとエネルギーを思い知ったこと、これは特記に値する。かつてカンヌで輝いた日本映画全盛期のエネルギーを韓国映画をいまみる。高揚期の輝きなのだろう。中国・香港映画の女優たちもつぎつぎとカンヌで話題をさらっているし(主演女優賞に輝いたマギー・チャンをはじめキムタクと手をつないで現れたコン・リーなど国際派がいっぱい)。
それにしても可笑しかったのは、映画館のフロントにあったもの。かつてヒーさまの看板を書店から貰ってかえった私が言えたぎりではないが、ぺ・ヨンジュンと記念写真が撮れる観光地によくある看板(ヨン様と横の女性の顔が、ぽっかり抜けてまして、そこに顔をつっこめば光栄にもヨン様とツーショットが撮れるようになってる)があったこと。それをここでお見せしたかったが報道の腕章を持たないプレスとしては撮ることができなかった。お店の盗み取りはいけませんしね〜(笑い)。
よかったですよ。実にきれいな美術的な映画でした。おすすめします!
パンフによるとこの監督は仏のロメール監督にも影響を受けているらし、「緑の光線」とか語ってます。「冬のソナタ」とよくにているシーンもあり興味津々でした。この「危険な関係」を下書きにしたマダム役のイ・ミスクに釘付けになり、注目。なかなかみごたえがある貫禄と美貌!日本でこの「危険な関係」を作るとすれば マダムは、誰がやる?それにNHKご推薦@ヨン様ほどのアジアン的男前の男優はいないし、ちょっと想像できないですね。
それにしても私たちは韓国のことをいかに知らないことか。この映画も冬ソナも大いに結構。近くて遠い国理解が深まり関心が向きます。でも、昨日の朝日に詩人の金時鐘さんが、警鐘を鳴らしている。彼の奥さんも70歳にして(随分以前にお目にかかったことあります)「冬ソナ」に釘付けになっている。同族の彼にしてみればこの風潮は結構なことなのだが、かつて「君の名は」で銭湯をがらがらにしていたころ、警察予備隊が、自衛隊にかわった。このドラマで持ちきりの話題の合間をすり抜けて、自衛隊は、今遠くどこかへ行ってしまったままだ。すすやかな面差しの「ヨン様」の笑みに、彼はいかようの笑みを返せばいいのだろうか、と。
『恋愛適齢期』☆☆☆
ダイアン・キートンとジャック・ニコルソン主演。西田敏行を連想させるニコルソンのあの風貌はいただけないが、観ているうちにやっぱりうまいので引き込まれてしまうラブコメディー。
同世代なのでキートンは気になる女優のひとりだ。今回は共感できる役どころだ。ラストシーンで孫をあやすシーンまであったのだが、その彼女が恋愛適齢期なのだ〜!キートンは57歳にして、ニコルソンとキアヌ・リーブスが彼女を追ってパリにやってくるという超幸運が開き、まだまだ人生、何が起こるかわからないという内容にウキウキ。
脚本・監督がナンシー・メイヤーズ。前作『ハート・オブ・ウーマン』も観ているので、これはいけそうな気がして観たのだが、観て損はしなかった。キートンの着ているものは9割がた白だったことが妙に気になり、おかげで白の効果に開眼!しばらくわがカジュアルワードローブに白が加わりそう@話喰い!
『ジョゼと虎と魚たち』(監督:犬童一心出演:妻夫木聡、池脇千鶴)☆☆☆☆
文句なしの秀逸作品だった。こういう映画はほんとうに観る価値がある。日本映画もいいな〜と思えた今年初めてみた日本映画だ。ロングランになっているようだ。
観るまで知らなかったが、原作は田辺聖子さん。主役は大阪出身の 池脇千鶴、池脇はやはり大阪弁が似合う。それに、セリフを暗がりでメモしたほどよかった関西出身で関西の大学を出ている渡辺あやのテンポいい脚本。あとで買ったパンフにシナリオが出ていたのだが。
池脇が演じるのは、脚に障害を持つ不思議な少女・ジョゼ。そんな彼女と普通の大学生・恒夫(妻夫木聡)のボケと突っ込みのやり取りが楽しい恋物語をさわやかに描く。どんな恋物語かは観てのお楽しみ。
いまテレビから流れるニュース用語(いま、大嫌いなことば)で言うならば、「人道支援」ではなく、ひととして魅力があったから近づいた、しかし、長くはつづかなかった。それはそれでいいんじゃないのと思える「ふつう」の感覚が大切にされていたから好感が持てるのだろう。あの少々つっぱって生意気な池脇がいいし、妻夫木聡の「ふつう」の大学生って役どころは難しいのだろうが、それも上手い。
私が好きなMBSの水野晶子さんもこの映画を絶賛。「今年初めての邦画だ。 で、すでに、今年の邦画ベスト1はほぼ決定! そりゃ、あまりに暴論だと言われそうだが、これを超える日本映画にまだまだ出会える一年になるとしたら、こりゃ豊作の年ですわいな。少なくとも池脇千鶴はいろんな賞に輝くことだろう」と仰ってます。
『阿修羅のごとく』☆☆☆
『阿修羅のごとく』。私の興味は4姉妹の丁々発止の女の秘めたる阿修羅像。特に長女役の大竹しのぶの演技に関心があった。向田作品の良さを堪能させていただいた映画。とても丁寧に作られている@小津映画みたい。向田作品は男はすべて脇役。それでいて女がそんなに主張もしないで自然体で流れている。それはそれであっぱれな生き方かもしれない。ちょっと前の時代のおんな。着物姿の大竹しのぶに目がいく。幸子が言っていた。お花の先生で、プロとアマのちょうど中間の着物だと。確かにそうだった。杉本会のお煎茶の師範さんに通じるところアリ。とてもいいところで収まっていた。