知的競争力の強化を

現在日本の人件費の高さは、世界最高水準だと言われている。    この水準を維持しながら他国との経済競争を勝ち抜いてゆく為
には、先端的な技術の開発とか独創的な発明、発見とか、知的水準の強化が不可欠だと思われる。
しかしながら現在の教育制度は、詰め込み主義反対とか、ゆとり教育だとか、およそ競争力の強化とは無縁の方向にむかっているようである。      その結果、分数の出来ない大学生とか、小学校の算数が解けない大学生とか、俄かには信じがたい低学力の大学生
が存在するようである。


いまN新聞で「教育を問う」 という連載記事が掲載されている。
それによると米国はもとより英国、その他の諸外国も競って、知的水準の向上を目指して教育改革をすすめている。
一人日本は、まだゆとり教育の看板を掲げて、近い将来もう一段の授業削減を計画しているようであるが、指導者の真意が
判らない。

現在日本は、バブル崩壊後”失われた10年” とゆう長い期間を不況に苛まれてきた。    その間アメリカは好況を満喫し、他の
先進諸国もそれなりに景気の恩恵に浴してきた。
日本だけが蚊帳の外で、その苦闘を物語るものが、世界でも前例のないゼロ金利の長期継続であった。
高度成長期の蓄積が有ったからこそ、どうにか堪えてこられたが、おかげで財政は火の車である。
もはや日本には余裕とか、ゆとりとかは無いはずである。


教育は短期的に成果が現れるものではない。   長い地道な努力が結実するものであろう。
ITではアメリカの後塵をはいし、欧州はもとより部分的には韓国、台湾にも遅れをとっているようであるが、これをどう立て直すか。
またバイオテクノロジーでもアメリカにリードを許しているが、これをいかにして巻き返すか。
知的競争力強化に向けて、課題は多いいはずである。


今後日本は、世界でも類例を見ないスピードで高齢化社会を迎えることとなるが、これで備えは万全なのか、今一度検討すべきときでは
ないか。


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