馮国曽 [事業場名簿で馮国増]
藤永田008 〔馮強(孫)の証言、2001年10月、民権県で聞き取り(張忠杰)〕
・祖父の馮国曽は1944年の秋に県城で日本軍に拉致された。連れ去られて以後、何の消息もつかめなかったが、傅老人の話から、祖父が同じ村の王小三とともに日本に連行されたことをようやく知ることができた。祖父たちが大阪の造船所で苦しい仕事をさせられたと聞かされた。
・祖父が連れ去られてから、我が家では老人を養える者がいなくなり、幼い子どもを育てられる者がいなくなった。生活の苦しさは言葉では言い尽くせないものがあった。五十年以上経っても、祖父の消息はまったくつかめていない。死んだのか生きているのかすら分からない。