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平成25年3月1日

北 帰 行

―松ノ木内湖のコハクチョウと大浦湖岸のオオワシ―


 平成25年3月1日にカメラ好きの友人二人と琵琶湖を車で一周した。
通常北湖にはコハクチョウは10月、オオワシは11月頃に飛来し、2月下旬に北帰する。この冬は例年に比べ寒気が強いためかコハクチョウは今日現在一部はまだ残っているようである。
湖西の高島市にある松ノ木内湖は最近は年々増加し、1月初旬には200羽に達した。


1. 松ノ木内湖のコハクチョウ
 早朝大津を6時前に出発し、6時50分に現地についたところ内湖の対岸にわずか浮かんでいるだけである。先着の人に聞くと昨夕まで120羽いたが大部分が夜のうちに北帰したとのこと。数えるとコハクチョウ17羽とマガン1羽が残っていた。
実は3週間前にもここを訪れた。当日は生憎の吹雪であったが多くのコハクチョウが近くの畑に採餌へ次から次へ飛び立って行った。

2月8日


(8時46分) 吹雪の中を畑へ次々と出発 


3月1日


(6時50分) 現地に到着、対岸近くにコハクチョウ17羽(内幼鳥8羽)が三々五々浮かんでいる


良く見るとマガンが1羽グループに加わっている。このマガンは1月から松ノ木内湖に定着しているとのこと


(7時6分27秒) グループが一方向に向きを揃え一斉に鳴き交わし始めた


(7時7分14秒) リーダーと思われる1羽が突然羽を広げた


(7時7分15秒) 1秒後ほとんどのコハクチョウが同時に動き出した。しかしマガンは未だ動かず


(7時7分19秒) 5秒後すべてが水面を駆け出した


(7時7分21秒) 7秒後先頭のコハクチョウが離水した


(7時7分24秒) 10秒後先頭の4羽水面を低空飛行中


(7時7分32秒) 18秒後そろって上昇中


 (7時7分39秒) 25秒後グループが遠ざかり再びファインダー内に18羽全体が収まった。
よく見ると一番遅れて出発したはずのマガンが丁度中間の順位で飛んでいる。いつの間に追い越したのであろうか?

近くに住む知人によるとこのグループは近くの畑に舞い降り採餌したあと北帰したとのことである。彼等の故郷へ無事の帰還を祈る。

2. 大浦湖岸のオオワシ
 松ノ木内湖を後にして琵琶湖西岸を北上し大浦湖岸に着いたのは8時10分であった。
昨日訪れた日本野鳥の会滋賀の探鳥会ではオオワシは見ていないので、もしかしたら既に北帰したかもしれないと心配していたが、先着の人の話しでは未だ帰ってないとのことで安心した。待つ事20分、突然湖岸東部の山腹からオオワシが現れた。


(8時31分24秒) その1、頭上を旋廻始める


(8時32分7秒) その2、旋廻は8時35分まで約3分半続く


(8時38分9秒) 南方の山腹に遠ざかる


(8時38分26秒) 中腹に止まる直前。

 この後近くの枝に止まったが姿がスコープでも辛うじて確認できる程度。距離は1km以上離れていて再び飛び立つのを期待して約1時間待ったが、飛ぶ気配が無いので、湖岸を南に回って約500mの距離まで近づいて再び観察を開始した。


(11時8分11秒) 前の場所よりははるかに見えやすくなったが、実質640mmの望遠レンズでもこの程度


(11時23分17秒) 枝に止まってから1時間45分後、突然飛び立ち北に向かって飛び去った。オオワシもこの日北帰したものと思われる。 

 松ノ木内湖のコハクチョウと大浦湖岸のオオワシの北帰に運良く立ち会うことが出来たので、このまま東進し琵琶湖を一周して大津に戻ることにした。途中湖北の野鳥センターに立ち寄ったところ、コハクチョウは大部分が帰ったが未だ一部は残っていた。又山本山のオオワシは昨日(2月28日)北帰したとのことである。

 次に草津市支那浜に立ち寄った。草津コハクチョウを愛する会の会員の必死の保護活動にも関わらず、今シーズンはコハクチョウの飛来が極端に少なく、2月22日まで僅か3羽が時々訪れていたが以後現れず既に北帰したものと思われる。代わりに暫く代役を務めていたミコアイサも27日を最後にいなくなってしまったとのことである。

 これで冬の水鳥のシーズンもほぼ終わりに近づいた。、来年はさらに賑やかな冬のシーズンの到来を期待したいものである。尚、運転を終日してくれたM氏に御礼申し上げる。

使用機材EOS7D, EF100-400mm4.5-5.6L IS USM
山本毅也



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