超低金利
つい先日の新聞に30年もの国債の利回りが1%割れと報じられた。 これを素直に解釈すると今後30年間我が国の景気は、1%を上回る資金運用利回りが得られるほどの回復は見込めないということになる。 現在の我が国はバブル崩壊以後12年有余にわたる景気低迷に苦しみ、この先何時までこの状態が続くのか回復の糸口さえ見えてこない。 この間に国民は1400兆円に及ぶ財産を失った。 これは我が国国家予算の何年分に値するのであろうか。
 特に金融機関の痛みはひどい。 不動産、株の厳しい値下がりが続く中、会計制度の厳格な適用への変更もあって、金融機関をめぐる経営環境は極めて厳しい。 つい最近もりそな銀行が破綻をきたし国家管理に移るという。 バブル崩壊後単独で生き残った大手行が皆無であるということも経営環境の厳しさをうかがわせる。街で見かける銀行の看板もなじみのない名前ばかりで、取引のある当事者でないかぎりその銀行の以前の名前さへ思い出せない。 今後厳格な不良債権の見直しと、会計制度の変が中小の金融機関へも適用されると相当な数の金融機関が破綻をきたす恐れがある。 我が国経済の立て直しは不良債権を抜本的に処理して金融機関の健全な機能を回復させることにある。 不良債権問題が解決しない限り銀行は新たなリスクの発生を恐れて、資金にいくら余裕があってもそれを新規の貸し出しには回さない。 その金はいくら儲けが少なくても、リスクのほとんどない国債で運用する。 現在は国債バブルに等しい異常に低い利回りで運用されている。 銀行の貸付先である企業も少しでも資金に余裕が出来れば借金返済に充てる。 デフレ経済の続く我が国では資産は持てば持つほど目減りする。 借金は目減りしないでそのまま残る。 だから下手に設備投資をして資金の回収に苦しむより、借金返済のほうがよほど効率がよい。 それにこの不況下では無理に設備投資をして生産力を増強しても需要が付いて来ない。 貸す側は不良債権の処理で手一杯で新たなリスクは取れない。 借りる側もデフレの進行で将来の見通しがたたず新たな投資に慎重になる。 現在の銀行は手元資金の運用に苦慮している。 いかにして資金を安全有利に運用するか。 厳格に言えば絶対安全確実な投資先などない。 今盛んに利用している国債投資にしても価格下落のリスクに常にさらされている。 投資が集中すればするほどそのリスクは大きなものとなる。 景気が回復して金利が上昇局面に向かうと、現在の国債相場は暴落する。 30年もの国債の利回り1%割れという相場は、今後30年利回り1%以上の資金運用利回りが得られるほどの景気回復は無い、ということを前提にして付いた価格である。 景気が回復すると金融機関は新たに国債バブルという不良債権を抱え込む恐れがある。   つい先日の新聞に30年もの国債の利回りが1%割れと報じられた。 これを素直に解釈すると今後30年間我が国の景気は、1%を上回る資金運用利回りが得られるほどの回復は見込めないということになる。 現在の我が国はバブル崩壊以後12年有余にわたる景気低迷に苦しみ、この先何時までこの状態が続くのか回復の糸口さえ見えてこない。 この間に国民は1400兆円に及ぶ財産を失った。 これは我が国国家予算の何年分に値するのであろうか。 特に金融機関の痛みはひどい。 不動産、株の厳しい値下がりが続く中、会計制度の厳格な適用への変更もあって、金融機関をめぐる経営環境は極めて厳しい。 つい最近もりそな銀行が破綻をきたし国家管理に移るという。 バブル崩壊後単独で生き残った大手行が皆無であるということも経営環境の厳しさをうかがわせる。街で見かける銀行の看板もなじみのない名前ばかりで、取引のある当事者でないかぎりその銀行の以前の名前さへ思い出せない。 今後厳格な不良債権の見直しと、会計制度の変更が中小の金融機関へも適用されると相当な数の金融機関が破綻をきたす恐れがある。 我が国経済の立て直しは不良債権を抜本的に処理して金融機関の健全な機能を回復させることにある。 不良債権問題が解決しない限り銀行は新たなリスクの発生を恐れて、資金にいくら余裕があってもそれを新規の貸し出しには回さない。 その金はいくら儲けが少なくても、リスクのほとんどない国債で運用する。 現在は国債バブルに等しい異常に低い利回りで運用されている。 銀行の貸付先である企業も少しでも資金に余裕が出来れば借金返済に充てる。 デフレ経済の続く我が国では資産は持てば持つほど目減りする。 借金は目減りしないでそのまま残る。 だから下手に設備投資をして資金の回収に苦しむより、借金返済のほうがよほど効率がよい。 それにこの不況下では無理に設備投資をして生産力を増強しても需要が付いて来ない。 貸す側は不良債権の処理で手一杯で新たなリスクは取れない。 借りる側もデフレの進行で将来の見通しがたたず新たな投資に慎重になる。 現在の銀行は手元資金の運用に苦慮している。 いかにして資金を安全有利に運用するか。 厳格に言えば絶対安全確実な投資先などない。 今盛んに利用している国債投資にしても価格下落のリスクに常にさらされている。 投資が集中すればするほどそのリスクは大きなものとなる。 景気が回復して金利が上昇局面に向かうと、現在の国債相場は暴落する。 30年もの国債の利回り1%割れという相場は、今後30年利回り1%以上の資金運用利回りが得られるほどの景気回復は無い、ということを前提にして付いた価格である。 景気が回復すると金融機関は新たに国債バブルという不良債権を抱え込む恐れがある。
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