振り込め詐欺にご用心

えと、恥を晒します。ひっかかりました。

引っかかったのは株式転換社債詐欺なるものに該当します。未公開株詐欺をちょっと複雑にした奴です。
基本的には「A社の株が上場しそうだ、ついては『A社の株に転換できるA社債』を代理で購入しててくれ」というもので、二重カギ括弧の中を未上場株に置き換えれば未公開株詐欺の出来上がり、単純な構図です。
依頼してくる会社は投資家と債券購入権利者の仲立ちをする会社だから、宣伝もしておらず知られてませんよ、という話で、ネットで検索しても出てこないと説明されます。怪しいですね。

本題に戻ると、A社からまず資料と債券購入申込書が送られてきます。場合によってはA社から予め「当社の資料を送らせて頂いても宜しいですか」と事前に連絡があるらしいです。
で、1週間ほど置いて、忘れかかった頃にB社から前述の話が来ます。私の場合は4倍で買いたい、トータルで100口欲しい(1口10万円)と言われて、出来る範囲でということで20口になりました。

次に、この段階はあるとは限りませんが、C社、D社を名乗る会社が同様に「人気のA社の社債を探している」と声をかけてきます。劇場型と言うそうです。真実味を増すためのスパイスというわけです。

B社の次の一手です。投資家さんが欲しがっている100口なんだけれど、あなたが出した20口で埋まるはずだったけれど、債券購入者が債券にそれほどの価値があるのならと手放さなくなり、ついてはあと20口出して貰えないだろうか、という話です。この段階は何度もあるかも知れませんが、私は一回目で破綻なのでここで交渉は決裂です。私の場合はそれまでB社さんを尊重して他社には債券を持っていると言わないでいたけれど、そういう話ならば他にも二社引き合いがあるからそちらにも話をさせてもらう、と言う話で、他の引き合いがあるから、と比較的余裕がある。

しかし、そう、他の二社もグルですから、当然言ってきます。「あと○口用意して貰えれば即座に取引の用意がある。しかしお持ちの口数だけでは無理です。」
私は洗脳済みですから、追加の口数の一番少ない所と手を打とうと、お金を用意しようとしたところで、友人に(心理的に)横っ面を引っぱたいて貰って目が覚めました。当然、洗脳が解けなければお金をホイホイ注ぎ込んで、敵の懐を肥やすことになったでしょう。

これを書いている(公表していない)段階では、ここで消費生活センターに相談して、登記謄本を取ってA社の存在と、B社が先方が言っていた住所には少なくとも登記されていないことを確認、警察にも一報を入れ、通告書を作成して簡易書留で送付、宛先不明で返ってきた所です。

とりあえず書けるのはここまでなので、ここで教訓です。自分の判断力を過信してはいけない。信じてはいけない。洗脳されてしまえば、洗脳されていること自体に気付くことは出来ません。相手の言葉を鵜呑みにし、その言葉を信じ、疑って疑問を呈しても相手はプロだから、その疑問にもっともな回答を用意しています。

ちなみに、振り込みを行う時に「振り込め詐欺にご用心」という文章がATMに踊っていましたが「大丈夫、債券買うだけだから」と「確認」して振り込みました。大バカです。

私からのお願いです。
何か高い買い物をする時は、よほど良くその商品を知っているのでなければ必ず身近な誰かに相談して下さい。できれば複数に。
もし相談する相手がいなければ、消費者センターに相談してみて下さい。
振り込んでしまえば、その時点で負けだと思って下さい。
負け組からのお願いです。

(2010/8/1)


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