米国の財政黒字と日本の外貨準備

日本は世界一の外貨準備を有するが、その大部分をドルで保有している。  ドルは通貨で保有するのではなく、その殆どを
米国国債で運用している。
米国は近年になって財政が黒字となり、以前ほど国債を発行して資金を取り入れる必要性がなくなっている。


このまま財政黒字が続くと米国国債市場は、ますます縮小傾向が顕著になってくる。
国債市場が縮小してくると、流動性が問題となり、その運用に支障をきたす。   日本は米国国債に代わる運用対象を、探さなければならない。            その条件の主なものは
(1)保有するリスクが出来る限り少なく、信用度の高いもの (2)大量に流通していて、流動性に問題の無いもの (3)運用する利回り
が出来るだけ有利なもの  等が挙げられる。         しかしこの三条件をすべて満たすもの、となると多くはないはずである。

従来日本の外貨準備は殆どドル資産であった。   この機会に他の通貨も検討の対象に加えるべきではないか。
今までは日本が保有する大量の米国国債を市場に放出すると、ドルが暴落するとして、売るに売れない状態であったが、現在では
その心配は殆ど無い。      その意味で資産を入れ替える絶好のチャンスではある。

 米国の大幅経常赤字が続く限り、ドル暴落の危険は常にあるわけであり、如何に基軸通貨であるとはいえ、資産を一通価のみに
傾けるのは得策ではない。。


追記
最近イラクが原油輸出代金の決済通貨として、ドルからユーローに変更したのは注目すべき動きである。
政治的背景があるとはいえ、米国の景気減速に備えてドル偏重から方向転換した、点が注目される。




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