幸存者・范臘月さんの目撃証言

 白同愛という人は、私の村から一緒に連行されてきた人ですが、身体が弱っているので大きな麻の袋がなかなか担ぎ上げられませんでした。すると後ろから監督に鉄の棒で、右の肩のところからバーンと殴り付けられ、その場に倒れ込んでしまいました。宿舎に連れて帰ってきた後、彼は寝込んでしまって、医者もろくに見てはくれません。そのまま食べ物も食べられない状態のまま、5日間ぐらい放っておかれましたが、とうとう死んでしまいました。
   (98年4月12日、来阪した「大阪中国人強制連行受難者追悼と証言を聞く集い」での証言)