【容疑者は5人!〜雨の訪問者】


 それは雨の日の午後だった。


 私の名はメーコ。天才美少女名探偵だ。複雑な経緯を経て、個人で探偵事務所を開いている。
 やや小さめの洋館を事務所兼住居に、気ままな一人暮らしだ。

 私が自ら天才美少女名探偵と名乗っているのには理由がある。

 自分で言わないと誰も言ってくれないからだ。もちろん苦情は受け付けない。

 今日は来客の予定がある、以前の仕事で知り合ってから、ちょくちょく小さい仕事を回して貰っている得意客だ。
 歳が近いせいか話が合う、今日のように打ち合わせと称して、特に目的の無いお茶会を月に数回開いていたりするのだが…

 「あれで、お茶にうるさくなかったらなぁ…」

 一人暮らしが長いせいか、独り言が口をついて出る。

 やれ、入れるお湯の温度が高すぎる。
 茶葉の量が多いの少ないの。

 料理にはそれなりの自信があるのだが、私は飲んで仕舞いのモノにそれほどこだわりは無いのだ。

 挙句に、「そんなに砂糖を入れたら糖尿病になる」ですって!?

 「まったく小姑かっちゅーの!」

 約束の時間までまだ1時間以上ある、しかし正門の門扉が開いた気配がした。

 「うそ!? まだ何の準備も出来てないわよ!?」

 それにいつもなら車で来るはずだ、しかし今日は車の音はしなかった、駅から徒歩で来た事になる。

 この探偵事務所には、正門から玄関まで小さいながら庭がある。しかし駐車場は無いため、車で来た訪問者は、先ず正門の前に車を止めてから正門を開けるはずだ。

 慌てて鏡を探し、寝癖を撫で付けながら二階の窓から外に目をやる。

 紫陽花の咲く探偵事務所の玄関へと続く小さい庭を、折り畳み傘を片手に真新しい背広を着た男が歩く。
 年の頃は30台後半だろうか、乱れの無い服装から男の几帳面さが伺えた。
 手に持っているのはその傘だけ、待ち人でも無ければ、何かしらの集金でも無さそうだ。

 「あらやだ、別口のお客様ね。」

 しかし、この訪問者には違和感を感じる…
 念のため私は…

【どうする?】

 1)ピストルをポケットに忍ばせた。    

 2)カメラをポケットに忍ばせた。     

 3)ビーフジャーキーをポケットに忍ばせた。