入 日 を 待 つ 

 

コートをはおり、背を曲げて寒さをこらえた多くの人たちが入日の瞬間を待つ。

夕日はだんだんその色を茜色に染め始め、緑がかった水色の湖面にアカネがさすと

水面もそれにつれだんだん金色に変わっていく。

水鳥が水面をかけた後には銀色がかった金色の線が引かれる。

晴れていた空に雲が出始め、太陽が落ちるはずの山上にも雲がかかり、

あたりは薄墨を掃いたようになっていった。

 

 湖北幻想へ    

  

アメージング・グレース By Oto様