王亭治 [事業場名簿で王庭治]
藤永田152 〔王孝忠(孫)の証言、2006年11月、民権県で聞き取り(張忠杰)〕
・祖父が生前語っていたところによると、1943年のある日、祖父は県城で日本人に拉致され、日本の大阪に連れて行かれて、藤永田造船所で働かされた。日本にいた間は、飢えに苦しみ、寒さを防ぐ衣服もなく、昼夜を問わず働かされていた。日本人からいつも殴られ怒鳴られ、病気になっても治療は受けられなかった。
・祖父が拉致されて、残された家族の生活はいっそう苦しくなった。曾祖父は高齢で病身のうえ、息子を奪われたことから、毎日息子を思って泣き暮らし、ついには、よその土地に流れていって物乞いをするようになっていた。祖父は、家にたどり着いたときには体中に病気を持っており、1996年に亡くなった。