葛治田

藤永田083 〔李張氏(妻)の証言、2006年11月、杞県で聞き取り(張忠杰)〕

 ・夫は、十四歳のときに杞県で日本兵に拉致されたと言っていた。若いので使えそうだということで、日本に連行されて働かされたのだ。父母は事情が分からず、あちこち探し回ったが息子を見つけられず、毎日泣き暮らしていたそうだ。
 ・葛治田は家にたどり着き、拉致されてから日本で苦しい労働をさせられた悲惨な状況を父母に訴えた。その後、病気になり、力仕事ができない体になって、いつも薬を飲んでいた。そして十年前に亡くなった。夫の病気は、すべて日本で働かされていたときのことが原因だった。