つくばウエルネスリサーチ

元日の新聞に、高齢者の健康維持に取り組むベンチャー企業、つくばウエルネスリサーチの記事が掲載されていた。 高齢者の医療費負担については年々その額が増大し、今後ますます人口の高齢化が進むにつれてその負担をめぐって国や、自治体、企業、個人等の費用の分担問題での摩擦が予想される。 つくばウエルネスリサーチは高齢者の筋力アップトレーニングを通じて、高齢者の健康増進をはかり、ひいては医療費の節減につなげるのがその狙いのひとつである。 私も50台になると自分の体力の衰えを自覚せずにはいられなくなった。まず最初に訪れた体力低下の兆候が50肩である。 つづいて視力、歯の異常、最近では階段とか坂道を上り下りするときに膝が痛くなる。それと就寝中目が覚めると手指がこわばり、屈伸すると鈍痛がある。視力、歯の異常は別として膝の痛み、手指のこわばりは加齢による筋力低下が原因と考えている。 高齢者は若いときには考えられなかった、関節とか、節々の痛みを感じる事が多い、これをすべて病気として医療機関に頼っていては医療費がかさむのも無理はない。 自分で出来る予防措置があるのであれば、出来るだけそれを実行し、それでも痛みが軽減できない場合のみ医療機関にかかるようにすれば、医療費の削減に効果があると思われる。 ところがこの痛みが病気によるものか、加齢による体力低下によるものか、その判断がわれわれ素人には難しい。 結局その判断を医者に仰ぐことになり、医者は自分の診療報酬に影響する予防対策などは積極的には教えない。 医療費削減は今後高齢化社会が進むにつれて、ますます顕在化する大問題なのだから、もっと国とか、自治体が前に出てその節減対策を考えるべきである。
つくばウエルネスリサーリが行っている活動は、本当は国とか、自治体とかの行政が行ってほしかった。 医療費削減が国家的課題になっている以上、削減についての啓蒙活動を行うのは当たり前だと思うのだが。

つくばウエルネスリサーチの事業は、筋力の衰えた高齢者向けに個人別の運動メニューを作り、科学的な筋力トレーニングを実施する。そのノウハウを自治体や企業の健康保険組合などに指導するのを目的としている。  「散歩やウオーキングでは高齢者の足腰は丈夫にならない」が持論。 筋肉には速筋と遅筋があり、老化して衰えるのは速筋で、歩いて鍛えられるのは遅筋だという。 「衰えた速筋を鍛えるのに有効なのが筋力トレーニングだという。 その実績は、このプロジェクトを最初に始めた1995年茨城県大洋村で当初はいろいろ苦労が続いたそうだが、結果的に筋力トレーニング効果で高齢者の医療費の伸びは半減し、村全体で年間数千万円の医療費削減につながったという。  この成功の噂を聞きつけて、全国の自治体など300にも及ぶ団体が大洋村を視察に訪れたという。 その後熊本県新和町を初め和歌山県湯浅町、新潟県見附市など高齢者医療費の増加に悩む全国の市町村が同社にサポートを依頼している。詳細はつくばウエルネスリサーチのホームページ(http://www.twr.jp)に掲載されている。

つくばウエルネスリサーチは自治体とか、企業の健康保険組合など団体が対象となっており、サポートの内容もトレーニングマシーンなどを使う本格的なものになっている。  もっと個人で金をかけずに手軽に出来る筋力体操のようなものはないのか。 このような面でこそ国とか、自治体は個人に助言を与えてほしいものである。 幸い現在ではブロードバンドも大分普及し自治体のホームページに掲載されれば、個人にも情報は行き渡ると思うのだが。


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