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奈良公園 ささやきの小道 馬酔木 2003.3.26
(写真はクリックすると拡大されます)



お彼岸の頃を過ぎたら、浄瑠璃寺に行ってみたいなあと思っていた。
それで、堀辰雄さんが浄瑠璃寺について書いたものがあったなあと思って、図書館で堀辰雄さんの本を借りてきた。
(参考: 大和路・信濃路 堀辰雄 ←アマゾンのページにとびます)
そして、「浄瑠璃寺の春」(集英社 日本文学全集 50 堀辰雄 P384〜)というところを読み始めると、
「この春、僕は前から一種憧れをもっていた馬酔木の花を大和路のいたるところ見ることができた」という部分から始まっていた。
そしてそれから、浄瑠璃寺の門の傍らの馬酔木のことに、話がすすんでいくのだった。私は「ふーん、馬酔木ねえ・・・」と思った。

奈良公園では、お水取りが終わると公園のあちらこちらで馬酔木の花が咲いている。でもあまり、あちらこちらに咲いているので、奈良の近くに住んでいると、それほど珍しいお花とは思えなかったのだった。でも、そういえば、馬酔木なんて、こちらに住み始めてから知ったお花だったかなあ、と考えたりした。東京のほうに住んでいる人には珍しいのかもしれない・・・。
堀辰雄さんの「大和路」の4編のみは、昭和21年に「花あしび」というタイトルで出版したらしかった。(P441)「花あしび」ねえ・・・。万葉集にも馬酔木の花がよく詠まれているらしいことも書かれていた。そして、「浄瑠璃寺の春」は、春日の森の馬酔木と、浄瑠璃寺の馬酔木の花のお花が違う・・・、なんていうふうに、お話は終わっていくのだった。(P389)

それで、浄瑠璃寺は去年春のお彼岸の頃に行って、すごくお花がきれいだったけど、少し時期が早いかもしれないので(今年は少しお花の開花も遅いので、でも、もういろいろなお花が咲いているかもしれませんが・・)、先に奈良公園の馬酔木のほうを見に行ってみることにした。奈良公園にはあちこちに馬酔木の花があるけれど、どこに行こうかなあ・・・。奈良公園に馬酔木の木が沢山あるのは、鹿が嫌がって食べないからだと聞いたことがあった。鹿が食べると酔っ払っうような状態になるから、”馬酔木”というらしい。今頃は二月堂から大仏殿の裏の土塀の道は、こぶし(木蓮かな?)の花も咲いていたりして、綺麗かもしれない。あの辺りにも馬酔木の花があったし、二月堂の横にも大きな馬酔木の花があった。しかし本の中には、春日の森の馬酔木が出てきていたので、春日大社の近くの「ささやきの小径」を、散歩することにした。初めて「ささやきの小径」という名前を聞いた時、なんとロマンチックな名前だろうと思った。恋人同士が、語りあいながら散歩するのにふさわしい道なのかなあ、と想像したこともあったが、実際に行ってみると、春日の原生林の中という感じで、外国の絵本の森の中のようなところだった。一人歩きには、少し寂しいなと感じるようなところだった。でも、それほど、長い距離でもないし、私が行った時には、いつも誰かが歩いていた。

春日大社の二の鳥居のところを、旧志賀直哉邸の標識にしたがって高畑へ抜ける道が、その道だった。
高畑には以前、志賀直哉が住んでいた家が今でも残っていて、一般公開されている。ずっと昔に中に入ったことがあるが、素敵なおうちだった。もし我が家が宝くじにでもあたって、お金持ちになったら、高畑辺りに家を持つぞ、と家族と話したことがあった。奈良公園、春日原生林にも近いので、家族もあのあたりはいいなあと言っていた。高畑には、春日大社の関係の人たちも住まれているようだった。なんか大きなしめ縄だったか、御幣だったかがついているお宅だなと思ったら、宮司さんのお宅だったこともあった。

さて、馬酔木の花の咲く「ささやきの小径」はどんなのかなと期待しながら行くと、「あれー?」いつもと同じような感じだった。馬酔木の木はあったのだが、少し季節が遅かったかも知れないが、あまりお花が目立たなかった。馬酔木の木は確かにトンネルのように、小径に覆い被さっているけれど、期待したお花はそのトンネルの木にはあまりついていないようだった。又、あの辺りにある木は、馬酔木の原生林らしくて、木も大きいので、お花が上のほうにあって、私には見えにくいのだった。
がよく見ると、沢山お花のついている木があった。
目だたないお花だけれど、近くでみると、とてもかわいいお花だった。すずらんの花が木についているような感じかなあ・・・。

「浄瑠璃寺の春」で、奥さんが馬酔木の花の「そのふっさりと垂れた一塊を掌の上に載せたりしてみていた」(P385)というところがあったけれど、私もそおっと手のひらにいれてみると、すごく、可愛い感じがした・・・。
ささやきの小径が、そう呼ばれるようになったのも、少しわかるような気がしてきた・・・・。森林浴にはよさそうなところだと思った。
*ページがついているところは、集英社 日本文学全集 50 堀辰雄から引用しました