マネーの奔流に思う

最近の原油価格の高騰は、アメリカの好景気による消費の拡大とか、メジャーがこれまでの原油価格の暴落に懲りて、極力在庫を
減らした為とか、いろいろ取りざたされている。
しかし最も大きな原因は、天井感のでてきた株式市場から溢れ出した投機資金が、新たな利潤を求めて原油市場に流れ込んだ為では
ないだろうか。


現在のマネーは、利潤のあるところなら国境を越えて、時間を超越して瞬時に浸透する。  「利潤の為ならモラルは関係ありません」
とヘッジファンドの一人は、明確に答えていたが、人の幸、不幸どころか一国の経済を破滅に追い込みかねないほどの凄まじい力を発揮
する。
今規制緩和とか、市場のことは市場に任せろとか言う市場万能主義が、声高にとなえられている。   勿論行過ぎた規制は排除される
べきだが、何でもかんでも規制を緩和して市場に委ねてよいものであろうか。

一握りの投機家のために人間の正常な生活が阻害されるようなことは、厳に慎まなければならない。


冒頭の原油価格の高騰にしても、投機資金に市場が蹂躙された結果ではないか。
一部の人の利益のために、全体が迷惑を蒙るような事は真っ平ごめんである。



追記
アメリカの戦略備蓄原油放出の決定により、原油市場も小康状態を保っていたが、イスラエルとエルサレムの紛争が勃発した為
またまたその雲行きが怪しくなってきた。
原油価格の高騰は、間違いなく世界経済に悪影響を及ぼすので、紛争の早期解決が望まれる。




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