李明徳
藤永田089 〔李明春(弟)の証言、2006年11月、民権県で聞き取り(張忠杰)〕
・1943年、兄は日本人に拉致されて日本に連行され、藤永田造船所で働かされた。働かされていた間、飢えと寒さに苦しめられ、昼も夜もきつい労働をさせられた。
・兄が拉致されてからは、家に働ける者が一人もいなくなった。父母は年を取っており、体も弱く病気もあり、養ってくれる者がいなくなったので、よその土地に行って物乞いをして生きていくしかなかった。
・兄は家に帰り着いたとき、骨と皮ばかりに痩せこけており、全身が傷だらけだった。それ以後、兄は病の床に伏し、長期にわったって病苦に呻吟し、1997年に治療の甲斐もなくこの世を去った。