草津市志那浜のコハクチョウ・第二報

山本毅也

 月24日(火)、朝5時過ぎに目がさめ、天気が良さそうなので急きょ志那浜を訪れました。天気は快晴、気温マイナス1度C、日の出時刻は6時59分。湖面水位マイナス40cmで正月から水位は20cm回復しました。

 那浜のコハクチョウの数は正月以降さらに増え、一時は140羽になりましたが現在は80〜90羽で落ち着いています。地元の「コハクチョウを愛する会」のボランティアによる諸活動のお陰で、見学者が多いにもかかわらず、一定のマナーも保たれており、いつも気持良く 観察することが出来ます。

 7:08 朝焼けのなか5羽のコハクチョウの到来、バックは霞む比叡山稜線。よく見ると、内側に2羽の親鳥が位置しグループを統率している。(左から1、4,5番目が幼鳥)写真左上は3番の個体を拡大、3番の親鳥はみんなに気を配っているように見える。

 ハクチョウが志那浜に到来する時、視界に入ってからどのようなルートをとるか、又着水までに要する時間の1例をカメラで追ってみた。

(1)8:23.30 北方下物半島方向に3羽の飛翔を確認
ズームレンズ400mm(画角1.6)

(5)8:24.08 右旋回を始める

(2)8:23.55 成鳥3羽 ズームレンズ285mm

(6)8:24.13 北に向きを変える、バックは比良山

(3)8:24.04 ズームレンズ130mm

(7)8:24.19 東方向に旋回し、
エリ上で脚を出し着水体制に入る。

(4)8:24.06 頭上真上を通過 ズームレンズ100mm

(8)8:24.23 着水

 界に入ってから大きく右旋回して着水するまで53秒しかかかっていないことになる。ハクチョウは一般に飛翔速度50〜60km/時程度といわれているので、仮に直線飛行時60km、旋回〜着水時平均40kmと仮定すると、飛翔確認〜頭上旋回直前までの直線飛行・・36秒、直線距離 600m。 頭上で西方向に3/4周右旋回し着水までの時間・・17秒 飛行距離 188m、直径80mとなった。

 常にラフな計算であるが、通常大型の鳥が肉眼で視野に入る距離はそんなものであろうか? 一方コハクチョウが旋回して着水する場合は旋回の直径はもっと大きいように見えるが、実際は以外に径が小さいものだということが分かった。使用したズームレンズは100〜400mm(画角を考慮すると160〜640mm)であるが、大型鳥の場合はズームの上限から下限までフルに活用して丁度いいくらいである。

 湖面に浮かぶコハクチョウ 後で気がついたが右側の2羽の成鳥の嘴の黄色部分が非常に小さい。さてはアメリカコハクチョウとの交雑個体かなと早速識者に確認したところ、コハクチョウで変化の範囲内とのこと、一寸がっかり! しかし今年も湖北ではアメリカコハクチョウの家族(成鳥2羽、内1羽は交雑個体、幼鳥3羽)が12月から来ているので、いつなん時志那浜に舞い降りるかもしれないので注意しよう。
インターネットで調べてみると数多くの個体比較調査の結果、アメリカコハクチョウは嘴の黄色部分は0〜16%であるのに対し、コハクチョウは22%以上であるとの報告見つけた(Evans & Sladen 1980)。

 コハクチョウ成鳥同志の追いかけっこ(写真左)、時々見る光景であるが、雌を追いかけているのか、単なる遊びなのかは分からない。これを眺めていた幼鳥(写真右)が何を思い立ったか突然駆け出した。先ほどの成鳥は親?で幼鳥は後を追ったのであろうか?

写真 アメリカヒドリとヒドリガモのペア(左下 陸に上がったアメリカヒドリ)

 その他の野鳥 湖面には前回同様、ヒドリガモ、オナガガモ、キンクロハジロが多く、マガモも混じっている。遠くえりの外側ではミコアイサもいくつか見える。カイツブリ、カンムリカイツブリも1,2羽沖で潜りを繰り返していた。正月に見られたマガモの交雑個体も依然残っている。
地元のメンバーからアメリカヒドリとオカヨシヨシガモの存在を教えられ写真を撮ることが出来た。

備考 使用カメラ :EOS20Dデジタル1眼レフ 800万画素、ズームレンズ 100-400mm 山本毅也

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