程なく事務所の呼び鈴が鳴り、一人の訪問者が私の探偵事務所を訪れた。

 「私は命を狙われている、助けて欲しい」
 「イヌオ」と名乗る男はそう言った。

 「ここ最近の一週間ほどで、命の危険に晒される事3回…とても偶然とは思えない。」

 真剣な面持ちで語る男

 「では、その時の状況を時系列順で詳しくお聞かせ願えますか?」
 問う私に彼は話し始めた…

【Case1】
 「5日前の朝7時頃、通勤途中に頭上から鉢植えが落ちてきまして…」
 「どこか当たりましたか?」
 「いえ、かすめただけで、怪我はありませんでした。」
 「どこから落とされた鉢植えか分かりますか?」
 「はい、近所の5階建てのアパートからだと思います。」
 「それは何階から…どの部屋から落とされたか分かりますか?また、犯人を見ませんでしたか?」
 「見ていません、何階からかも分かりません。ただ、そのアパートには友人が二人住んでいます。彼らは私に恨みを持っています。」
 「後で、確認したいと思います。アパートの名前とお二人のご友人の住所を教えてください。」
 「分かりました。」
 そう言うと、彼は懐から使い込まれてボロボロの手帳と高そうな万年筆を出し、スラスラと友人の名前、住所とアパートの名前を書いた。
 「ここです。音を聞いて一階に住んでらっしゃるお婆さんが話しかけてきました、その時のことを覚えてらっしゃると思います。」
 そう言って破ったページを私へ差し出した。
 「分かりました。では、次をお願いします。」


【Case2】
 「3日前夜9時ごろ車に轢かれそうになりました。」
 「どこか当たりましたか?」
 「いえ、何とかかわして、怪我はありませんでした。」
 「その車に見覚えは?」
 「はい、同じ職場の上司が乗っている車と同じ車種でした、ただ運転手やナンバープレートまでは見えませんでした。その上司は、私の事を嫌っていました。」
 「まぁ、人には相性の合う合わないがありますから、ただその『嫌っている』が殺人に及ぶ程のものでしょうか?」
 「それは私には分かりません、それに例え本人に直接聞いても『そんな訳無い』としか言わないでしょうね」
 「それもそうですね。では、次をお願いします。」


【Case3】
 「昨日朝8時ごろ列車のホームから突き落とされました。」
 「列車には当たりましたか?」
 「当たってたら今ここに居ませんよ?」
 「それもそうですね。犯人は見ませんでしたか?」
 「犯人かどうかは分かりませんが、2人の知人が同じホームに居ました。」
 「二人を見たのは落ちる前?落ちた後?位置関係など詳しく。」
 「落ちる前です、同じホームに居るのは分りましたが、転落した時にそばに居たかまでは分りません。」
 「その二人に命を狙われるような心当たりは? その二人は今までの容疑者と同一人物ですか?」
 「心当たりはあります。今までの容疑者とは別人です。」
 「そうですか。」

 これで殺人未遂事件が3件に、5人の容疑者が登場した訳ね…

 この事件を解決するために私は…

【どうする?】

 1)事務所の連絡先を名刺で伝えた。    

 2)事務所の連絡先を口頭で伝えた。    

 3)事務所の連絡先を念力で伝えた。