姚五倍さんからの手紙

 お手紙で叔父が亡くなっていることを知り,大変悲しく思っています。それと同時に,この知らせを得たことに驚きと安堵をも感じています。
 兵隊として連れて行かれた後ずっと何の便りもありませんでしたので,家族の者たちは彼は死んでしまったのだと思っていました。でも私たちはいつも懐かしく思い出していましたし,望みをつなげながら,何かにつけて叔父のことを話し合っていました。死んだにしても知らせぐらいあってもいいじゃないか,住所ぐらい分かるだろうにと話していました。でも,何の知らせも届きませんでした。父の姚天永は死んでも死にきれない気持ちでいました。そして今こうして,ようやく待ち望んでいた日がやってきたのです。
                (04年4月16日の手紙)