俳句入門

私は小学生の頃からずっと俳句には多少の興味を抱いていた。 しかし本格的に俳句を習おうとしたことはない。 仕事が忙しかったし、それ以上に俳句に対する情熱が不足していたのだと思う。 時たま思い出したように俳句に関する本や雑誌を購入して読む程度で、それも継続的に、系統だって読むのではないから俳句の勉強には何の役にも立たない。 今年定年退職したのを機会に少し俳句の勉強もしてみようかと思っている。 とはいえ俳句の歴史とか、理論を研究するのではない。 あくまで俳句の名人、上手といわれた先人の名句、現在の達人といわれる諸先生の名句を鑑賞することから始めて、及ばずながらその千万分の一、百万分の一でも真似の出来る句が作れるようになりたい、と思っている。 そこで恥ずかしながら、私が退職した今年の8月から現在までに作った駄句をご披露する。まったくの初心者なので、形式は整っていても内容は俳句とは言えないと思われる方もあると思うが,御寛恕願いたい。 

今年の夏は異常に暑かった。 私の退職したのは8月中旬であった。 そこでこれに関連して駄句を三句
  つる枯れの西瓜転がる酷暑かな
  炎天に下駄の響きの懐かしき
  定年や酷暑をいかに過ごすべき
私が退職したのは8月20日であったが、9月の初め雇用保険の手続きのため職安(ハローワーク)に行った。 九月といえば暦の上では秋だがまだまだ残暑が厳しく、駅から10分足らずの職安に行くのに汗だくであった。 私は指定時間の20分前、少し早すぎるかなと思いながら集合場所の会議室に着いたのだが、すでに100人近くの人が集まり、ほぼ満席であった。 室内は冷房はしてあるのだが、人いきれのため暑かった。 参加者は若い人も多く失業者の多さに驚く。 私のような定年退職者はいたしかたないとしても、若い人はどうするのだろうと心配になった。 そのときの句が
  職安に残暑厳しき人の群れ
気象庁の長期予報でも今年の夏がこれだけ暑く長引くとは予想していなかった。 9月いっぱい真夏で10月になってもその暑さは続いた。 何時になったら涼しくなるのか、涼しくなるのを待ちかねた。 私は健康のため毎日散歩するのを日課としているのだが、この暑さは辛抱できない。 この為散歩は深夜か、早朝に決めた。 この暑さのためこちらには台風がひとつも来なかった。そのおかげで水不足も続いた。
  蝉止んでかすかに秋の気配みゆ
  粒粒辛苦稲刈る農夫秋暑し
  秋風や炎暑をどこに運びたる
  秋雨や長き渇きの癒えるほど
今年は暑さが長かった割りに冬の訪れが早かった。 夏から秋を飛び越えて冬になったような感じである。
  天高し祭り太鼓の勇ましく
  紅葉は人生捨てし人らにも
  木枯らしも取り残したる花やしき 
  ユリカモメ動かず今日の寒さかな
  また一人訃報に出会う年の暮れ
  年の瀬やはかなき夢に賭けてみる
以上つまらない句ばかり幾つか取り上げてみた。 いくらか上達したらまたご披露したいと思う。

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